障害児の幼稚園選び


私の頃は幼稚園は二年制が主流だったが
最近は三歳児保育が主流らしい。
私としては入院生活も長く社会生活が欠けた生活を送った
ムスメには家以外の場所で生活する機会を設けたかった。

最初に考えたのが当時通っていたリハビリ施設のデイケア。
ところが先生に聞いてみると
「ムスメさんではちょっと」と遠まわしに断られてしまった。
後々気付いたのだがそのリハビリ施設は
日本で最初の重度障害者施設として誕生した歴史あるところで
評判も良くその施設のためにわざわざ
他県から引っ越してくるような人もいるくらい
人気があったらしい。
当然倍率も高く入所は重度障害児が優先されて
いたようなのでムスメのような軽度障害児は受け入れる余裕が
なかったようだった。

どこから調べてくるのかムスメにも近所の幼稚園から
DMが届いていた。しかし二歳半でようやくよちよち歩き
できるようになったものの言葉もいまだ発しないムスメが
普通の三歳児と一緒に幼稚園に通えるとはとても思えなかった。
入れるとしても四歳児からにならないと地元幼稚園もあきらめた。

もう一つ地元保育園に通うことも考え
役所にも足を運んでみたがこのあたりの保育園は
どこも満杯で待機待ちが当たり前と言われてしまった。
しかも私のような専業主婦が入れる可能性などほとんどないらしい。

結局ムスメは育児相談に通っていた盲学校の幼稚部に
そのままあがることにした。
盲学校の幼稚部は少人数制で三学年でわずか八人。
先生は四人いたが年少には一人ずつ担当がつき
ほぼマンツーマンという大変恵まれた環境だった。
ここでは丸二年フルで通園した。

しかしこのまま盲学校しか知らない環境では
まずいだろうと思った。
就学問題についても盲学校の小学部にそのまま
あがることは考えていなかったので
一度は地元の幼稚園に通わせたいと思っていた。
しかしどこの幼稚園に入れていいかわからず
とりあえず一番近い幼稚園に連絡して話をした。
受け入れてくれそうだったので
年長からそこに通うことにした。
といっても万が一馴染めず行き先がなくなっても
困るので月-水は幼稚園
週末は盲学校に通うことにした。

幼稚園は障害児枠ではなかったので
ムスメに対して加配の先生がつくわけでもなく
扱いは普通の子と全く同じ。
おまけにその幼稚園はかなりのマンモスで
一クラス40人で先生は一人。
担任は20代前半と思われる若い先生。
ムスメの障害のことを話しても
あまり気に留めている様子もなく不安だった。
ところがこの担任の先生若いながらも
ホントにいい先生だった。
先生から何も言ってこなかったので
特にトラブルはなかったと思い込んでいたが
小さなトラブルはちょくちょくあったらしい。
しかし「ムスメさんはがんばってるし
みんなにも好かれているから大丈夫ですよ!」
ととても暖かく見守っていてくれたのだ。

就学の時ムスメに盲学校と地元小
どちらがいいか聞いてみたことがある。
ムスメは即答で「幼稚園の友達と一緒に地元小に行きたい!」
と答えた。
この言葉を聞いて私はムスメを普通小に入学させることを
決意した。

今思うと盲学校と幼稚園での生活はムスメにとって
とてもベストな選択だったと思う









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