ぱんだの喘息日記

ぱんだの喘息日記

次は私?


特に、ほとんど寝られる事のない私は、医師や看護師さん達より、その人達の状態を把握できる。
例えば咳。
今日の咳は発作になるとか、風邪の始まりとか。。。
そして、いつも愚痴を聞く事になる。
病気である者。
意外と言いたい事が言えないのが家族だったりする事も多い。
八つ当たりは出来るのに心配はかけたくなかったり、片身が狭かったりという事も少なくはない。
毎日、愚痴を聞いていれば、今、この人が望んでいる事、何が辛くて何がしたいか。。。見えてくる。
そして、お別れの時を考える。
私のいたところは、癌の患者さんも多い。
誰もが余命を告げられ治療をしている。
私に出来る事。
話を聞いてあげる事。少しでもご飯を食べさせる事。
少しでも楽しい時を作る事。
それくらいしか出来ない。
そして、家族が会いに来る。
「私の言う事は聞かないのに、ぱんだちゃんがいてくれると食べてくれるの。頼むわね」
私は、どんな手を使っても一口でも食べて貰った。
時には、病棟で料理もして・・・
少しでも長く、少しでも楽しく生きようとしてほしいから。
死との恐怖を忘れてほしいから。
この時の入院だけでも何人とお別れしたんだろう・・・
「会っておいで」会わせてくれた事もあった。
必ず家族が挨拶に来る。
「生きるのよ!あなたは生きるのよ!笑っててね。ずっと」
凄く重い言葉。
何もしてあげられなかった。
そんなお別れが続く中、動けなくなっていく自分。
自分の体すら敵に思える。
カ-テンの網目を見ながら、次は自分の番かもしれない。
いつ死ぬんだろう・・・
そう思う自分がいた。


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