魔女の心 １話
まっ、どこにでもあるだろうけど、これは私の家に近い村の言い伝え
『けして森には入るな。入ったら一生出られない』
って言うのがある。
何故、出れなくなるのかと言う理由を村の人に聞き回ると
『それは魔女が居て、入った人全て魔術を掛け樹木にしてしまう』
だとか
『魔女が秘密も守る為、永遠に森から出れないようしている』
だとか、聞き回ったらキリがない。
だがどの話しににも魔女は必ず入っていた
聞いた中で一番酷いのは
『理想の人を作る為、来る人を殺し人体実験をしている』
……ったく、失礼だよね！！悪人にしやがって！！じゃなくて……
ここまで来たら完璧に噂じゃん！！
確かに私は魔女だよ！！何百、何千の先祖代々の記憶を受け継いでいる。だけど、そんなことは滅多にしない。大体は記憶を消す程度
だって私利私欲で使うことは禁止されているから……破ったら………とても……口では言えないほどに……
で・でも、迷わせるって言うのはあなかち間違いじゃないけど……
迷わせないとここまで入ってこられる。
この場所にはたやすく入れる訳にはいかない。だってここには、世界の真実、忘れ去られた過去の魔術、遺物が記されている書物などが保管されている場所、管理者の私がそれを破る訳にはいかない
その価値を知らなかった…いや、理解していなかった幼い私は、先代の言葉を無視し、村によく遊びに行っていた。だから色んな人と仲良くなった。でもその中で一番仲良くなったのは旅人と昔、村に降りた魔術師の子供だった。だけど、次の日旅人が旅立つという事で、私は旅人と子供を山へ招き、書物を見せた。だがその旅人は、その膨大な書物に心を奪われ、書物を密に持ち出そうとした。だが、それに気付た先代が捕まえた。その後、旅人がどうなったか私は知らない。先代が教えてくれなかったし、私も知りたいとは思わなかった。
そんなことがあった後はもう村には行っていない。
だ・け・ど………
何で！！
私が幼かった、昔みたいに誰でも入れた訳じゃないのに！！
何時も思うが何でコイツは、勝手に入って来れるんだ！！
……じゃ無かった……。何で昔から入って来れるんだろう……？
「それは、チィシーに逢いたいから！！」
ちっ、笑顔で言いやがった
ってあれ……口には出していないはずなんだけど……
「何でわかった……？」
「昔から同じことしか言わないから」
そう言ってちゃっかり手にお茶のセットを持ち椅子に腰掛ける
「あっそ。でも、何で先代が亡くなってもここに来るの？来る理由は？」
「だから何時も言っているだろ、君に逢いたいから」
「先代に一目惚れした人が何を言う、寝言は寝てから言え！！」
「酷いなぁ～最初に招いてくれたのはチィシーじゃないか！まっ、元魔術師の父さんに感謝しないと！！」
聞いての通り、旅人と共に連れて来た友達がここに居るコイツ……ルギ
ルギは本などには興味をもたず、先代に一目惚れしてここに来る事を願った。先代も最初は渋っていたが、昔馴染みの子供ということで、『薬師の修行が終わった後でなら来ていい』という条件で許可がでた。それから、毎日のよう修行が終わってから、先代が目的で通っていたはず
「ラギさん達はここに来る事何て言ってんの？」
ラギとはルギの父で、昔ここで先代と力を競い合って次の継承者候補でもあった。でも、森の中で怪我をしていた村の女性と恋に落ち、記憶を継ぐ権利を放棄……じ・辞退し村でその人と結婚し、村唯一の薬師となった人だ。
「なんも！！あっ、でも家に来てもらってチィシーに薬草の種類と魔術を教えてもらえだってさ」
「……殆ど覚えてるでしょ？」
「結局は前みたいに家に遊びに来て欲しいんだよ」
「………嫌。行きたくない……ラギさんにも悪いけど……」
「あれから…一度も来なくなったから母さんが見たい見たいって……いい加減俺も止めるのに飽きてきたから！！」
「飽きてきたって……ルギが止めないとあの人のことだから来そうじゃない……」
「来そうじゃなく、一人でも来ると思うよ。でも、その前に父さんが止めるから安心しても良いと思うよ」
ラギの母、シュクルは、全ての事情を知っているが……何と言うか……年下の私から見ても可愛いのだけど……危なかしい人。その感想を持ったのは、よく村まで遊びに来てたときにラギさんと本人に無邪気に二人の出会いを聴いていた後だった。
昔、言い伝えで聞いた魔女に逢いたい為に森に登ろうとしたシュクル。最初は森の中をスキップしていたら、躓き、転がるように急斜面に落ちていき、止まったので立ち上がる為木に手を置いたら、その木が倒れたので後ろに下がっりたら、崖から足を踏み外し落ちたそうだ。でも落ちたのに、ただ足を捻って、多少かすり傷ができただけだった。それでも魔女に逢いたい為に痛いのを我慢して歩き続け、また足を踏み外して落ちたらしい。
そのときに偶然先代と競い合って薬草を採っていたラギさんが(下敷きになり)助けて村まで送り、村人には『旅の途中薬草が切れたので森で薬草を採っていた上から落ちてきたから村まで連れて来た』と、説明したところ村人に看病を(問答無用で)任されたらしい。そして、そのうちにラギさんは戻ることが面倒になったらしく、それと、互いに好きになったと言う事でちょうど良かったので村で２人で薬師を始めた。ということを聞き、魔導師だと気付いたのは後々先代が家まで押しかけて来たときらしい。
まっ、こんな話を聞いてからの印象だった。後になって先代に聞いたら、先代が怒って乗り込んで来たときに抱き着き着せ替え人形みたくされ先代の中ではシュクルは『関わりたくない危険人物。自分の敵』になってるらしい
「ラギさんには感謝し……」
「あっ、でも父さんも一緒にって言い出すかも……」
「うっ……。わかった……近いうちに行かせていただきます……」
「いゃったぁ～！！これで父さんに新しい情報もらえる！！」
「……どういう事！？」
「いや…脅してでもいいからチィシーを家に連れて来てって……。多分本音は…あれからここに閉じこもっているからさ……チィシーの顔見たいんだよ二人とも！俺が毎日会っていて状況教えてるから」
「ありがと………わかった……でも……」
「来たいときに言ってくれれば何時でも迎えに来てあげるからさ」
「うん……じゃ……気をつけて」
その時は気付かなかった……。自分の侵す罪がこれ程辛くのしかかるなんて。
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