コッツウォルズ2日目
朝、宿酔いもなく夫は散歩へ。わたしは二度寝。そうこうするうちに、Kenがあやとあやママとアーチーを車で送ってくる。今日は5人でコッツウォルズ丘陵に点在する村々を、ドライブでまわる計画。コッツウォルズは、18世紀に富裕なウール商人がこぞって美しい家を建てたそうだ。壁はこの地方でとれる ライム・ストーン と呼ばれる石灰石(れんがよりかなり小ぶり)を積み上げて作ってある。これが長い年月を経て はちみつ色 になり、村に深みと温かみを与えている。
雨が時折強くなって、車窓の景色もよく見えないし、2歳児、妊婦、マダムが一緒だから今日はのんびり散策。 Stow-on-the-woldストウ・オン・ザ・ウォルド
にはアンティークショップやおいしそうなパン屋さんが何件かあって、ついひきこまれる。 Bourton-on-the-Waterバートン・オン・ザ・ウォーター
には、白鳥が浮かぶ小川の水上に、大きなクリスマスツリーたって、小さな灯りがいくつもともっていた。マダムのお買い物の間、夫とふたりで裏の丘まで散歩。見事なあひるの行列に出会った。
昼食はカフェで。夫は キドニーパイ 、わたしは ローストビーフのサンドイッチ 。キドニーパイは、牛肉と内臓をグレービーで煮詰めた具を詰めてあるパストリーで、味も匂いも強くてわたしは苦手。夫は温かいカスタードをどっさり載せた パンプディングbread-and-butter pudding もきっちり食べる。
チューダー式、ジョージアン式の美しい家が並ぶBurfordバーフォードを抜けて、KenとMurielが暖炉に火を入れて待つ家に戻る。ソファーやクッションはどれもMurielの 手刺繍
が刺してあり、きれい。ちょっと自分でもやってみたくなる。
Murielがクリスマスディナーを用意してくれた。立派な銀器にろうそく。Murielはすばらしいおかあさんで、お茶といっしょに出してくれるお菓子も全部手作り。キッチンには、 アーガAga
という、スウェーデン製の常時温かいストーブ兼オーブンが備えてあって、これはイギリス人みんなの憧れだそう。
近所でとれた 雉のシチュウ
が本日のメインディッシュ。「弾丸が入っているかもしれないから気をつけてね」と言われる。蒸したにんじん、いんげん、芽キャベツ、ベイクドポテト、青葱と和えたマッシュポテトが付け合せ。 leekリーク
(下仁田葱に似たとろりとした白い太葱)のグラタンもおいしかった。デザートはティラミスと、 Kenが庭の畑で育てた苺を夏に摘み取り冷凍にして、りんごと一緒に詰めて焼いた苺パイ
。「どっちにする?」と聞かれてもちろん"both please"。
イギリスのクリスマス、食事の後のお決まりは クラッカー
。大きな筒状のクラッカーを、みんなで輪になり隣りの人と手をつないで引っ張り合う。パン!となって、 1.ジョークを書いた紙、2.金紙でできた冠、3.パズルやトランプなどのおもちゃ
が出てきた。冠をかぶって、順にジョークを披露。ジョークは全然笑えないものばかりだった。さすがイギリス。
食事の間、ひとり居間でビデオを見させられていたアーチーも、大好きなアイスクリームをグランパに食べさせてもらう。ちなみにアーチーのお気に入りの番組は、 Bob the Builder
という建設作業員が主人公のクレイアニメ。
「カロリーなんか気にしていたら始まらないから、覚悟してきたほうがいいよ」とあやに言われていたけれど、ほんとうにあったかくてとろけそうなディナーだった、おなかいっぱい。わたしはお酒も飲んでいないのに、顔が上気してしまう。宿に帰ってソッコー寝る。そんなこんなで2日目終了。