映画大好き夫婦のパリ新婚日記

2008.04.11
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080411a

ジャン=ピエール・リモザンの新作で『Young Yakuza』というドキュメンタリー映画を
1人で観てきました。

主人にこの映画を観にいくと言ったら
「え、なんでみにかーがヤクザ映画を観るの?(好みじゃないでしょ?)」
と聞かれたのだけど、それには一応ワケがありました。

それは今から数年前、友人の紹介でパリ在住の日本人とフランス人の交流会の様なものに
行った時の事。

私達日本人はフランス人から
「ヤクザを見た事がある?」


私と友人は
「ない」
と即答したのですが、どう見ても堅気の日本人ご夫妻はなんと
「しょっちゅうある」
と言ったのです。

私達が驚いて
「どこでですか?」
と聞くと、夫婦揃って
「いや、それはもうあちこちで」
という返事でこれにはびっくり仰天。

私は歩く時いつもぼーっとしているので、もしかしたらヤクザの存在も見落としていたのでしょうか?



ヤクザと言えば北野武の映画で観たものしか思いつかない私の頭の端には

こんな気持ちがもう何年もくすぶっていたので、この作品に飛びついてみた訳です。





このドキュメンタリーの初めの部分のあらすじと言えば パリスコープ での紹介文通り、
無職でぶらぶらしている20歳のナオキが「1年のお試し期間」という前提で


1番最初のシーンはある男(これが誰かは忘れました)がその母親に
ナオキを熊谷組に入れてみてはどうだろうと提案するところなのですが、
ここを見ているとすぐに疑問が沸きました。

ドキュメンタリーのはずなのに、カメラワークが良すぎるのです!!

人物がこれからどう動くのかを知っている感じの、先取りの移動をするというか何というか・・。

これって「ドキュメンタリー」と言いつつも実は、シナリオも準備されている
「フィクション映画」なのではないかという疑惑が頭に浮かびました。





この気持ちは、ナオキが熊谷組に入ってからお茶の出し方を教わったりするシーンの間も
続きます。

熊谷組の起こす「犯罪的な行為」を一切撮影しない方針で作られた映画だと知ってはいたものの、
あまりにものどかな光景ばかりだったからです。

私はヤクザの内情と言えば、新入りがちょっとでも粗相をしたら
「バカヤロー!」
という声が飛び交うものだとばかり思っていたのに。
(たけし映画の影響ですが・・・。)

冷静に考えてみればヤクザが自分達の普段の生活の撮影許可を出すなんて不思議な話だし、
この人たちはみな役者で、住居はセットなのかななんて思ってしまいました。





この謎は最後の方まで頭の中に残っていたのに、それでも観ているのが嫌にはならないし、
最後にはそんな事どうでもいいとさえ思えてくるのだから、この映画は不思議。

それは前々から聞いていた通り、この映画では豪華な場所で騒いだり、暴力を振るったりする
既成映画に出てくる「ヤクザ」とは異なったアングルから、彼らが写されていたからでしょう。

この映画に写る姿が100%ではないと分かってはいるものの、事務所内における
ヤクザ達の仲間内での生活は新鮮でした。

また、淡々と撮影されているはずの出来事にも、「フィクションが入っているかもしれない」という
疑惑が頭を掠めてしまうほどに、それなりの物語性が持たされていたのも大きいと思います。





観終わってから、上映開始直前に配られたこの映画を紹介している用紙を読んだら
紹介文に「docu-fiction(ドキューフィクション)」という言葉が用いられていました。

監督自身はこの映画を撮るに至った経緯について
まず知人から一時的にパリに来ていたヤクザを紹介され、
そのヤクザから「日本のヤクザの内部生活を撮影してみる気はないか」と尋ねられて
その時は不可能だと応えた事、
それでも日本を訪れた際には敬意を表して熊谷組の組長に会いに行き
数日をそこで過ごした際に組長の、自分達の事を撮ってほしいという強い気持ちに驚いた事、
なかなか「新入り」の来ない昨今だけどその視点から撮りたいと考えていたら
幸運にもナオキという新人がやってくる事になった・・・と語っています。

撮影については組長と、フィクション映画やドキュメンタリー映画を観ながら(!)よく話し合い、
「かちんこ」も使って撮影したのだという事です。

やはり100%全てがドキュメンタリーの映画ではないのですね。

でもそのぶん観やすかったし、街とヤクザとの関わりの変わってしまった様子を若い衆に説明したり
新入りとの接し方についてあれこれ語っている熊谷組長の考えが伝わってきました。





