SERENADE 第10話 悠季視点
苦手な方、義務教育中の方、「ＢＬ」「やおい」の意味の判らない方の閲 覧はご遠慮頂いた方が良いかと思われます 。
---君と僕の間には何があるんだろう？---
ここ数日はマスコミの攻撃も落ち着き、以前の様な
静かな日を送れているね。良かった。
君は毎日の様に僕を愛してくれ、僕もそれに応えて・・・
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圭。昨夜の君はとても情熱的だったね。
僕は君の熱さを持ったまま寝てしまったので
面白い夢をみてしまったよ。
僕は小さな林に住んでいるリスなんだ。
リスユウキが胡桃を食べているとふっと何かを感じてね
空を見上げたんだ。
空では大きな鷹が僕を睨んでいる。
みるみるうちに鷹が僕を目掛けて急降下してきたんだ。
逃げようとするんだけど怖すぎて動けない。
『喰われる！』
と思った瞬間に鷹が僕に胡桃を木から落としてくれて
こう言ったんだ。大きな翼で僕を庇うようにしながら。
「君、名前は？」
「僕・・・僕はユウキ」
「そう・・。素敵な名前ですね。どうぞ、その胡桃
お食べなさい。」ってね。
それでねリスの僕が恐々聞くんだ。
「君、名前は？」
「これは失礼。先に名乗るべきでした。僕はケイです。そんなに怖がらなくても平気ですよ。」
「でも君は僕にこの胡桃を食べさせてから、その・・あの・・
僕を食べるつもりでしょ！？」ってね。
そしたら鷹ケイはこう言ったんだ。
「僕が君を食べる？どうしてです？」
「だって、鷹は肉食だろ？だから僕を・・・」
「そう・・・ですか。僕は君と友達になろうとしただけ
なんですが、それも悪くありませんね。」
って“ふっ”と笑って言うんだよ。
リスの僕は怖くて怖くてブルブルと震えていると次の瞬間
リスユウキは鷹ケイに組み敷かれているんだ。
「では、いただきます。」ってね。
ああ、こんな可笑しな夢、見るなんて・・・。
君の昨夜の熱さが、その、ね、
君がまだ、僕の中にいるようなそんな感覚が残ってるから、
なんだと思うけど。
僕は自分でも少し淫乱になって来てるんじゃないか、って思うことがあって。
だって・・・君が、君の事が欲しいって思う時があってね。
だから・・・
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「僕はいつでも君を欲していますけれどね？」
突然後ろから抱きしめられ、
艶のあるバリトンが僕に降って来た。
「け、圭！帰ってたの？」
『ええ、今しがた。ただいま。悠季』
「うん。お帰り。圭。」
僕たちは-----もうすっかり習慣になった-----お帰りのキスを
念入りに終えた。
「や、ヤだなあ。圭、後ろから盗み見してたのかい？」
『君のすることはなんにでも興味がありますから』
「書きあがってからゆっくり読めばいいだろっ！あっ！！」
書きかけの日記帳は瞬時にその長い腕に奪われてしまったんだ。
『”だから・・・”なんですか？その続きは？』
「圭、ダメだよ！声出して読まないでよ！恥かしいじゃないか。」
僕が止めるのも聞かず、圭は日記帳を高く掲げ、僕の手の届かない
位置から読もうとした。
『どうせ、後で見るんですし。』
「じゃあ、後にしてくれ」
その場で読まれる照れから少し怒った様な口調になってしまった。
『ほお。僕の天使はゴキゲンななめですね。
しかし、君の考えている事は一刻も早く知りたいのが
伴侶としての当然の気持ちです。』
「・・・恥かしいヤツ。そんなに僕に言わせたいの？」
『日記で読むのも素敵ですが、君の肉声ですと歓びが増しますからね。』
『”だから・・・”なんですか？』
君は撫でるような甘い声を僕の耳元で囁いた。
「バカ・・・僕は人間であっても、動物になっても君が好きだって事！」
そんな耳元でなんて・・・照れ半分で少々やけ気味にそう言って。
君は微笑みながら
『リスユウキでもカメユウキでも好きですよ。』
なんて言うから、ますます照れてしまい
「どうせ僕は“歩みののろいカメ”ですよ！君とは違う」
『・・・！どうしてそんなに君は可愛い事を・・・。』
ハンターの様な目つきで僕を見るから
「・・て、やっぱり食べられちゃうのかい？」
なんて間抜けな事を言ってしまったんだ。
