チュンちゃんと暮らす日々パート２ | みきこクレパス

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2007.08.25

チュンちゃんと暮らす日々　パート２

(13)

カテゴリ：カテゴリ未分類

かくしてわが家に珍メンバーが加わった

チュンはとっても人間になついた

食事のときはテーブルの上をチョンチョンと・・・
豆腐に頭を突っ込んだり、魚をつついたり・・
我々が食べるものにはなんでも興味を示した

一番はやっぱり、ごはん粒
夫のめがねのふちにとまり、
首を長く伸ばして・・・夫の口についたご飯粒をつつく

チュンは本当に変ったすずめだった
お風呂が好き
夫と風呂に入った
バタバタ・・・バタバタ・・・と羽を震わせて、いい湯だな♪

でも、すぐに熱くて呼吸がしんどくなるらしく、飛んで出てきた

チュンにとって、私がお母さん
私はその頃、今より髪を長くしていた
チュンは絶えず、私の首の後ろ、髪の中にうずくまっていた
私はいつもチュンの体の温かさを感じていた

どこかへ行った後など、私を探して飛び回り
見つけると首の後ろにもぐった

藤で出来た色紙掛け・の後ろで眠った

私達はチュンが外に出ないかと心配した
外ですずめの声が聞こえると、チュンは窓で応答して鳴いた。

でも・・もし、外に出したら・・
野生のすずめにやっつけられるのではないか・・・

肉とか魚とか、人間の食べるものをつついていたけど。
そのせいか、あまり大きくならない。

もし、外に出たら、
大空を飛び回っている力のあるすずめにいじめられる

そんな心配で、外に出せなかった

外のすずめの声を窓にへばりついて聴くチュン・・
かわいそうだった
群れと一緒に居られないすずめはやっぱり、無理があったと思う。

こんなになついて、一緒に暮らすことが出来て
私達は幸せだったけど・・
チュンは寂しかったのだろう。

そう思うと・・胸が痛んだ。

ある日、一泊で家族旅行に出かけた
チュンは留守番。

でも、どこに行こうとみんなの心は、家においてきたチュンのこと
「どうしてるだろうか・・・」
「大丈夫かなあ・・・」

子供達は落ち着くと口々に言った。

・・ただいまー！

直ちに探す
「どこにも居ないよ・・・！」

家具の後ろ、絵の後ろ、　カーテンの中・・・
いつも居そうなところを探す。

居た！チュンは２階の納戸の窓にとまっていた！

そんなところに行った事がないのに
探し回ったのだろう・・・かわいそうに・・・

チュンがわが家に来てから、約８ヶ月も経った。

いつものように私の首の後ろに居た。

私は洗濯をするため家事室へ、
チュンは掃除機の音、洗濯機の音が怖い。

洗濯が始まると家事室のドアにとまっている。

その日も私の首から離れて、家事室のドアの上に居た。

いつも、私はチュンがどこに居るか確かめながら
仕事をする・・

そのときは・・・・チュンのことを一瞬忘れたのだ！
それで、居ることを忘れて家事室のドアを閉めた。

一瞬の出来事・・・・
ドアは上に居るチュンを挟んでしまった。
チュンは床に落ちた・・・

ワー・・・・私は大声で叫んだ・・！
助けて・・・助けて・・・・

夫が飛んできた。

私は見ることが出来なかった・・

夫は落ち着いて両手の中にチュンをいれ・・・
見守った。静かに・・・
夫は医者だと心から思った・・・

チュンは夫の手の中で短い命を終えた。

私が殺した　私が殺した・・・・・

暫く、苦しい時。
外ですずめを見るのは耐えがたかった。
子供達には言えなかった・・・。

２日ほど、たって、
子供達がチュンはどこ・どこに居るの・・・？
ぴゅーぴゅーと口笛を吹いて探し回る。

私はウソをついた。
きっと、仲間のところに帰ったのでしょう・・

夫はあの時、チュンが死んだのを確認すると、
落ち着いて・・庭に穴を掘って埋めてくれた。

私は両手で顔を被い・・・泣くばかりだった。
ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・

このとき、夫に深く感謝した。

小さな命、手のひらの中に入るほど小さな命・・・
私は殺してしまった。

神様ごめんなさい。

一羽のすずめさえ・・という賛美歌がある
一羽のすずめさえ神様が命を守られるという内容の歌

その賛美歌を歌うたびチュンのことを思う

チュンと暮らした数ヶ月、夢のように楽しかった。

小さな命は私達家族の中心となり、絆を強くしてくれた。
チュンは使命を果たし、天国に行った。

チュンの居た時代を、忘れない。
忘れてはならない。

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