緋月の空間 漆黒の心

緋月の空間 漆黒の心

桜花の過去



パシャ…シャンシャン…パシャ…シャンシャン…

と、水の音と鈴の音(ね)が聞こえた。

音に惹かれるように私は音が聞こえてくる場所に向かった。


音が聞こえてくる場所に向かって木々の間を抜けると、そこには水の上を舞っている人が居た。

その姿は、あまりにも綺麗でそこの場所だけ時が忘れ去られているようでついつい私は舞いに見入り動けなくなってしまった。


バサバサバサ

「キャッ…」

見入っていたためか頭上にいた鳥達の羽ばたく音にびっくりしてしまい短く悲鳴をあげてしまった。

その私の声が聞こえたのか突然舞いを止め私の方を向いた。

「そこに居るのは誰だ?」

振り向いた姿と、尋ねられた声が『人なのか?』と思うほど綺麗で、見入ってしまいすぐには答えられなかった。

「私は、誰だと聞いているのだが?聞こえているのだろう?」

その人はそう言いながら私の方に歩いてきた。

その姿に見入ってしまった私はとっさに逃げようとした。

だけど逃げようとしたら腕をつかまれ抱き上げられた。

「逃げるな。誰だと聞いているのだが?口が無いのか?」

「…ある」

「そうか、何故ここに居る?迷ったのか?」

質問に答えたら優しく微笑んでくれた。

「…迷ってない」

「迷ってないのならだったら親は?」

「…知らない」

「知らないって孤児か?」

「違う…孤児って生んでくれて育ててくれた人が無くなったこのことでしょう?私には私を生んでくれた人…蘭華さんならいる。育てられた覚えはない…けど…でも孤児じゃない…」

「だったらその蘭華さんとやらの所に帰りなさい」

「帰れない…」

「何で帰れない?」

「私は捨てられたから…だから…帰れない」

「捨てられた?何故捨てられた?」

「この髪…この瞳…多分それが原因…」



烏唯と桜花…の過去かな…そういう事にしといてください…。
舞っていたのが烏唯で見入っていたのが桜花です。(一応ね…)
大体桜花が4歳、烏唯が12歳設定(烏唯の年齢たった今決めるなよ!!)

2005/07/07


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