みりの巣

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『石作りの皇子』 竹取物語(かぐや姫)

『石作りの皇子(みこ)』

●竹取物語・作者未詳。

●成立年代:だいだい9世紀後半(800年代) ~ 10世紀初め(900年代)。

●現存する日本最古の物語。

●ジャンル:伝記物語
 ■伝記物語
竹取物語→落窪物語→宇津保物語

■歌物語
伊勢物語→大和物語→平仲物語

■伝記物語と歌物語が合わさって、源氏物語となる。


私がこの話を初めて知ったのはやっぱり絵本だったように思います。(^_^)

2004年度の教科書からのため、これもまた途中からになります。


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『石作りの皇子(みこ)』



なほ、この女見では、世にあるまじき心地のしければ、「天竺(てんちく)にあるものも、持て来ぬものかは」と思ひめぐらして、

{ やはり、この女性と結婚しないでは生きていられそうもない気持ちがしたので、『インドにあるものも、持ってこないことがあるだろうか。いや、必ず持ってくる。』とあれこれ思って、 }


石作りの皇子は、心の支度(したく)ある人にて、「天竺に二つとなき鉢を、百千万里のほど行きたりとも、いかで取るべき。」と思ひて、

{ 石作りの皇子は計算に長(た)けた(高い)人で、『インドに二つとない鉢を(たった一つしかない鉢を)百千万里はるかかなたへ行ったとしても、どうして手に入れることができようか、いやできない。』と思って、}


かぐや姫のもとには、「今日なむ、天竺へ、石の鉢取りにまかる。」

{ かぐや姫には「今日からインドへ石の鉢を取りに参ります。」 }


と聞かせて、三年ばかり、大和国十市(やまとのくにとをち)の郡(こほり)にある山寺に、賓頭廬(びんづる)の前なる鉢の、ひた黒に墨付きたるを取りて、錦(にしき)の袋に入れて、造り花の枝に付けて、かぐや姫の家に持て来て見せければ、

{ と聞き知らせて三年ほど経って、大和国十市の郡にある山寺に、賓頭廬(びんづる)尊者(仏像の名)の前にある鉢で、真っ黒に墨が付いた鉢を取ってきて錦の袋に入れて、造花の枝に付けて、かぐや姫の家に持ってきて見せたので、
 }



かぐや姫、あやしがりて見れば、鉢の中に文あり。
広げてみれば、

{ かぐや姫は不思議に思って見ると、鉢の中に手紙があった。
広げてみると、
 }




[和歌]
海山(うみやま)の
道に心を
つくし果て
ないしのはちの
涙流れき

{ [歌意]
仏の石の鉢を求めて、筑紫から天竺まで、海を越え山を越えて、
果てしのない旅の道に、
精魂も尽き果てて血の涙を流して泣いたことです。

掛詞・・・{つくし}:筑紫(福岡県にある地名)、尽くし(心を尽くす)。 {ないし}:無い(し)(果てない)、泣きし(泣いし/泣いた)。
{はちの涙}:鉢の涙、(は)血の涙。    }



かぐや姫、「光やある。」と見るに、蛍ばかりの光だになし。

{ かぐや姫は「光はあるのか。」と見ると、蛍ほどの光さえない。 }


[和歌]
置く露の
光をだにも
宿さまし
をぐら山にて
何もとめけむ

{ [歌意]
これが仏の石の鉢だと言うなら、
せめて露ほどの光でも宿していてほしいものです。
あなたは小倉山で何を探していらしたのですか。
 }



とて、返し出(い)だす。
鉢を門(かど)に捨てて、この歌の返しをす。

{ という和歌を詠んで鉢を家の外にいる石作りの皇子に返した。
皇子は、鉢を門のところに捨て、この和歌の返歌をした。 }



[和歌]
白山に
あへば光の
失(う)するかと
はちを捨てても
頼まるるかな

{ [歌意]
白山のように輝くあなたの前では、
仏の石の鉢も光が失せてしまったかと、鉢を捨てましたが、
しかしなお、恥を捨ててでもあなたのお情けにすがりたい思いです。 }



と詠みて入れたり。
かぐや姫、返しもせずなりぬ。
耳にも聞き入れざりければ、言ひわづらひて帰りぬ。

{ と詠んで家の中のかぐや姫に入れた。
かぐや姫は返歌もしなかった。
かぐや姫が耳も貸さなかったので、皇子は何とも言いようがなくて(言うのに困って、苦労して)帰った。 }



かの鉢を捨ててまた言ひ寄りけるよりぞ面(おも)なきことをば、「はぢを捨つ」 とは言ひける。

{ あの、鉢を捨ててまた言い寄ったことから、あつかましいことを「はちを捨てる」と言った。 }







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