緋月の空間 漆黒の心

緋月の空間 漆黒の心

木々が生い茂る森



「燐来剣舞(りんらけんぶ)!!」

1人は舞うように盗賊をバシャバシャと倒していった。もう1人は盗賊たちを倒している女の後ろのほうで倒した盗賊の懐を探っていた。

「うぉ~さっすが~」

「ふぅ…さすがって………ピコハン持って強さをごまかしてるあんたに言われたくない」

「……あはっ!」

「っか、さすがって言うんだったらヒイランの方かさすがだと思うんだけど…?」

「何で~?」

「ピコハンで敵倒せるなんて……」

「まぁ~そりゃ振り落とすとき相当力入れてるから勝手に飛んでってくれるも~ん、だから森とかはこれ使ってんの!!」

「私には出来ん芸当だ」

「ふぅ~ん、それは置いといて、適当に持ち物分取って町で休もう?」

「鬼だなお前」

「襲って来たこいつらが悪いんでしょ~?それに~盗賊どもから奪うんだから許されるでしょ~多分!!」

「誰に許されるんだ?」

「善人?って、言ってるあんたもやってるんだから文句言わない!」

口喧嘩みたいなことをやっていると、後ろから微かに悲鳴が聞こえた。

「………ヒッ!!」

「おっ!?タフな人だぁ~!!さぁて、そこの人今私たちがやっていたこと見逃してくれる?」

気がついた盗賊はコクコクと頷いて、仲間を叩き起こし、それでも気付かない者たちを引きずって逃げていった。

盗賊にあってから暫くするとちっさな村を見つけ、足りない物を補充しようと降りていった。
その村を見て思ったことをヒイランは口にした。

「ふ~ん、完璧にド田舎って言う感じだね~ちゃんと宿あんのかな?」

「そう言わない……」

「おや、珍しい。あんたらも旅人かい?」

「はいそうですが……」

「大丈夫だったかい、山で盗賊たちに襲われただろう?」

「えぇ。でも、なにも取られなかったですよ?(逆に分取ったけど……)」

「すごいねでも強かっただろ?」

「いえ…盗賊の中でも弱い人達だったみたいで…」

「そうかい。運がよかったんだね」

「はい。それで聞きたいことがあるのですけど…宿探してるのですけど、どこにあ
ります?」

「宿はもうないんだよ……盗賊がこの近くに来てから潰れちゃったよ……金目の物
を持ってかれちゃってねやっていけなくなってね」

「え~泊まるところどうしょう……?」

「家に来たら?他にも客がいるけど…それでもよかったらの話だけど」

「いんですか~!?」

「遠慮はいらないよ」

「ありがとございます。所で他に客がいるとおっしゃったのですが……どんな客な
のですか?」

「村長さんが呼んだ剣の使い手さんたちらしいのだけどね……あたしは嫌いだよ礼
儀がなってないよ!!その分あんたらは気に入ったよ教育が行き届いている」

「ありがとうございます」

「そういわれると嬉しいです!!」

「まっ、たいしたことも出来ないけどね」

「泊めていただけるだけで充~分です!!ねっ、キイア?」

「ええ、泊めていただけるだけで充分です。食事とかは自分たちで何とかできます
し……でも、多少何か分けていただけると嬉しいですが……」

「小麦粉とかの粉物などと魚ぐらいしか分けてあげられないけど」

「魚……!?」

「魚ですか…?」

「嫌いだったかい?」

「いえ……久しぶりだったので……最近木の実とかしか食べていなかったの
で……」

「よーーーーと、別なの食べれる~~」

「どんなの食べてたんだい?」

「……名前は判んないんです…知り合いに教えてもらったので……」

「特徴とかわかるかい?」

「見た目はまずそうな緑で、腐っているみたいで、潰れかけている感じで、所々血
みたいな斑点があり、人の爪ぐらいの大きさの実なんですけど……」

「乾燥させる為に一杯取ったから結構余ってるよ~」

「……!!それをどこで?」

「盗賊に会う前の木の上にあった!!ここから言うと中心ぐらいの位置かな…?」

「これはこの辺じゃ滅多に採れない、ナヒシラって言う木の実だよ。採れたときはパンケーキとかに入れると美味しいんだよ」

「へぇ~美味しそう……乾燥させたら非常食になるってしか教えてもらえなかった
からね……それ以外の食べ方なんて」

「よかったらそれを少し分けてくれないかい?代わりと言っちゃ何だけど、パンケーキをご馳走してあげるから」

「はい!喜んで」

「ほら、着いたよ。ここが元宿で私の家さ!」

ガラガラ

「遅かったわね。お腹空いて待ちくたびれたわ!さっさと作って頂戴。あら、あな
たたちは?」

「この村にたどり着いた旅人のキイアと、こっちがヒイラン」

目の前の高飛車な女の人を無視して

「あっ!そうそう、呼ぶとき困るんで、女将さん…って呼んでも良いですか?」

「構わないよ」

「じゃ、女将さん私もお手伝いさせてください」

「ヒイラン…?」

「人を無視するなんて、いい度胸してるわね……私を誰だと思ってるのよ!」

「えっ?唯の煩い女~?」

「間違っていないと思うけど……本人の前で言わなくても……」

「なっ‥何ですってぇ!!」

「そうだ、パンケーキどうやって作るんですか?」

「また、私を無視するなんて……」

「ったく、煩い!!お前いい加減黙れ」

「……くっ、早くご飯作ってくださいな」

そう言って逃げるように部屋に戻って行った

「………ヒイラン……楽しみなのはわかるけど、たくさん時間があるから、話ぐらいしてもいいんじゃないの?」

「い・や!!キイア……私の性格知ってるでしょ~?なんでもやってもらえると思っている人って大嫌い!!」

「まぁ…嫌いなタイプだろうけど…」

「ね、ご飯まだ?まだならさっさと作ってくんない?わざわざ来てあげてるんだから用意するのが当然でしょ?待たせないで欲しいんだけど?それにあんたら誰?入り口で喋られたら邪魔なんだけど」

そう後ろから突如声が聞こえた。


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あとがき
友人にまたもや突発メールとして送った物

まぁ、設定は少しは決めていますけどね…続けたいです…。
これで終わらせない!!


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