みみ の だいありぃ

みみ の だいありぃ

式当日


私らしく、派茶目茶の結婚式だった。

朝4時にたたき起こされ、無事、9時にはベガスに到着。
道中、気が付いたら120マイル(約200キロ近く)で走っている彼を怒鳴り飛ばし、かといって、他の車とのレースを煽っていた私。
事故もチケットもなしに、無事着いて良かった~。

さっさとホテルにチェックインして、愛しのエース君にご飯をあげ、私たちもマックの朝ご飯。
腹一杯になって眠いところをがんばり、役所へ。
マリッジライセンスをもらい、その足でカジノへ。(なんのこっちゃ)
あっという間に50ドル負けたところで、ホテルに帰り、昼寝。

夜、7時に起き、食べたらお腹が出るからと、晩御飯食べずに結婚の支度中、とんでもないことに気が付いた。

やべーーーーーーーーーーーーー。
ベースのファンデをおいてきちゃったー!

彼に「お化粧できないから、私結婚できない」と言いながら、情けなくって涙出てきた。
同時に「あんたが急がせるからよ」と文句も忘れず。

ここまで来てそれはない、と、「化粧なんて適当でいいよ。君が気合入れすぎると、けばいから」と、彼も必死にフォロー。
おいおい、フォローになってねーよ!

ま、気を取り直して、化粧開始。
できあがった私は、思ったより気に入ったものだった。

式場に着き、軽く式の説明を受けた。
本当に、かる~く。

実際に式が始まり、神父さんがなんやら言い始めた。
彼はなんだか感動してしまっているようで、涙を浮かべている。

私まで目頭が熱くなった。
彼の涙って、めったに見ないな。
おばあさんがなくなった時、ぐらいかな。今まで見たのは。
あ、本当に私はこの人のワイフになるのね。
これが終わったら、私はシングルじゃなくなって、ワイフなのね。

そんなことを考えているうちに、彼の方が「YES,I DO」と言っていた。

ああ、これがかの有名な「YES,I DO」なのね。
日本だったら「はい、誓います」だよね。
この人を、いかなる時も裏切らず。もちろん。
この人を、一生愛し。もちろん。

すると、神父さんの私を呼ぶ声が・・・
「え、何?」
なーんて思いながら相変わらず満面の笑みを浮かべていると、神父さんがもう一度優しく私の名前を呼んだ。

おっと。「YES、I DO」を忘れた!
もちろん、慌てて言いました。

後で聞いたけど、彼も彼のママもみんな、私が急に気を変えたのかと思ってびっくりしたそうです。
ごめんなさい。

その後、ホテルに帰る途中、彼からとんでもない話を聞きました。

この夏、君が日本に帰っている時、浮気をしようと思えば本当に出来たんだけど、する気もなかった。
その時、俺は結婚の準備が出来ているって思ったんだよって。

へー。そっかー。
なんて思っていたけど、え、なんかこの「本当に」って気になるな。
早速問い詰めたら、フィアンセが日本に帰っている、なんて会社で言ってたら、部署の女の子に言い寄られたそうです。

うちの彼は、幸か不幸か、すごくもてます。
それだけ素敵な彼をもっているんだから、それは当然ついてくるリスク。
こんなこと、何度も何度もありました。
その度にギャーギャー大騒ぎしていた。
でも、今回感じたのは、私も変わったってこと。
妙に自信があるんです。
それを感じて、私も結婚の準備ができていたんだなーって思いました。

信用しあうこと。
これって本当に大事ですよね。
だって、家族って無限の愛で結ばれているもの。
怒っていても、悲しくっても、もちろん楽しくってもうれしくっても、愛している。

それに、信用しあっていない関係って辛いですよね。
本当に疲れるもの。

今日、うれしかったのは、まず、彼の「これで、君は俺の責任だ。ただ好きとか一緒にいたいとかだけでなく。」としみじみ言われたこと。
そして、彼のママに「これで正式に私の義理の娘になったわね」と言われたこと。

ミセスとして初の夜。
私たちの真ん中には、お腹をべろんと出している、エース君が。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: