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は〜い お茶!

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2012.12.01
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カテゴリ: つぶやき
私の名は山田陽子
昨年今までの自分には考えられないほど平凡な男と見合い結婚をした
3回目のデートで結婚を申し込まれわずか2か月でウェディングベルを鳴らした
夫の常夫はまじめで温厚
そしてとても優しく結婚生活は順風満帆であった
10か月目までは・・・

「おぎゃ~」
「うわぁ 小っちゃくて可愛い!」
「女の子だって」

「陽子と常夫さんのどっち似だろうね?」
「まだ分かんないよ」
「ねぇ~ 雄二に似ていない?」
「・・・・」
「まさかぁ あんた何言ってんのよ」
「本当よ こんなところで冗談しても趣味悪い」
「ごめん ごめん そんなつもりじゃ」
「もしあちらの親や親戚の方が聞いたら冗談だなんて通用しないわよ」

大学の友人が言った雄二とは結婚前に付き合っていた男の名前であった
常夫とは見かけも性格も正反対の雄二には最後まで泣かされた
結婚相手として見切りをつけたのは挙式の1か月前


挙式1日前(携帯の着信音)
「もしもし?」
「あ、俺 悪いけど2万円貸してくれない?友達が事故っちゃってさー」
「もうあなたとは関係ないはずよ」
「わかっているよ だからこれでもう本当に最後だから」

「分かってるって お前の過去は絶対今の男には言わないから」
「えっ・・・・!?」
「どうせ新しい男ができたから俺と別れたんだろう それぐらい俺にも察しがつくよ
 だから なっ お願い」
「分かったわ2万ね もうこれきり電話してこないなら用意するわ 私のアドレスも消してくれるのが条件よ」
「ありがとう さすが陽子だ 恩にきるよ」

私は指定の場所へお金を持って行った
返ってくるはずのないお金の借用書と もう連絡しないという よく考えれば矛盾する念書を書かせ雄二との2年間に幕が下ろされた

真美が生まれて1年 色白のぽっちゃりとした肌
最近よく笑うようになった顔を見て陽子は母親としての母性がますます強くなっていった
近所への散歩に出かけるとよく声をかけられた
「こんにちは~ あ~ら真美ちゃん ふりふり着ているのね 今日も可愛いわ」
「こんにちは」
「やっぱり女の子はいいわね うちは男だからがさつで乱暴者 家の中もガチャガチャよ」
「そんなことありませんよ 雄太君 逞しくて羨ましいわ 真美はおとなしすぎて」
「ところで真美ちゃん まだ二重にならないのね 赤ちゃんの瞼って脂肪がつきやすいから
 人によっては年頃になるまで一重だったって聞いたことあるけど」
「・・・・」
「真美ちゃんのところ両親ともぱちっとした二重だもの 心配することないわよね」
「・・・・えぇ・・」
「あっ こんなところで長話して ごめんなさい それじゃぁ」
「それでは・・・」
暗い顔をしながら陽子は乳母車をひきアパートへ戻りドアを開ける

「ただいま~」
「お帰り どうしたんだい? 顔色悪いみたいだけど」
「そうかしら 外少し寒かったからかしら」
「君が倒れたら大変だ 真美のことは僕がやるから君は少し横になりなさい」
「ありがとうそうさせてもらうわ」
布団に横になり陽子は目をつぶった

常夫は時々 私に何か言いたげな視線を送る
結婚前から感じていたけれど真美が生まれてからというもの特に強く
彼は私を疑っている?
確かに真美はハネムーンベビー 初産だというのに半月も早く生まれしかも3600グラムのジャンボベビー
当初 両家でも婚前交渉があったんじゃないかとからかわれたりもしていた
真美がなぜ一重なのか
きっと・・・ 

彼は・・・・・

私を・・・・

疑っている

16歳の陽子(回想)
教育番組のテレビを食い入るように見つめる中学生の陽子
テレビ画面 遺伝子の文字 音楽が流れる

アナウンサー 「シリーズ 遺伝 今日は北里病院の院長をお迎えいたしまして遺伝についてお聞きします 高木先生 今日は宜しくお願いします」
高木院長 「こちらこそ宜しくお願いします」

「早速ですが遺伝というのはどういうものなんですか?」
「遺伝とは親の持っている形態や性質が子に受け継がれていくことです」
「そのことについて視聴者の方からご質問をいただいております 都内のY子さん この方 学生さんなんですが瞼のことで悩んでおられまして」
「遺伝というものはその性質によって出やすいものと出にくいものがあるんですが 今日はそのことをお話ししましょう」
「出やすいとか出にくいものとは?」
「質問のY子さんの悩みというのは瞼のことですがそれを例に挙げると一重瞼は劣性遺伝 二重瞼は優性遺伝といいます ここで注意しなければいけないのは劣性=劣るとかダメとかじゃなくて子供に伝わりやすさを優劣で表しているんです」
「そうなんですか!」
「まとめて言えば優性は子に対して非常に伝わりやすいものを 劣性は伝わりにくいものの潜在能力があるので孫にもあ笑われる可能性があるという特徴を持っています」
「つまり片親が二重なら子は二重の確立が高い 逆に一重なら孫に一重が現れる確率もあると・・・そういうことですね」

