≪☆女神☆の広場≫

≪第十六話≫

<母親>

これ程幸せな一時は、私の23年の人生の中で

2度と訪れる事は無いと思う位光り輝いて、

楽しくてドキドキの連続だった。

時を選ばず、朝も昼も勿論夜も

目の見えない彼には関係無いかも

明るかろうが、暗かろうが

たぶん・・・・


1日中と言って過言でない

彼との交わり

一時も離れたくない

一つに繋がっていたい

トイレも食事さえも

時間を割くのが勿体無い

私が東京へ帰る時までの

限り有る時間を・・・

全て愛し合う事で埋め尽くした

度重なる毎に

お互いの未知の領域を開発させ

無限のセックスの世界

彼が見えない事を幸いに

私は思い出すだけで

顔面から火が出そうな

あわれも無い淫らな姿を曝け出し

喘ぎ声も思うが儘に吐き出し

彼の吹きかける吐息でさえも

感じて逝ってしまう性感体の進化


そんな2人だけのエロスの世界を過ごした或る日

彼はだいぶご無沙汰してしまった母親の元へ

私を伴って行きたいと言い

と言う事は彼は私を母親に紹介するってっ事!

私は彼が私を其処まで認めてくれたと思い

とても嬉しかった

で、2人で彼の母親が入院する病院へと向かった

病室の前で

私はこれ以上無い程の緊張感を感じ

そして彼の母親と対面した

その時彼の母親の

この世の者で無い物でも見る様な激しい驚愕の表情は

死ぬまで忘れる事が出来ない程凄まじいものだった

しかし一瞬で我に返り平静さを取り戻した

一通り初対面の挨拶を済ませ

彼の母親も私の事を気に入ってくれた様だ

そっと肩を撫で下ろし

この日の対面は無事済ませる事が出来た

後で思った事であるが

何故母親が驚いていたかと言う事を

もっと追求してたら

もしかして悲劇も軽く留める事が出来たかも・・・・


そうこうして

私が東京へ帰る日が遣ってきた

後ろ髪引かれる思いで

私は飛行機に乗った

これで彼を見る事が最後になるとも知らず

ただ彼と過ごした一週間の快悦の余韻に浸りながら

心は軽く時より思い出し笑いを洩らして

そして私を乗せた飛行機は

これから翻弄される私の運命も一緒に運んで

札幌の街並みのシルエットを消して

一路東京への航路をひたすら進んでた


・・・・・・・・・・・・


既に始まっている未だ気付いてない

私を襲う悲劇の幕開けを準備して

・・・・・・・



© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: