ぱんだの喘息日記

ぱんだの喘息日記

靴はいらない


寝たきりになって以来、靴は履けませんでした。
例え、履かせて貰うにしても、皮膚の状態から皮膚が破けるので無理です。
勿論、くつ下も…
そんなある日、ベッド回りを片付けてくれて、少しでも私が使い勝手がいいようにしてくれた時です。
『ぱんだちゃん、靴出しておいてあげようか?』と言うのです。
『んっ?何で?まだ履けないよ?』
そう言った私に
『目標になるでしょ?』って。
私は、そうかと思い、靴が履ける日を楽しみに、目標に寝返りをうつ練習とか起き上がる練習とか…
ところが、看護師さんが言ったんです。
『履けもしない癖に靴なんて邪魔だから持って帰って貰うか捨てなさいよ』
悲しくなって、悲しくなって。
来た母に『靴捨てて。邪魔だって』と言った。
そうだよね。
私にとっては、目標でも、お世話をする人には邪魔な物。
そう言い聞かせてはみたけれど、やっぱり凹む。
母は黙って持って帰った。
きっと、母は私以上に傷ついていただろう…
現実を突き付けられた感じがした。
少ない人数でのお世話。
呼吸器がついていたり手がかかってしまうのは私だけではない。
言いたくなってしまう気持ちはわかるもの…
けど、悲しかった。


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