その３。

4/16(水)
目覚ましで目を覚ます。晴れているようだ。
ゆっくり起き上がる。ん、体調は悪くない。昨日ゆっくり寝たので
かなり元気になったようだ(^-^)
元気になったみたい！と言うと、ICさんも良かったね～と笑う。
まずはこのよれよれになっている浴衣を着替えて朝食へ。
昨晩と同じダイニングルームへ向かう。

席は昨日と同じ所。
焼いた塩シャケに納豆、山菜の煮付けに温泉タマゴ、ハムとレタス、
味海苔にお漬物。
温かくて美味しいご飯とお味噌汁がしみじみ身体に染み渡る。
ICさんはご飯お替り。私はそこまで回復していず、とりあえず一通
り平らげた、という感じ。
昨晩入れなかったので、食直後だけど温泉に入りに行く。
とてもいいお風呂だったよ！とICさんが言っていたので、このまま
入らずには帰れない(-.-;

ガラス張りで天井が高く、広めで清潔なお風呂はとてもいいお湯。
ちょっと広めの露天風呂もあり。
天気良好、微風。。絶好の露天風呂日和。ゆっくりと湯に浸かる。
露天風呂の横に植えられた桜だけ、花がほころんでいた。
その桜と青い空みあげながらの至福の時。。
私達の他には誰もいない。昨晩入りに来た時も途中でおば～ちゃん
が３人くらい来たくらいでほとんど貸しきりだったんだよ！とICさ
ん。だからなかなか帰ってこなかったんだね(笑)
しかし、元来がカラスな私。。そこそこ温まるとそんなにゆっくり
いつまでもお湯に浸かっていられるタチではない(-.-;
まだ入っていたそうなICさんより先に出て、光が沢山入って明るい
脱衣所で一息つく。
身体も温まり、なんだかとてもすっきりした。
部屋に戻り、荷物をまとめ、チェックインして予定より少し早めに
宿を出る。ここはまたゆっくり来たい宿だね、とICさんと話す。

宿を早めに出たのには理由がある。
昨日前を通った栗川稲荷神社に寄り道したいの、というとＯＫが出
た。駅までは少し回り道になるけれど、今日は本当にお散歩日和。
宿からしばらく歩いた所に朱塗りの鳥居。大きくはないけど、とて
も大事にされていそうな風情だったので気になったのだ。
小ぢんまりとした参道と上るとキレイに掃除された境内とお社があ
った。お社の前には布とヒモで作られた、なんだか独特な形の飾り
がいっぱい下がっていて、ここら辺では意味があるものなのだな、
と思ったけれど、由来が聞けそうな人は見当たらない。
凛々しい顔のおキツネ様が左右でしっかり見守っているだけだ。
境内には様々なお社があって、原木をあまり加工せずに節をそのま
ま活かしたような変わったデザインの鳥居もあった。
やっぱりかなり大事にされているお稲荷さんのよう。
今日一日晴れますように！と、お賽銭投げてお祈りする。
私達の他に少しご年配の夫婦がお参りに来ていたので、おはようご
ざいます、と挨拶し合う。この夫婦、ゆっくりと境内を見て歩き、
所々で奥さんを立たせて旦那さんが写真を撮っていた。
静かな声でちょっとだけ話し、ポーズ取ってパチリ。微笑ましい
光景。

ここから駅までは７分くらい？
案内を見ると、駅前の山形交通のバスターミナルで今日乗る予定の
定期観光バス「やまがた桜花号」を待つようだ。寄り道ですっかり
時間を食ってしまったので、少し早足でバスターミナルへ向かう。
いかにも田舎のバス乗り場、といった感じの建物に着く。
乗り場が良く分からなかったので、中にいたおばちゃんに
「桜花(おうか)号はどこから出ますか？」と聞くと
「え？“さくらばな”号は駅前！」と、とても素っ気ない返答。
この際、桜花が“おうか”か“さくらばな”なのかは置いておくと
しても、もうすでにJTBがくれた案内とは違ってるし、駅前はそん
なに広くないけど一体どこで待っていたらいいか分からないし。。
ん～(-"-)　とりあえず駅前の、駅舎からの出口近く、駐車場の横
で待つ。もう一組、私達より歳は上の女性二人組みもやってきた。
この人達も一緒かな？

案内に書かれた時間は“かみのやま温泉駅前発10:15”となってい
た。その時間がやってきて、やがて少し過ぎた。。(-.-;;
ホントに大丈夫かなぁ。。と思っていたら、向こうの方から大き
な観光バスがこちらに向かって直進してきた。
思った通り、それが「やまがた桜花号」。５分遅れの登場で、し
かももうかなり人が乗っていた。皆どこから乗ってきたの？？
このバス、先刻ここではないと言われたバスターミナルの方から
来た気もするんだけど。。。まぁ乗れたからいいか(^-^;
そして総勢16人揃ったようだ。