出演している人々を見て
「もしや全員、俳優さんでは?」
と疑ってしまったのは、誰もが自分の役割をあまりにもうまくわきまえた感じで
カメラに収まっていたからというのもあるのですが、映画の出来た背景を読んで
一応はドキュメンタリーなのだと納得してスッキリです。

俳優ではない人々を上手に写すあたり、さすがは、演技が巧い訳ではない(ごめんなさい!)
吉川ひなのを主演にしつつ『TOKYO EYES』をおとぎ話の様な可愛らしい映画に仕上げただけの、
力量のある監督さんだなと思いました。





上にもちょっと書いた通りこの映画に描かれているのはヤクザ世界のほんの一部だと思いますが
(だって組長の怒ってるシーンが1回もないし)意外な一面を見られたのは良かったです。

未知だった実情を知ったら知ったで
「ナオキ以外の人たちはなぜヤクザになったのだろう?」
という疑問などが沸いてきたので監督にはもう1度頑張ってもらって、もう少し深く掘り下げた続編を
撮ってほしい気もしましたけどね。

こう思える映画っていい作品だと思います。





あ・・・でも結局、ヤクザの見分け方は分かりませんでした。

意外にも地元の町にとけ込んでいるものなのだろうなという事は分かりましたが・・・
日本の街角で黒いスーツの男を数人見たらヤクザだと思っていいのでしょうか(笑)?


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最終更新日  2008.04.13 00:55:30
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Re:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
りょーかな  さん
遠方の友人には「大阪ってヤクザいるんでしょ?」と聞かれるも、本物を見たことがない、りょーかなです(笑)

それにしても「熊谷組」って...。
真面目にマンション作っている会社と同じ名前(笑)

(2008.04.13 01:15:45)

Re:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
lalaiza  さん
こんにちは。
この映画、気になってはいたもののあまり評価が高くなかったのでどうしようかな…と思ってました。
Minicarさんのコメントを読んだら観たくなったので、時間があうようなら是非行ってみますね。 (2008.04.13 02:50:08)

ヤクザの見分け方??  
どこかで会っているんでしょうけど見分けられませんね。
新聞で地元の事件簿を見ると、すぐ近くに住んでいたりして驚きます。 (2008.04.13 14:49:52)

Re[1]:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
Minicar  さん
りょーかなさん

>遠方の友人には「大阪ってヤクザいるんでしょ?」と聞かれるも、本物を見たことがない、りょーかなです(笑)

やっぱりなかなかお目にかかれるものではないですよね。
(別にヤクザに会いたい訳ではありません、念のため・・・。)


>それにしても「熊谷組」って...。
>真面目にマンション作っている会社と同じ名前(笑)

やっぱりそうですか!
私も映画を観つつ
「熊谷組といえば、建設会社の名前じゃなかったっけ?」
と思っていたのです。

適当にネット検索したらヒットしたwikipediaの「暴力団」の項目にはこんな事が書いてありました。
(引用します。)

>余談であるが、社長が個人事業から発展させたような建設会社にも大林組、間組(現ハザマ)、熊谷組など「組」を称する会社が多い為、そのような経緯を知らずに日本の法務事情を視察に来たアメリカ合衆国の司法関係者が、“日本ではヤクザが会社を作り社会的認知を受けている”と驚いたという逸話がある。

この映画もまた、誤解を生むかもしれませんね(笑)。
(2008.04.13 21:38:25)

Re[1]:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
Minicar  さん
lalaizaさん

>この映画、気になってはいたもののあまり評価が高くなかったのでどうしようかな…と思ってました。

そうなんですか!
上に書いた通りヤクザらしいシーンがないし、逆に組長へのインタビューシーンが長いので、期待外れと感じる人が多いのかもしれませんね。

でも私はエンターテイメント性の高いシナリオを下手な俳優が演じている作品や、逆に俳優の演技が真に迫ってはいるもののストーリーが無い様な作品に比べると、ドキュメンタリーとフィクションのさじ加減が上手なこの作品はいいなと思いました。
「絶対にお勧めです!」とは言えませんが、もしお時間があったらご覧になってみてくださいね。
(2008.04.13 21:45:27)

