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2004年07月26日
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カテゴリ: 民事訴訟法

昨日 は、手続の進行部分についてお話しました。
今日は事案の解明についてお話します。

事案の解明は当事者の役割とされています。
なぜなら、当事者こそが裁判に勝つべく
熱心に事案解明に努めてくれるはずだと
考えられるからです。
このことを、当事者が弁論しなくてはならないという
意味をこめて「弁論主義」と言います。
学問上、弁論主義とは
「判決の基礎をなす事実と事実の確定に必要な資料の収集
(事実の主張と証拠の申出)を当事者側の権能と責任とする建前」を言います。
早い話、事実の主張と証拠の申出は当事者の役割とすることを
弁論主義と言います。

では、この弁論主義について詳しく掘り下げましょう。
弁論主義は、以下の3つの事柄にに分けられます。

1、裁判所は当事者の主張しない事実を判決の基礎とすることはできない。
2、(主張した事実について)当事者間に争いが無い事実はそのまま判決の事実としなくてはならない
3、(主張した事実について)争いがある事実を証拠によって  認定する場合には当事者の申し出た証拠によらなければならない。
=裁判所は独自に証拠を集めてきてはならない。


1と3は読んだそのままです。2についてはちょっと解説が必要でしょう。
2は「当たり前じゃないか」と思われるかもしれません。
しかし、重要なのは「自白」も争いが無い事実として扱われることなのです。
では、「自白」とはなんでしょう。
自白と言うと「すいません、私がやりました」と言う発言を
想像されるでしょう。しかし、それは刑事事件でのお話です。
では、民事事件で「自白」とはどういう発言をいうのでしょう。

1、相手方の主張と一致する
2、自己に不利益な
3、事実の陳述

を言います。でも、3は無視して結構でしょう。
民事上は相手方の主張と一致する、自己に不利益な発言をした場合
「自白」となるのです。そして「自白」となれば、裁判官はその「自白」を前提にして判決しなくてはなりません。
そして、原則撤回はできません。
条文はこちらになります。

(証明することを要しない事実)
第百七十九条
裁判所において当事者が 自白 した事実及び 顕著な事実 は、証明することを要しない。

ちなみに 「顕著な事実」 とは誰もが知っている事実をいいます。
例えば阪神大震災などの大事件が挙げられます。

ただし、例外的な場合には撤回できます。
それは、
1、刑事事件に該当するような他人の行為で自白した場合
(例えば、脅迫されて自白してしまった場合です。)
2、相手方の同意がある場合
(相手方が同意するなら誰も困らないからです)
3、自白内容が真実に反し、かつ錯誤に基づく場合
(この場合くらいは自白の撤回を認めないと誰もが
弁論を怖がってしまうからです。)

以上が弁論主義です。
でも、これもあくまで原則で、例外もあります。
それについてはまた明日。





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最終更新日  2004年08月04日 08時40分37秒
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