病気判明 長い長い１日
久しぶりに、お昼娘の歯みがきをしました。
すると、歯肉から血が出始めたのです。
ドロッとした血でした。
慌てて歯みがきをやめ、眠そうだったのでベットで休ませました。
１時間後、娘が目を覚ましたのでベットへ行くと、血がシーツにべっとりと付いているのです。
”おかしい。”
その時点では何か判らない不安のまま、先日連れて行った小児科に再び連れて行きました。
その医師はきちんと診ようとせず
「風邪です」
と言いました。
そんなはずはなく、食い下がろうとしたとき、娘が大泣きをしたのです。
その時に口の中が見えて、異常に気づいたようでした。
さっそく採血をして、後日結果を聞きに来て欲しいと言われました。
少し待っていると、突然医師に呼ばれ診察室へ。
「簡単に採血の結果を出し、詳しくは別の機関で結果を出してもらおうと思ったのですが、思わぬ結果が出ました。
実は、白血球の数値が振り切ってしまっていくつかわかりません。
おそらく、血液の病気でしょう。今から紹介状を書きますので、それと採血したものを持って市民病院へ行ってください。」
頭の中がパニックだった。
何がなんだかわからず、とにかくタクシーを呼んで市民病院へ向かった。
タクシーの中、
”なぜ娘が？どういうこと？血液の病気って何？”
そんなことばかりがグルグルと頭の中を回っていました。
外では、いつの間にか雨が降り出していました。
まるで、私の心を映し出したような激しい雨でした。
私は泣きじゃくりながら、娘を抱きしめていました。
タクシーの運転手さんが、
「大丈夫！きっとご先祖様が付いていてくださる。お祈りしなさい。そうすれば、きっとご先祖様が助けてくれるから。」
そう言って励ましてくれました。
市民病院に着き、入院手続きを済ませて娘は、病院の浴衣のようなものに着替えました。そして、再度詳しく血液の状態を見るため、再び採血しに処置室に入っていきました。
私は泣きながら、夫と実家に電話しました。
結果が出ると、医師は動揺しているようで、
「この病院では、お子さんの状態が悪すぎて処置が出来ません。今から、救急車で日赤に搬送します。一刻を争う状況なので急ぎます。」
救急車に乗ってからも、その医師は慌てながら
「お母さん、お子さんをぎゅっと抱きしめていてください。泣いたり、どこかにぶつけないように注意してください。血が止まらず、死んでしまうかも知れませんから。
運転手さん、急いでください。でも、あまり揺らさないようにお願いします。」
聞いている私でも、そんな運転無理でしょう。と思うことを運転手さんに要求してました。
病院に着いたときには、１９時を回っていました。
最初に救急室に行きました。
ドアを開け中に入るとそこには血の海が・・・。
それを背に椅子に腰掛けるよう、看護士に促され、小児科の看護士を待ちました。左の壁側にはカーテンで仕切ってありましたが、血の海の張本人がいたようでした。
医師なのか、
「頭がパックリと割れている」
と言うような声が聞こえてきました。
でも今は娘も一刻を争うとき。
なぜか普通なら怖いような状況なのですが、不思議と落ち着いていました。
看護士のお迎えがあり、病棟へ行くと、６人部屋の通路側にベットが用意されていました。
病棟では、改めて採血を行いました。
しばらくすると、夫と両親が病院に来てくれました。そして、医師からの説明がありました。
「病名は、急性リンパ性白血病です。
現在、白血球１０万６千、ヘモ４、血小板２千です。状況としては、良いとは言えません。今から、赤血と血小板の輸血をします。治療法は、明日お話します。」
風邪をひいている母に娘を抱っこしてもらい、看護士から病棟の案内を受け、訳も分からぬまま、１０時過ぎ、輸血が始まりました。
この病棟は、小児ガンの子供達しかいないところでした。
この時は当たり前なんだけど何も知らず、風邪の母に娘を見てもらっていました。
小児ガンと子供ばかりということは、免疫力の無い子供達ばかりだということ。
母の風邪が、空気感染で子供に移ればその子供はひょっとすると死の危険性も出てくるということ。
入院生活の長いお母さん達にしてみれば、母の存在は迷惑以外の何者でもなかったのです。
後になって、その事実を思い知ったのですが。。。
この輸血も、結果的に娘の血管が細すぎて、３時間くらいおきに詰まり、管を外さずをえなくなりました。
その度に泣く娘を押さえつけて点滴を指し直すということを繰り返しました。
そしてこれが、１０ヶ月の入院生活の始まりとなりました。
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