「富墓林」なんて変な当て字にするから、短命だったんだよ!・・とは、当時、多くの人が思っていたことですが、25歳の若さで夭折したにも関わらず、こんにち尚、トミー・ボーリンは後輩プレイヤー達に影響を及ぼし、多くのプロ・ミュージシャンに愛され、語りつがれているスーパー・ギタリストです。スカイプでやり取りしているプロ・ドラマーの友人に、オフライン時、‘本日の一曲’としてYoutubeのWild DogsのURLをメッセ代わりに貼り付けておいたら、翌日、"What another shame he left so soon..."との返事が残されていました。 この曲の歌詞を見ても、ミュージシャンとして世界をツアーして歩くような成功者であっても、激しく盛り上がったステージの充実感とは裏腹に、その晩一人になってから、ふと陥るホームシックや孤独感との葛藤がうかがい知れます。 この曲は、ディープ・パープルの日本公演では、ラストに演奏されましたが、デイヴィッド・カヴァーデールの‘男前’なヴォーカルとユニゾンで高くハモるグレン・ヒューズのコーラスが印象的で、この時手を負傷していたトミー・ボーリンの存在は影が薄く感じられます。思えば、イギリス人のバンドの中に、彼一人がポツンと米国人であったというのも、改めて考えるに異彩であったのかな、と。日本人からすれば、英国人も米国人もひっくるめてガイジンさん、なんでしょうけどね。彼はアイオワ州のスー・シティという地方出身者ですが、スーとはアメリカ原住民の種族名ですから、その顔つきからしても、ひょっとしたらインディアンの血が入っていたのかも知れませんね。