わたしのブログ

わたしのブログ

PR

コメント新着

坂東太郎G @ Re: 伊江島 「コッペパン🍞小中学校と幼稚園給食」に…
あなな@ Re: 伊江島の悲劇、最後の総突撃(09/29) 日本軍は沖縄を植民地にし無理やり捨て石…
背番号のないエース0829 @ 対馬丸 「外間邦子」に上記の内容について、記載…
病に勝つさん@ 南無妙法蓮華経を唱えているのに何かの病気に掛かっていませんか? 末期ガンや重いうつ病等の宿命的な病気は…
栗好き@ カラスの裁判  初めまして。子供の頃に読んだタイトル…

お気に入りブログ

ちゃみままさんのお… ちゃみままさんさん
ひ と り あ る… *ひまわり*さん
自分を愛することは… まりあのじいじさん
さるすべり9722… さるすべり9722さん
わたしのブログ かずべぇ0415さん

カレンダー

フリーページ

プロフィール

さわやかV

さわやかV

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2010年06月13日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 65年前、父が4歳の私に尋ねた。

 「大きくなったら何になるか」

 「お父さんのような立派な軍人になる」

 と私は答えた。父は笑みを浮かべ、私の頭を撫でた。それが記憶に残る父の最後の姿であった。

 25歳の時、自衛隊に入隊した。父への供養になると思ったからだ。起床ラッパで、朝6時起床、急いで戦闘服を着け、半長靴を履いて5分内にグランドに集合する。そして、点呼が始まり、区隊長や中隊長の訓示が行なわれる。それから朝食のあと、9時から厳しい、いろいろな訓練が始る。

 3ヵ月後、前期教育の終了時、区隊対抗の射撃大会が行われた。私は所属する区隊の代表に選ばれた。標的は照準孔からは小さく見える。

 私は精神を集中し、伏射の姿勢でゆっくりと引き金を引いた。轟音と同時に肩に銃床の強い反動が炸裂する。一発目、ど真ん中に命中し、10点を射止めた。傍の担任教官が歓声を上げた。続いて、残りの4発を連続して撃った。だが、その弾痕が標的のどこにもない、応援の同僚や教官のため息が聞こえた。私は惨めな思いだった。そして、審判団が標的を一つ一つ調べ上げたあと、成績を発表した。

 「最高点は50点満点で、仲間二士、5発とも全て同じ一つの穴を貫通している。これは奇蹟、歴史に残る最高得点である」 大歓声が爆発し、私は同僚からもみくちゃにされた。私にはあの時、父の御霊が乗移った、としか思えてならない。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010年06月13日 20時33分58秒
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: