見たまま、感じたまま、思ったまま

医者の心得集425より


彼がくれた本の中で一番印象に残っているのに「ドクターズルール425(医者の心得集)」(Clifton K.Meador.M.D著、福井次矢訳/南江堂)と言う本がある。

これは外国の偉いドクターが、医者として心得るべき事項を古くはヒポクラテスの時代から、現代まで溯って集めて来た格言集である。
外国人が選んだ物であるから、日本の医療事情に照らせば少し違和感がある部分もあるが、それでも含蓄が深い物が多い。もちろん医者に向けて書かれたものであるが、患者さんが読んでもナカナカ面白く、医療行為を受けたり医者にかかる上で役に立ちそうな物も多いので、ここに記して置きたいと思う。僕は診療の合間に何度もこれを読み返している。そして出来るだけ実行しようとしている。全部で425もあるので全部は紹介できないし、患者さんが読んでも面白いと思うもののみ集めてみた。
どうですか?ぼーっと読んで楽しんでみてください。
掲載に当たって、色々と分類を加えてみます。
文の最初に付いてる数字は、オリジナルに付いている順番です。

(A)患者さんと医者の関係について


30.他のことをしながら患者の話を聞いてはいけない。全力を傾けて聞くこと。

38.症状のある患者に「どこも悪いところはありません」と言ってはならない。それは患者を傷つけ侮辱する事になる。

66.患者を病名で言わないこと。あの胆石は・・とか。

98.疾病の中には治療することが出来ないものがあるが、ケアすることは全ての患者についてできる。

124.好むと好まざるにかかわらず、どの医師にも小さな「呪医」が宿っている。「呪医」の技術をかしこく、しかも患者の利益の為にだけ使う様に。

29.患者には病人になる方法を教えるのではなく、健康になる方法を教えなさい。

49.患者から希望を取り去ってはならない。

病気を知るよりも、その病気を持っている患者を知る事が重要である。

254.どうして良いのか迷った時には、あなたの祖母にならしたであろうと思うことをしなさい。

(B)診察技術、診断に役立つ事


2.痛む部位の診察を必ず行うこと。その部位に手を当てなさい。

5.血液検査や尿検査の結果で病人と健康人を区別することは不可能である。

6.人が病気かどうかは、話を聞き、注意深く観察し、適切な質問を発し、理にかなった臨床決断を下すことによってのみ知ることが出来る。

109.内科的疾患による症状は、良くなるか悪くなるかのどちらかである。心理的原因による身体症状は時間が経っても変化しない傾向にある。


300.医師と患者がいったん慢性疾患であることに同意したなら、その疾患は不治の病となる。レッテル貼りに注意。

(C)治療に関する事


18.可能ならば全ての薬を中止せよ。それが不可能ならば出来るだけ多くの薬を中止せよ。

287.効果があるかどうか疑問に思った薬は恐らく無効である。

257.どうしてよいのかわからない時には何もしないこと。

(D)その他


65.貴方が変える事が出来るのは何か知りなさい。
貴方が変える事が出来ないのは何か知りなさい。
その違いに気づくだけの知恵を持ちなさい。

68.あなたが生化学や生理学、解剖学についてたくさんの知識を持っているからと言って、人生や人間について豊富な知識があることを意味する物ではない。患者や他の人々から学びなさい。






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