Memorial flight days

Memorial flight days

06/04/10足尾クロカンチャレンジ2006



大会2日目 (飛行距離記録43.3キロ 24位)

昨年はエントリーするも風が怪しく中止。
といことで今年は2年ぶりの参戦。
初日の天気は良くなく、2日目のみの大会。
大会主催者の情報によると、2日目のコンデイションでは北方向へのクロス
カントリーは距離を延ばせても茂木くらいではないかとのこと。
北東へ進むか、東風を待って西へ移動するかコンデイションの読みにくい1
日となった。
とりあえず方向が定まらない中テイクオフ。

1,500m程高度を稼ぎ筑波山へ移動出来そうな高度まで到達。
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周りに機体が増えてきたので筑波山へ移動開始。
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下の写真の山が筑波山
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筑波山上空に到達するも西へのクロカンは過去にあまり例がないことから、
選手は皆西方向への移動に慎重で暫らく待機。
その後暫くすると他の選手より無線機で下館市上空(筑波山より北西に約
10キロ地点)を通過との音声が入った。
自分が筑波山へ辿り着いたのは先頭集団のグループ。
よってまだ誰も西方向へは移動していないと思っていた。

この無線を聞いた後に数機が西へ移動開始。
自分も着いて行くことにした。
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しばらく移動すると牽制をし合っているのか、先頭を走るのを嫌がっているの
か、他の機体は西へと移動しようとせず。
雲による吸上げで待機し始めた。

それなら自分が先頭を切ろうと他の集団を置いて西へ移動開始。
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西へ暫らく移動した後、背後の筑波山の方を振向くも他の機体はいなかった。
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他の機体は自分のコースよりも少し南側を西へ進んでいった模様。
ここから周りにダミーがいなく自分独りでサーマルを見つけながら移動する
こととなった。
コースを誤ったのかサーマルのヒット率が悪い。
ただ前方には大きなサーマルの塊に見える雲が沸いていた。

サーマル雲発見
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*日差などにより暖められた地表面の熱は地面近くの層に伝わり、そこで
 熱がたまるとサーマル(熱上昇気流)として上昇します。サーマルが上昇
 を続けるのは地表付近で得た熱エネルギーによるもので、ある高さまで
 上昇すると、空気の塊は水蒸気を含んでいる為雲になります。
 よって沸き始めている雲の下はサーマルが期待出来ます。

雲の下へと辿り着いた頃まで高度が下がり続け、筑波山付近で1,800mあ
った高度が1,000m近くまで下がってしまった。
はるか上空を見ると、機体が1機雲底につけているのが小さく見える。
このまま下がり続けるのか、ここで沈んでしまうのは悔しい。
サーマルにヒットしてくれと願っていると、願いが通じサーマルヒット。
筑波のグランドサーマルは朝霧と違い、高度が低くなってもここまでかと思
うまで上昇してくれる。
雲底まで1,000m近く、一気に標高1,900mまで高度を獲得出来た。
高度獲得後、追風を背負い西へと移動開始。

下館市上空到達し西へと移動開始。
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西へと移動.jpg

鬼怒川上空を通過
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移動中なかなかサーマルにヒットせず、次第に高度が落ちていく。
四方八方見渡しても他の選手の機体は見えない。
周りに沢山機体がいてくれれば、サーマルを探すのも楽なんだけど。
と思っているうちに高度がまた落ちていく。
標高900mまで高度を落としてしまった。
しばらくし、市街地の上空に辿り着いた辺りでサーマルをヒット。
このサーマルもまた、逃がさなければどこまで上がっていくのか。
この時も+600m近く高度を稼ぐことが出来た。

高度獲得前の写真
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高度獲得後の写真
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この時のソアリングを見ていたのか、途中で北の方角から1機こちらへ向か
って来る機体を発見。
合流し互いにサーマルに乗りながら一緒に高度を稼ぐ。
その後、宇都宮市飛行禁止区域の南側を西へと進むと、先程一緒に飛んで
いた機体はいつの間にか消え去っていた。
(この機体は結果的に宇都宮付近まで距離を伸ばしていた。)
その後飛行途中、軍事用のヘリが私の斜め前方下を通過し多少焦る。
暫らくし、西側を見るとようやく山岳が見えてきた。

