九號の巣窟

九號の巣窟

ジャパニーズロウレゾキャラメルタウン




歩き疲れたと、この町はおしゃべりしていた、真夜中。
空にライトのイロドリが映る、星が見えなくなるほど。


この町の罪。


それは、甘い秘密を隠したグンゴリの手癖。


計画された通りだ、十分な集客が見込める。
(グンゴリはこの町を作った創造主、唯一神として崇められている。)
黒ミツ頭の園社にも「汝、妄癖ならん」のディツンララ(神伝言)。

まだ近寄れないと、僕は早口で呟いている、真夜中。
よじれる君の楽しそうな影が見える、何か言わなくちゃ。


僕は悔やむの。


それは、町の灯りに隠れたグンゴリの悪戯。


予期せぬ想像が、いきなり僕の瞼を覆う。
君の体のどこへキスしよう。続けざま想うけれど。


離れぬ雪景色、話さぬ無口な君、二つの影が夜灯に揺られて、


魔法の台詞があるのなら、今すぐ教えてよ、それは、この瞬間の奇跡となる。


それは、かわいい君がばらした忘れない約束。


予期せぬ現実が、いきなり僕の心奪い去る。
君のカラダ→ノド→コエ→「キスしよう」気持ちは高鳴るけれど。

離れぬ雪景色、話さぬ無口な君、二つの影は夜灯に揺られて。
夢咲く歌舞伎色、一面の雪を照らし、多くの色はこれみよがしと映える。

近づく唇と唇の距離を測って…あと少し

離れた現実世界、話さぬ無口な君、舞踏は何よりも雄弁となる。
華咲く季節さえ、かすんで見えてしまうほど、この町の光は冬にも暖かくて。
ずっとね…


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