Re:ヤクザの見分け方??(04/11)  
Minicar  さん
ぶるーはわい2612さん

>どこかで会っているんでしょうけど見分けられませんね。

やはり、そうですよねぇ。
りょーかなさんとぶるーはわい2612さんからいただいたコメントを読んで、私が知り合った日本人のご夫婦がやくざはあちこちに居る、と言っていたのがますます不思議になってきました。
とっても堅気に見えたのですけどねぇ・・・この映画にちょっとだけ出てくる商店街の様な、暴力団事務所の側に住んでいたのかもしれませんね。
(2008.04.13 21:49:55)

ヤクザの見分け方  
ひよ さん
大阪ではあまりお見かけしませんでしたが、本部?と思う建物がある場所に迷い込んだことはありました。
東京では、飲食店勤務時代によくお客様としていらっしゃいました。ごくごく普通の、シアトル系コーヒー屋に。
若くない方は、一般人よりも随分とジェントルマンな印象でした。 (2008.04.15 10:26:22)

Re:ヤクザの見分け方(04/11)  
Minicar  さん
ひよさん

初めまして。

何度か暴力団の人をご覧になった事があるのですね。
素朴な疑問なのですが、どうやって飲食店に来ていた方がヤクザだと分かったのですか?
黒っぽい服&雰囲気でしょうか。

>若くない方は、一般人よりも随分とジェントルマンな印象でした。

映画に出てきた「組長」を見ても、分かる気がします。
(2008.04.15 19:35:18)

Re:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
Hana さん
はじめまして

ヤングヤクザの検索からたどりつきました。
私は映画館でなくArteで観たのですが、おもしろいと思いました。
ドキュ・フィクションという形態と、映画がかもし出すムードが。
監督のヤクザを切り取る視点がおもしろいというのか、、、
日本人には撮れない雰囲気だなと思いました。

私は関西出身なので(!?)ヤクザ見た事何度もありますよ。
お昼の商店街とか、夜の飲み屋街で特に?
黒い車から部下を連れて降りてくるとか、
服装や髪型、歩き方(映画にも出てきましたね)もですが、
やはり最大のポイントは鋭い目つきだと思います。 (2008.04.21 23:11:48)

Re[1]:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
Minicar  さん
Hanaさん

こちらこそ、初めまして。

この作品、そういえば確かに、公開日の近くに(珍しくも)テレビで放映されていましたよね。
それをご覧になったのですね。

>ドキュ・フィクションという形態と、映画がかもし出すムードが。
>監督のヤクザを切り取る視点がおもしろいというのか、、、
>日本人には撮れない雰囲気だなと思いました。

私もその様な感想を抱けたので、たとえヤクザの生活の一部しか写っていなくても、この作品を観て良かったと思っています。

>黒い車から部下を連れて降りてくるとか、
>服装や髪型、歩き方(映画にも出てきましたね)もですが、
>やはり最大のポイントは鋭い目つきだと思います。

なるほど、ありがとうございます。
次にすれ違う事があったら分かるかな♪
(分かったからと言って、別にいい事が待っている訳ではないのですが・・・。)
(2008.04.23 04:44:13)

驚きました  
N.O. さん
熊谷さんは知っていますが、この映画のことは全然知らなかったので、このページを偶然発見して驚きました。
「一年間のお試し期間」ですか・・・・
ヤクザの世界も大変なのですね。
自分のほうから「撮ってほしい」と言ったということはないと思いますが「強い気持ち」というのは推測なので、否定しようがないところが巧みですね。
この映画、何とかして見てみたいです。 (2008.10.13 14:15:19)

Re:驚きました(04/11)  
Minicar  さん
N.O.さん

初めまして。

>自分のほうから「撮ってほしい」と言ったということはないと思いますが

この日記を書いてから時間が経ったので細かいところは覚えていませんが、自分で自分の書いた事を読み返した限りでは、フライヤーの様な紙にそう書いてあったらしいです。
どうしてなのか、不思議ですよね。

>「強い気持ち」というのは推測なので、否定しようがないところが巧みですね。

そうですね、ものは書きようっていうところはあると思います。

Amazon Franceで見たら、もうじき(10月16日)に20ユーロでDVDが発売されるそうです。
うまく入手できるといいですね。
(2008.10.14 06:40:27)

