2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
全3件 (3件中 1-3件目)
1
古事記ではこの世を支配する神三人がそれぞれ天と地、海、根の国(冥界・死者の国)を分け合います。(ちなみに三人は、伊耶那岐が伊耶那美を追いかけて黄泉の国へ行き、そこから帰ってきたときに禊として、左目を洗ったときに生まれたのが天照大御神、右目を洗ったときに生まれたのが月読命、鼻を洗ったときに生まれたのが、須佐男命ということになっています。)天と地…天照大御神が治めます。 高天原というところにいて、他の神々と暮らしているのです。海 ……須佐男命が治めます。 天照の弟で乱暴者だということになっています。冥界 …月読命(ツキヨミノミコト) 古事記にはあまりエピソードがなくってちょっとかわいそうですね。さて、ギリシャ神話にも似たような話があります。ギリシャ神話でも、この世を三人の兄弟で分け合います。(父・クロノスはやがて自分の子供に脅かされるというガイアの予言のため、生まれてきた子供を皆、飲み込んでしまう。しかし、母レアは何度も生まれた子供達が飲み込まれてしまうので最後の赤ちゃんだけは、クロノスの目を逃れてクレタ島で元気な赤ちゃんを産み落とし、クロノスには赤ちゃんだと言って石を渡し、クロノスは石を飲み込んでしまう。赤ちゃんは成長して父クロノスを倒す、その赤ちゃんこそゼウスなのです。)天と地…ゼウスが治めます。 オリンポスでの最高神であり、もっとも権力を持っています。海 ……ポセイドンが治めます。 ゼウスの兄、クロノスに飲み込まれていたのがゼウスに助けられます。 怒ると手が付けられない時もあるのです。冥界 …ハデスが治めます。 日本の閻魔様のように怖ろしい存在ではないのです。 誰かが治めなくてはならないので、責任感から冥界を治めているのです。 かなり、良い人(神)なのですよ。ハデスについては結構面白いエピソードもたくさんあります。機会があればこのブログで紹介させていただきたいと思っています。 古事記とギリシャ神話なんとなく、似ているところがありますよね。実は須佐男命とポセイドンは海を治めるというところだけではなく、馬がシンボルだというところまで同じなのです。また、古事記では伊耶那岐が自分をおいて亡くなってしまった妻伊耶那美を追いかけて黄泉の国へ行きますが、ギリシャ神話ではオルフェウスがやはり、妻を追いかけて冥界へ来ます。そして、どちらも見てはいけないと言われた妻の姿をみてしまい妻を取り戻すことが出来ないのです。その話は、またの機会に詳しくしたいと思います。そのほかにも古事記とギリシャ神話は共通するエピソードがたくさんあるのですよ。しかし、日本女性としてちょっと嬉しいのは、ギリシャ神話が最高神ゼウスが男性なのに対して、古事記では天照大御神が女性だということです。もしかしたら、古事記を編集した時代は持統天皇が君臨していたころと一致するので、そんなことも関係しているのかななんて考えたりもしています。ところで、ゼウスというのはギリシャ名です。英語名ではジュピターです。そして、それは日本名では木星なのです。(木星は太陽系の惑星の中でもっとも大きいといわれています。地球をビー球の大きさで例えると木星はソフトボールの大きさくらいだといわれています。それにかなり重いそうです。)ゼウスがジュピターで木星だとすると、父クロノスはサターンで土星です。そして、クロノスの父ウラノスはジュラナスで天王星。また、ゼウスの兄である海を治めるポセイドンはネプチューンであり、海王星です。そして、冥界を治めるハデスはプルートゥで冥王星なのです。日本の場合、水星から土星までは中国から入ってきた呼び名が元になっていますが、天王星・海王星・冥王星については、もとの言葉の神格を良く表わしていますよね。確かに、冥王星は小さい星です。(地球をビー球くらいの大きさに例えると冥王星は胡麻粒くらいなのだそうです。)しかし、ゼウス、ポセイドン、ハデスがこの世を治める三兄弟であり、木星、天王星、海王星とせっかく、上手いネーミングがついているのです。その冥王星が惑星から外れるかもしれないというニュースを見ました。結果は明日わかるそうですが、私自身の意見としてはちょっと残念な気がします。今日の話はここまでですが、おまけに惑星を日本名、ギリシャ名、英語名で書いて最後にしますね。日本名 ギリシャ名 英語名水星 ヘルメス マーキュリー金星 アプロディテ ヴィーナス地球 ガイア アース火星 アレス マーズ木星 ゼウス ジュピター土星 クロノス サターン天王星 ウラノス ジュラナス海王星 ポセイドン ネプチューン冥王星 ハデス プルートゥ
2006.08.24
コメント(13)
