自作小説；火星から生まれた愛≪第一話≫
何と残酷なのでしょう？
今夜をとても楽しみに待っていたのに
夜空はまるで私の慟哭の血潮の如く赤茶けた
何処にも
少し紫を帯びた漆黒色の夜空を
入る事を許しては貰えない程隙間が無い
澱んだ夜空
月と火星が近づく瞬間を
この目で見る事が叶わない
肉眼でも判別出来ると言ってた彼
そして彼は其の劇的な場面を観察している頃
2人は今夜一緒に見ようね！って約束してた
彼は海を隔てた遙か遠く離れた
夜空がとっても綺麗な
未だ汚染されて無い
自然が一杯で空気が澄んだ場所に居る
逢いたくても 逢いたくても
遠過ぎて逢う事が叶わない
いつもお互いの夢の中で
束の間の逢瀬を楽しむ
心は一時も離れている事は無い
でも実体が・・・・
彼の優しい顔立ち
楽器を奏でる為に作られた様な指先
学生時代スポーツで鍛えた無駄の無い肉体
それなのにシャツを脱いだ素肌は
グロテスクな筋肉模様は見当たらない
貴方の温もりを
この熟した
でもまだ開発されてない
私の肉体で受け止めてみたい
貴方の体温を・・・
心臓の鼓動を・・・
感じたい
嗚呼！貴方は今も火星を見ているのでしょうか？
この宇宙
惑星達を通じて貴方といつも繋がっていた
今夜は其のスペクタルを
思う存分味わうつもりで
ドキドキ胸を弾ませて
待ち焦がれていたのに
今までどんな事が有ろうとも
恨むと言う感情は抱いた事が無かった
しかし今夜ばかりは
其れさえもかなぐり捨ててしまった私の心
神様を恨みたい
嗚呼！苦しいこの胸の痛み
観えない 観えない
ほんの一瞬で良いから
姿を見せて欲しい
貴方と繋がりたい
愛を確かめ合いたい
お互いの余す事の無い全てを
この身体で感じ合いたい
時が経つほど
燃え上がる
紅蓮の蜜
貴方に逢える時まで
燃え尽してしまうのでは無いかと思う位
激しく萌えている
貴方の息遣い
優しいハーブの響きに似た心地よい声
逢いたい 逢いたい
観えない空に向かって
辺り憚る事無く
呼び続けている私
貴方に聞こえているかしら？
心の叫び
逢いたい 逢いたい
逢いたい 逢いたい
愛し合いたい 愛し合いたい
愛し合いたい 愛し合いたい
月よ 火星よ
私の声を聞いて下さい
そして
神様！お願いです！
逢わせて下さい
お願いです！
逢いたい 逢いたい
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そして 地球！
『愛しい貴方』
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