ぱんだの喘息日記

ぱんだの喘息日記

信じられた人


点滴も薬も全部いらない。やめると・・・
先生は驚いて飛んで来た。
「落ち着け。どぉした?」って・・・
私には、もう信じられる物がない。
これが、全て薬のせいなら、死んだって、こんな薬やめたい、そう思った。
自分が辛いからじゃない。
誰も信じる事の出来ない自分が許せなかったから。
みんな変わらずによくしてくれるのに、誰も信用出来ない。
一瞬のうちに顔が変わって見えてしまうから。
そんな時に一番下の先生が現れた。
もう関係ないはずなのに「遊びに来た」って。
そして頭は丸坊主になっていた。
それも私への嫌がらせ?
私が、余りにもいい加減なので「丸坊主にしてきなよ」と言った事があったのだ。
その時は母も病院の我が兄弟もいてくれたから、出来るだけ普通に出来た。
もし、いなかったら何をしていたかわからない。
けど、恐怖は一層増えて。。。
そんな時に、最初の入院の時の一番下の先生が来てくれた。
「カルテあったから」って。
「蜂が飛ぶの。頭がおかしくなっちゃったんだ」と言う私。
あんなに信頼していた先生でも、敵だと思うんだろうか。
怖いと思ってしまうんだろうか。
でも、違った。
その先生だけは違った。気持ちが落ち着く。
怖くない。震えない。
この人なら大丈夫。信じられる。そう思った。
この安心感はなんだろう・・・
この人は、また私がいてほしい時にいてくれる。
凄く嬉しくて、嬉しくて。
その日は当直だと聞いて、母も安心して帰った。
そして私も久しぶりに穏やかな気持ちで夜を過ごした。
消灯の時も朝も帰る前によってくれた。
嬉しくて嬉しくて、寄ってくれた主治医や先生達に「○○先生来てくれたんだよ」そう話した。
先生達は「ぱんだの、そんなに嬉しそうな顔、久しぶりに見た」と喜んでいた。
きっと、いつもまっすぐ、一生懸命、私と向き合ってくれたから。
そんな先生を見て来たから信じられたのかもしれない。


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