本物は・・  
TKD さん
身近な人間がこれに出てます。
見分け方とちょっと違うかもしれませんが、本物のやくざは堅気の方には迷惑はかけないし、刺青をひけらかしたりしません。(むしろ、真夏でも長袖で隠しています) 見た目 いかにも ってのはやくざ風にしてるチンピラで、こういうのが一番たちが悪い。
刺青見せたり俺は○○組だと脅したり。
こういうのに万が一絡まれたら即警察へ通報です。
本物のやくざは、一般人のあなたが下手な真似しない限り紳氏です。 子供や家族を大事にしてます。
普通のやくざ映画では、派手さがなければ成り立たないのでチンピラ風な感じも盛り込んでますが、縦社会なので皆礼儀正しく、半端な奴は組には居られなくなるので、そういった輩が街でいきがり一般人相手に吠えるのです。
(2008.11.14 10:29:57)

Re:本物は・・(04/11)  
Minicar  さん
TKDさん

こんにちは。
書き込みありがとうございます。

今までにいただいた書き込みを総合すると、本物のヤクザは紳士的なのですね。
・・・私の場合実は本物のヤクザだけでなく、チンピラともすれ違った記憶がないので、この両者の見分け方以前の問題なのですが・・。
(どうも視野が狭いらしく、道を歩いていても周りの見えていない人間なので、それが原因かもしれません。)

別にヤクザとすれ違ってみたい訳ではないのですが、「1度も見た事がない」私と、「もうあちこちで見た」という夫妻の間にものすごくギャップがあったので、自分がヤクザの見分け方を知らないのかな・・とずっと不思議に思っていたのです。
未知の世界が映画とみなさんからのコメントで補足されました。
私の幼稚な好奇心に親切にこたえてくださってありがとうございました。
(2008.11.14 15:57:28)

Re:本物は・・(04/11)  
Tです さん
本当にその通りです。
どうしてヤクザになったの?と言う質問に答えられるのは本人の人生で「それしかなかった」と言う声を聞くこともあります。でも、裏社会であることは理解しているし、その社会での役割は大変なものです。親族にはやさしく、組員の面倒をどうみるかなど大変です。ヤクザ映画は誇張が多いです。
最後に、ここに出演している人たちみんな俳優ではありません。という事で…理解して欲しいとは贅沢ですが、頑張っている裏の社会があることは知って欲しい。 (2009.02.21 01:16:12)

Re:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
しょう さん
稲川会碑文谷一家熊谷組

稲川会
東京都港区六本木に本拠を置く日本の指定暴力団。構成員は、平成19年(2007年)12月17日で、約4800人

碑文谷一家
東京都に本拠を置く日本の暴力団で、指定暴力団・稲川会の2次団体。
大井、大森、目黒、五反田、品川を活動範囲とする

熊谷組
東京都品川区武蔵小山に本拠を置く日本の暴力団で、稲川会の3次団体。 (2009.03.03 04:25:56)

Re:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
morita さん
はじめまして。

ドキュメンタリーとはどういうものを思っていらっしゃいますか?
この映画(映像)は監督がいて指示をして撮影していますよね。
ただ、セリフなんかは与えていないはずです。
やくざの事務所などの日常は映像にあるような感じですよ。
また、バイオレンス的な事はそんなに毎日あるもんじゃないです。
あったとしても仰る通り、そういうのは撮らないでしょうけど^^

一般人と渡世の方とは目が全然違います。
あと、普段の服装も違いますよね。
関西と関東では若干差がありますが、基本は詰めている人間(当番)は特攻服系(制服)で親分も外出しない限りネクタイはしませんね。

いやいやこの時代に良く撮らせてくれましたよね。
熊谷氏はカンヌのレッドカーペットも歩かれたそうです。
貴重な映像だと思います。
今のナヨナヨ草食男子は主人公の青年のように修業させた方がいいですね。 (2010.01.24 03:06:18)

Re[2]:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
foo さん

>>それにしても「熊谷組」って...。
>>真面目にマンション作っている会社と同じ名前(笑)

>>余談であるが、社長が個人事業から発展させたような建設会社にも大林組、間組(現ハザマ)、熊谷組など「組」を称する会社が多い為、そのような経緯を知らずに日本の法務事情を視察に来たアメリカ合衆国の司法関係者が、“日本ではヤクザが会社を作り社会的認知を受けている”と驚いたという逸話がある。

もともと戦後の建設会社等が「~組」と名乗っていてそういう団体が色々な事業をしたりして拡大していったのヤクザですからね。 (2010.11.23 02:18:28)

Re[2]:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
foo さん

>>それにしても「熊谷組」って...。
>>真面目にマンション作っている会社と同じ名前(笑)