『ふふ。どうでしょう。鷹が僕と同じ考えなら・・・
毎日少しづつ君の味を確かめると思いますが。』
「もう！圭ったら！」
さらっと簡単に気障な事を言うんだから・・・
「少しづつならいいけどね。・・・君、ちょっと、その、すごい・・・から、さ。」
なんて言ってしまったもので
『そのような愛らしい表情を楽しみながら・・・』
少しづつ歩み寄って来て。心臓に悪いよ！
「な、なんだよ？け、圭？」
『いらない事を言う口を塞いで味わい・・・』
「うっっ！」
『肌触りのいい毛並みを堪能して・・・』
「やっ！いやらしいなぁ、そんな・・・あっ、触り方、するな・・・よ！」
『そして．．最も敏感な部分の甘さを頂くでしょうね』
って僕の胸を触るから・・・
「あっ、け、け・・・い」
僕の身体は素直に反応してしまって・・・。
『・・・いいですか？悠季？』
「う、うん。いい・・・よ、圭。もっと・・・違う所も・・・」
昨夜の情事が甦ってしまい・・・。
『おや？リスさんの尻尾がこんなところに・・・
美味しそうな尻尾だ。さて、今日の食事を頂く事にしましょうか』
そう言うと圭は僕の“尻尾”を一呑みしたんだ。
「あっっ！圭・・・鷹に・・こんな立派な尻尾があったかい？」
まるで熱病に冒されたみたいになってしまってそんな恥かしい言葉が口から出てしまった。
『僕の尻尾は・・・あとで君にたくさんご馳走しますよ。』
僕の言葉をさらっとかわし、僕を攻め立てながらそう言った・・・。
「やらしい・・っ・・言い方だな・・はぁっ！」
君には驚かされたり翻弄されてばかりだ。
『でしたら・・・待ちきれない様ですのですぐにでもどうぞ』
圭はくるりと身体の向きを変えるとその巨大な“尻尾”をひけらかした。
「いつ見ても、君の尻尾は立派だね。」
僕は掌にそっと包むと顔が見えなくなった圭にそう伝えた。
僕は躊躇いもせず、その“尻尾”を口に含んだ。
『うっ・・・悠季。い、いいですっ。
ぼ、僕の味はいかがですか・・？』
「・・・ブラヴォー・・・です」
ぴちゃぴちゃとわざと音をたて圭の“尻尾”を舐めた。
僕たちは互いの愛撫に夢中になった。
「そ、そんなに強く・・・しないで。もたないよ・・・圭」
『いい。いいのですが・・・やはり・・』
圭はそう言いながら僕の二つの山を割って
『こちらでも僕を味わって下さい・・』
と指を移動してきた。
指ではない快感を知っている僕は
「うっ、うううっ・・・圭、早く・・君が欲しい。もう、僕・・」
そう強請っていたんだ。
『悠季・・・っ』
限界まで育った圭のものが勢いよく僕に侵入してきた・・・。
その後の快感を知っているのに、どうしてもその瞬間には慣れなくて。
圭も僕がそうだという事を知っているので僕の呼吸が
整うまでは動かないでいてくれる。
そんな気遣いも僕には嬉しくて・・・。
部屋に流れるのは愛の囁きと熱い吐息が奏でる『小夜曲』（セレナーデ）。
けれどその日は、日記の“夢物語”が影響したのか、
僕が彼のを口にしたのが嬉しかったのか、
圭はそのまま・・・僕の中から出る事なく
5回も僕の中で果てて。
僕もその度に逝かされて・・・。
けれど僕が気がついた時には、2人分の・・・吐き出したもので
ベトベトだった筈の僕の身体も、服もシーツも綺麗になっていて。
気を失ったらしい僕を風呂に入れてくれたみたいで。
・・・僕は、いつも君に頼ってばかりだね。
僕が目を覚ますと圭も目が覚めたみたいで。
『少々、無理をさせてしまったようで、申し訳ありませんでした。
身体の方は大丈夫ですか？』
って言いながら優しくキスしてくれて。
「圭。君がいるから僕は生きて行けるんだって実感してたとこ。
やっぱり君を選んで、選ばれて良かった、ってね。」
『ええ。僕もいつもそう、思っていますよ。悠季。僕の愛しい人。
ゆっくりおやすみなさい。』
圭はそう言うと瞳を閉じた。
192ｃｍの長身と瞳の力強さで初めのうちは怖さも、正直言って、あったんだ。
だけど、君に接していくうちに君の優しさや誠実さ、
音楽家としての真摯な態度から君に対するイメージが一変してしまったんだ。
今は幸せを実感しているし、
圭、君と僕の間には『愛』しかないんだって判ったんだよ。
桐ノ院 圭。
僕の大切な大切な人の名前・・・。
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