バスガイドはみゆきさん、というらしい(何故か苗字は忘れまし
た。笑)。も～いかにも新人で、あんちょこから目が離せないの
にまともに説明も出来ず。噛むだけなら微笑ましいかもしれな
いか、モノには限度がある！とイライラするくらい。
年配の人は可愛い、と思うのだろうけど、こんな説明ならパンフ
でもくれ！と思っていたら“やまがたさくら街道むらやま桜めぐ
り”というしっかりしたパンフをくれた。
頑張ってるんだけど、ベテランらしい運転手さんにも結構怒られ
ていた。

とにかくバスは進む。
10分くらいで「上山みゆき公園」に着く。
斉藤茂吉も足を運び歌を詠んだという、このちょっと高台になっ
たこの広い公園からは蔵王も見える。大変風光明媚で美しい公園
だ。園内には桜が沢山植えられ、開花時期にはそれは見事。。。
なんだそうだ。しかしまだまだどの木も枝の先は赤らんできてい
るけど蕾も固い。所々に気の早い桜が一つ二つと咲いているけれ
ど。。。まぁ０～１分咲き？と言った所。
とてもキレイで立派な「斉藤茂吉記念館」もあるのだけど、15分
しかここには止まらないので見るのは無理。桜も咲いていないし、
茂吉記念館も見れないので不満を漏らす人もいた。
ぶらぶらと園内を歩く。
斉藤茂吉が住んでいたという家をそのまま丸々移築してあった。
ここもゆっくりまた訪れてもいいな、と思った。
歩いているとちょっと汗ばむくらいの天気。

バスに乗って移動。今度は平泉寺に向かう。
車窓から見える桜の木々の蕾は固い。けどどうやら山形市内は咲
いているそうだ。梅や白木蓮等の花々が咲いている。
桜はなくても、この早春の風情が美しい。

20分ほどで平泉寺に着く。
ここにはしだれ桜と紅しだれの名木があるというけれど。。。
山門を入って左に樹高８ｍのしだれ桜、右に樹高３ｍの紅しだれ
桜の巨木があった。パンフには“互いに鮮やかな花を満開にして
垂れ下がる枝は地面に届くほど”と書いてあったけど。。
案の定、まだまだ蕾は固かった。。(T-T)
確かに見事な枝ぶりで、花の盛りにはさぞや見事な事だろう。
その奥にあった建物の中をのぞいていたら、そこから出てきた
お坊さんが「そこは客殿なんですよ」と言う。
じゃあ本殿はどちらですか？と聞くと、もっと右手の奥に行った
所にあります、という。そうとなったら行ってみよう！と、桜が
無くて所在無くうろうろしているツアー仲間を横目に、教えても
らった方へ進み、左に折れる。
舗装されていない細い道が奥に続き、石段が見えた。
道の両脇には美しい杉の木立と竹林。小さな池には赤い鯉？
とても静かで落ち着く風景。空気がとても美しい。
客殿に比べ拝殿は本当に小ぢんまりとしており、地味だけどしっ
かりした造り。お参りして奥をのぞくと奥社に上るらしい小さな
石段があった。行きたかったが、時間も無くなってきたので戻る
事にした。他の人達は誰も来なかったので、まるで個人旅行みた
いに静かな一時だった。

ここら辺は平清水地区、というらしい。
門前に平清水焼という窯が数軒。その中に一件に入る。
ツアーの人達は桜の木を見ていてもしょうがなくて、すぐにこち
らに来てしまったよう。私達が来た頃にはバスに戻っていく人の
方が多かった。そんなに広くない店内を見て回る。
素朴な焼き物なのだが、色合いがなかなか素敵。
結構気になる器や杯等が多い。
特に茶色がかった紫色っぽい色合いの物が気に入って、今週末に
一緒に旅をする予定のROSEさんにぐい呑みを買う。
ちょっと変わったデザインの急須も発見して、お茶飲みのＲ夫婦
のお土産に、白味がかったのを一つ買う。
そしたらオマケを一つくれるというので、桜の花びらみたいな形
をしたほんとに小さい小鉢を一つもらう(^-^*
とっても訛ったお店のおばちゃんが、お茶を飲め飲め、漬物を食
べろ食べろ、と呼ぶので、折角なのでお呼ばれする(^-^;
聞いたら桜の盛りの時にはここはとっても混むのだという。
去年はこの時期にはもうあそこのしだれ桜は終わって散っていた
のよ～！との事。。ホント、桜はその年になってみないと分から
ない。少しお喋りするけど、かなり訛りが強い。
でも温かくていい感じだった(^-^
ほんわりした気分になって、荷物抱えてバスに戻る。
そして次ぎはお昼を食べに、山形市内へ向かうのだった。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その４。に続く。

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