見たまま、感じたまま、思ったまま

de RACINES

de RACINE

作詞 作曲 歌 KALI


racines KALI ESCA5016 1988

風の吹く島マルチニック、花の島マディナ、愛すべきちっぽけな島の火山の溶岩の中から出てきた小さな宝石がこのアルバムです。(解説より)

カリブ海に浮かぶ小さな島、マルチニック。
かつてマディニナ・花の島と呼ばれ、1年中ブーゲンビリアとハイヴィスカスが咲き乱れるこの島は、一方でイギリスとフランスに蹂躙され、首都のサン・ピエールが一瞬にして火山の噴火により、この世から消え去るという不幸な歴史を持つ島でもある。
ラフカディオ・ハーンも愛したその花の島から生まれた哀愁のダンス音楽ビギン。

サン・ピエールで生まれ、ドレッドヘアーでレゲエを唄う現代のマルチニックの青年KALIが、ギターを年代物のバンジョーに持ち替え、ビギンと、もうひとつの島の伝統音楽シューヴァル・ブア(回転木馬の伴奏音楽としてはじまった)に取り組んだのがこのアルバムです。

伝統のダンス音楽で満たされたそのアルバムの最後を結ぶ哀愁のボレーロがこのアルバムに唯一納められているKALIのオリジナル曲「ラシーヌ」です。「根っこ」(ルーツ)という意味のこの言葉は、唄うことは泣くことであり、叫ぶことだと結ばれます。
美しく悲しいメロディ、そして間奏のバンジョーの哀愁を帯びた響き。

ワールドミュージックのブームは去って、今はもう廃盤になっているかも知れないけど、この歌の輝きは今でも褪せる事が無い。
この曲に引き合わせてくれた、ワールドミュージックブームに感謝しています。

苦悩の根が私の頭の中にある
それは私の指先にまで伸びてくる
私は愛を歌った
けれど私の心はすでに締め付けられている

苦悩の根が私の頭の中にある
涙が私の眼にこみ上げてくる
私は愛を歌った
おいで お前は私の指先にある
もっと歌えと言うなら
泣く、私は泣くだろう

ごらん、死に行く子供達がいる
私たちはそれを見ないふりをする
病んでいる人々もいれば
泣き伏す人々も居る

生命の根が私の頭の中にある
音楽は私の指先にある
それは私の心臓に鼓動する
希望の太鼓だ
歌えと言うなら
叫ぶ!私は叫ぶ!
 (対訳 対馬敏彦)








KALIは、その後2作を出したまま消息不明である。
どうなったか、どなたかご存じないですか?


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