無線では西へ距離を稼いでいるとの情報あり、自分も西の方向へと進んで
行く。
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ようやく前方に山岳が見えてきた
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東北自動車道上空を通過
東北自動車道上空.jpg

東北自動車道上空を通過し始めた辺りから南風が非常に強くなり、西へ進
むも北側に流されてしまう。
高度も低くなり、ランデイング場所を探しながら移動。
北方向に1機強烈なサーマルでバンクをかけながら上昇する機体を発見。
ただ自分の機体の高度に余裕がなく、おそらくそのサーマルまでは届かな
いだろうと判断し向かうのをやめる。
(後にこの機体も宇都宮付近まで距離を伸ばしていた。)
南風が強いことから西ではなく北方向へ移動することにした。
しばらくし、工業地域であろうか工場が密集する地帯の中に大規模な工場
があり、その上空を通過した際、荒れたサーマルに翼が大きく揺さぶられた。
このサーマルをうまく捕まえ続ければ高度を稼げそう。
しかし、直径が300m以上はありそうな大規模工場。
工場の中心部でヒットした荒れたサーマル。
可能性は低いがもしここで潰され、レスキューを投げる事態となれば、工場
の屋根の上に降りることとなり大問題になるだろうとの懸念が頭の中を過る。
サーマルは諦めそのまま北に飛んでいくことにした。
しかし工場を過ぎたあたりから、サーマルはひとかけらもなくランデイング体
制をとることに。
南を向くとバックしてしまう程の強風であった。
広い空地を見つけランデイング。

ランデイング地点
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自分が果たして地図上のどこに降りたのか全くわからない。
交通量の多い道路が見え、交通標識を見てようやく自分が西方町にいるこ
とがわかった。
いずれにせよ回収車を待たなければならない。
とりあえず建物が立ち並ぶ市街地へと歩いて行く。
途中見つけた病院のベンチに座り、ここで回収車を待つことにした。
しばらくすると、同じく足尾からクロカンで飛んできたハングライダーのフライ
ヤーが近くに降ろしたようで私に声をかけてくる。
パラグライダーのバックを見て私がフライヤーと気づいたようだ。
その後クロカンの経緯の話で盛り上るが、回収車は来る気配全くない。
電話をすると、他の選手の回収もありおそらく夜まで待機してもらうことにな
るだろうとのこと。
何時間も待つなら自分で移動した方が早そう。
ということで再度地図を見てみると、少し歩けば電車の駅があるのに気付く。
駅まで1キロ位の距離であることから歩いていくことにした。
25キロもあるパラバックを担ぎながらなんとか駅に到着。
電車の時刻表を見ると田舎ということで電車は1時間に1本。
駅員に声をかけ水戸線と合流する小山駅行がどちらのホームか尋ねると、
反対側ホームが小山行きとのこと。
切符を買う際に生憎電車が到着していた。
あの電車に乗らないと、また1時間待つことになると大慌て。
早くしないと出発するよと促されるも、駅員が電車の車掌に待ってくれと声を
かけてくれた。
パラバックを担いでいることもあり、なかなか走れない。
かなり電車を待たせてしまい大迷惑。
窓越しに目線を浴びるが、田舎の方は心優しく文句は一言も言われず。
その後、一緒にクロカンにエントリーした仲間が足尾から小山駅付近まで車
で向かいに来てくれ、その後いろいろ有りショップには21時過ぎに到着。
記録は43.3キロと自己記録更新出来た。
今回は過去にない西方向へとクロスカントリーが出来た貴重な体験でした。

地図上の赤い線が大会での飛行軌跡
1

パラグライダーの大会ではGPSを必ず持ちながら飛んでいます。
GPSには飛行距離・時間・高度等の情報が記録される為、飛行後大会本部にGPSを提出し、データを弾き出すことで順位が決まります。

大会のHP


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