>>余談であるが、社長が個人事業から発展させたような建設会社にも大林組、間組(現ハザマ)、熊谷組など「組」を称する会社が多い為、そのような経緯を知らずに日本の法務事情を視察に来たアメリカ合衆国の司法関係者が、“日本ではヤクザが会社を作り社会的認知を受けている”と驚いたという逸話がある。

もともと戦後の建設会社等が「~組」と名乗っていてそういう団体が色々な事業をしたりして拡大していったのヤクザですからね。 (2010.11.23 02:20:55)

Re:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
元young yakuza さん
偶然通りました
私はこれに関わった者です

監督にofferを熊谷組長がしたというのは正しくありません

監督は北野武氏と窮地の中で、日本のヤクザ社会に興味があったようで最初にofferがあった時には、ご指摘のように「裏」の部分はVシネマのように見せることはできないからつまらない
と、断っています

冒頭のナオキの母親の仲介者は無いの母親の同級生で熊谷組長の後輩でもあり仕事(真っ当な)でも繋がってます

この映画を造るにあたりどのような撮り方をするか監督と熊谷組長とで話して、ヤクザ社会の日常となりました

先ず熊谷組長の人柄について述べなければ理解できないと思うので簡単に
熊谷組長は内外の誰もが「クサい」と思うことを真摯に努めてます
自分自身にも厳しいです
礼儀、作法など堅気さんには絶対に怒らない人です
もしも堅気さんに裏切られるようなことがあったとしたら「己の徳が足りないのだ」と自身を叱責します
つまり映画そのままといえば分かりやすいでしょうか

勿論業界人同士ならば別ですが‥

映画に出てくる人物は皆、熊谷組長の周りの人間、それらの関係者で役者ではありません

完全なドキュメンタリーか?
厳密には違います
監督が「このようなシチュエーションではどんなやり取りをするのか?」
ということを聞かれて各々が判断し動いている所が撮影されてます
中には監督と揉めた組員もいて通訳の方が間で泣き出してしまったこともあり、そのsceneはカットされました

私はその場にいませんでしたが現場にいた近いものから聞いた話しです

若い衆の住居(常駐、当番が常時5~7名混在)が事務所近くにあるのですがその場を撮りたいと監督が言い出した時のこと
私より先輩の方の舎弟が、ある事件で留置場に居た時に若い衆仲間に宛てた手紙をネタにしたやり取りの時、皆は笑っていた(手紙はジョーク混じりの内容でワザとおどけてる)のを撮影したい
と正に撮影してる時に、手紙の主の兄貴分が「俺は入らない」と撮影拒否しました
監督はその兄舎弟の関係も知らずにどうか和やかに皆で笑っている所々を撮らして欲しいと通訳を介して兄貴分に言いましたが、その兄貴分は「俺の舎弟がパクられてるのにニコニコ笑っていられるか」と頑として拒否したそうです

そのことは熊谷組長にも伝えられ、その兄貴分は直ぐ呼び出されました
後から直接その兄貴分に聞いた内容は、そのまま熊谷組長に怒られるの覚悟で伝えたところ「その気持ちは大事だな、あの監督はそういう事が理解できないのだろう…むしろお前だけ隅でふてくされてる所でも撮ればいいのになあ」と言われたそうです

そういったことは他にもありながら撮影されました

ナオキは実際に半年ぐらいでいなくなりましたが、組には戻らなくていいという条件で後半また撮影されました
ここで組員と絡んでないのが肝心の部分ですね
組員からすれば見つけたら拳ひとつあげる者もいます
この映画で沢山のネットの書き込み見ましたが、そういう疑問は見られませんが、ヤクザ社会はそれが現実です

実在する組織や代紋が撮影されてますから日本では上映どころかDVDも発売されてません
まして「本物」ですから派手な撃ち合いなど暴力的なもんもありません

この映画は日本市場が最大のマーケットですが、それを無にしても撮りたかった監督(外国人)の気持ちを考えてみることですね
私にもそれは理解できませんがフランスで出会った熊谷組長の印象と現実のギャップなのではないかと思います

長々失礼いたしました


(2014.04.04 02:44:27)

Re:『Young Yakuza』 ~リモザンの新作は『ヤング・ヤクザ』(04/11)  
元young yakuza さん
追伸
懐かしさにyoung yakuza検索してたところ、このブログの側にあったニュースです

経緯が分かりやすく書かれてます

昨年山形で行われた映画祭を検索してみてください

監督自身が語ってるニュースです

山形、young yakuzaで出ます   (2014.04.04 03:20:19)

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