「すべて数字で表すことができないほど遺伝とは不思議なものです ただマイナス面だけを考えてばかりいても仕方がありません
Y子さんは学生さんだそうですが 親から受け継いだプラスの面にさらに磨きをかけ素敵な女性になられることをお考えになられてみてはどうでしょうか?」
「そうですね Y子さん頑張ってくださいね それではお時間になりました 先生、今日はお忙しいところどうもありがとうございました」
「ありがとうございました」

私はこの優性遺伝にかけた
子供は二重瞼の子がほしかった
こんな想いは私だけでたくさんだ

回想 院内で医師と向き合う陽子

「本当に良いんですか?」
「はいお願いします」
「手術は10分程度で終わります 腫れは2~3日でひくとは思いますが最後にもう一度考えてみてください」
「良いんです 小さいころから決めていたんだです こんな想いはもうたくさんです
生まれ変わりたいんです 先生私を変えてください」
「分かりました そうおっしゃるなら」

10日後の高校の入学式には二重の陽子が笑っていた

だが私のその秘密を知る者が現れた
と言うより それは私の不注意から来るものだった
たまたま中学の卒業写真を見つけた雄二は私の瞼に気付いたわけだ
集合写真こそごまかせるものの それはあまりにも大きく写りすぎていた
不幸中の幸いと言えばそのことについて雄二が興味を持たなかったことだが 別れる段になってその秘密をちらつかせるなんて・・・・

「どうだい?少しは楽になったかい?」
陽子の様子を見に来た常夫が声をかける
「ごめんなさい 心配かけて もう大丈夫だわ」
「調子の悪い時になんなんだが 今日なら言えそうなんだ 話があるんでこっちに来てくれないか?」
「・・・・」

とうとう来た
ついに夫が口を開いた
彼はきっと結婚前の私のことを疑っているに違いない
でも真美は間違いなく常夫の子なのだ

この事実をどう伝えればいいのだろうか
やはり私が一重だったことを素直に話すしかないのか
幸せなのだ 今の生活を捨てたくはない

「話し合いの結果 離婚という語りになっても仕方がないと思っていることがある」
「えっ離婚?」
「そうなるかも知れない そうならないかもしれない」
「・・・」
「君も薄々感じているとは思うが真美の一重まぶたのことなんだ」
「・・・・・・」青ざめる陽子
「君も僕も二重なのに真美は1歳になっても未だ一重だ 大きくなって二重になる子もいるらしいが真美の瞼は多分一重のままだろう 話をするのも辛いが真実を言いたい」
「・・・・・・」
「実は・・・・ 僕は・・・・本当は一重瞼なんだ」
「・・・・ええっ!?」
「昔僕はすべてにおいて自信のない男だった 
色白の肌 
薄暗い胸板 
濃い体毛 
そして一重瞼 
男は中身で勝負というけれど外見から来るコンプレックスから行動も消極的になっていった でもそれではいつまで経っても変わらないんだ 
僕はその外観を変えることによって自分に自信をつけたかったんだ 
肌を焼き事務へ通い エステに行った 雑誌で二重瞼のことを知った時も迷わず電話した
僕は変わった 仕事も遊びもどんどん積極的になっていった

そんなときに君と出会った
君の明るい笑顔をとても素敵だった
初めて見たときから僕は君と結婚するんだと決めてしまったんだ

だがその日から僕は悩んだ
何も知らない君に罪を感じた
本当のことを話せば君は去っていくかもしれない でもこのままでいいのか
話そう 話すまい 心の中で自問自答を繰り返した
だができなかった
君を失うのが怖かった すまない 許してくれ 君を真美を愛しているんだ

「あなた・・・ 一重瞼だった・・・の・・・?」

陽子の顔からさっと地が引いていくのが分かった
(そうか 夫は一重だったのか 
 それなら子供が一重でもおかしくない 
 私は私の秘密を死ぬまで打ち明けなくてもよいのだ)

「あなた 顔をあげてください 
 私はあなたの姿形で結婚を決めたのではないわ 
 あなたの人柄が 私の心を動かしたからなのよ 愛しているわ それは今でも変わらない」
「陽子」
「この話はこれで終わりにしましょう 
 それよりこれからも私と真美のこと宜しくお願いします 
 そしておなかの子のことも・・・」
「えっ・・・?」
「年子ってちょっと恥ずかしいんだけどさっきお医者様が 
 3か月ですって 今年の夏には4人家族よ」
「そうか そうだったのか だから君 最近顔色が冴えなかったんだね 
 心配していたんだ 僕のせいじゃないかって」
「今度は男の子が良いかしらね?」
「いやぁ 男の子は・・・ とにかく元気な子を産んでください」

その夜陽子は久しぶりにぐっすりと寝た

常夫 寝つけず洗面所へ向かう 
鏡を見ながら
(彼女が許してくれて良かった 明るい妻で良かった 家庭は明るいほうが良い 
 でもこの明るさは・・・

パチッとかつらをとる常夫

(男の子が生まれたら今度はこれを告白しないと・・・)

男と女 キツネと狸 騙して騙されて家庭円満





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最終更新日  2012.12.01 18:04:50
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Re:心配事(12/01)  
UM77  さん
小説家のような展開ですね!
オリジナルですか? (2012.12.05 15:54:24)

Re[1]:心配事(12/01)  
妄想で必死で打ち込んだので誤字がぁ・・・

たまにはこういうのもいいでしょう?
(2012.12.05 18:10:36)

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