最初、世界はカオス(混沌)だった。やがてカオスからタルタロス(暗黒界)、エレボス(闇)、ニュクス(夜)、エロス(愛)、アイテル(天上)、ヘメラ(昼)、そしてガイア(大地)が生まれた。何となく、古事記や聖書の始まり方とちょっと似ている感じがしませんか。ただ、どの話にもいえるのですが、とにかく名前が多くややこしくて、覚え切れませんよね。全部覚えるのは大変なので、とりあえず、カオス(混沌)からガイアが産まれたことを覚えておいて下さいね。ガイアは自らの力でウラノス(天空)と山々とポントス(海)を産み落とした。ガイアは自らが産み落としたウラノスと交わりティタン神族という巨大な十二神を産みだした。女神が六神と男神が六神。(名前は省略しますね)末っ子がクロノスだった。ここまでもう一度整理すると、カオス(混沌)からガイアが生まれ、ガイアは自ら産み落としたウラノスと交わり、十二神を産み落とし、その末っ子がクロノスだったのです。次にガイアが産んだのは、三人のキュクロプス(一つ目の巨人)、三人のヘカトンケイル(頭が五十手が百本ある巨人)父であるウラノスはガイアになぜこんな子供を産んだのかと怒り、キュクロプスとへカントンケイル達を地の底へ押し込めて閉まった。さて、思い出してください古事記で伊耶那岐と伊耶那美から最初に生まれた子供達を。古事記では最初に生まれた子は形さえ定かでない「泡」で次に産まれたのは手足のない「ヒルコ」でしたね。もしかしたら、神話が作られたころは結婚年齢が低く母体が成熟しきった射ない時期に妊娠しても異常出産や流産が多かったことからこのような話が出来たのではという説もあります。話は元に戻りますが、自分が産んだ子供を地の底に閉じ込められたことに怒った母ガイアはティタンの子供達に父であるウラノスを倒すように言います。いくら酷いことをしても父は父、皆はとても出来ないと断るのですが、末っ子のクロノス一人、母に自分がやるといいます。たとえ父であっても許せないというのです。夜、父であるウラノスが油断した隙にクロノスは父に切りかかります。切り落とされたウラノスの性器は海へ落ち、血は大地にしたたり、その血からはギガス、エリニュス、メリアス達が産まれた。海へ落ちたウラノスの性器は波にもまれ、泡を生みその白い泡(アプロス)から、光り輝く子供が生まれた。その子は貝に支えられ海の生き物達に守られてすくすくと育った。キュプロス島へ上陸した彼女こそ美の女神アプロディテ(英語ではヴィーナス)である。話は反れるが、イタリアのウィツイ美術館にあるボッテチェルリのヴィーナスの誕生はまさにその時のことを絵にしたのでしょう。ご存知の方も多いのではないでしょうか。今日はここまでにしましょう。ところで余談ですが、今日出てきたガイア(ゲー)は「地質学」「幾何学」「地理」の語源になっています。さて、次回はクロノスからゼウスが産まれるところです。もし良かったら読んでみて下さいね。
2006.08.11
コメント(8)
ギリシャ神話といえば大昔の話で今とは全く関係ないと考えている人もいるかもしれませんが実は、ギリシャ神話の時代の言葉が現代の世界中でそしてこの日本でも使われている言葉は少なくないのです。今日はそのうちの一部を紹介させていただきます。ギリシャ神話での始まりを話すと長くなるのでそのお話はまたの機会にするということにして、今回はギリシャ神話で中核をなすオリンポスの神々の中でも最も“エライ”とされているゼウスに関係するところをからです。ゼウスには正妻としてヘラがいるのですが、この当時は一夫一婦制ではなかったのです。というよりも、ゼウスは大変浮気性で多くの女性と交わります。そのうちの一人テミス(掟)と交わった時に生まれたのがホライ達です。春・夏・冬の訪れを告げる三姉妹です。春・エレイネ(平和)夏・エウノミア(秩序)冬・ディケ(正義)三人合わせてホライ(Horai)英語ではHour、つまり時です。また、エウリュノメと交わった時には「美」の三姉妹が生まれました。アグライア(輝き)エウプロシュネ(歓喜)タレイア(繁栄)それぞれカリスと呼ばれ三人そろえば複数形のカリテスとなります。カリスとカリスマは語源が同じなのです。またカリスマはギリシャ語で「神の恵み」の意味です。他には、ムネモシュネ(記憶)と交わり9人のムーサ(ミューズ)が生まれました。ミュージックという英語は音楽の女神ムーサに由来しています。9人のムーサはそれぞれが芸術の分野をうけもっています。ゼウスの直接の子供ではありませんが、子孫の一人であるアレスとアプロディテの娘はハルモニア(調和)といいます。ハルモニアは英語のハーモニー(和声)になりました。ハーモニーといえば音楽、そしてギリシャでは音楽がとてもさかんでした。音楽の三要素を構成するリズム、メロディー、ハーモニーという三つの単語は全てギリシャ語からきています。リズムとメロディという概念を見出したのは、リノスという神話的人物とされています。リノスはムーサの子供す。音楽の神アポロンと同じくらい上手に歌えたためにアポロンに殺されたそうです。さて、まだまだ話は続きますが、今日はこの辺にしておきます。最近はテレビでギリシャに関係する番組が結構あります。「世界不思議発見」では前回と次回がギリシャの特集です。画像で見るとさらに具体的でよくわかりますね。次の土曜日が楽しみです。では、今日はここまでです。読んでくださってありがとうございました。
2006.08.10
コメント(8)
全3件 (3件中 1-3件目)
1


