雨のちハンターだまり♪

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序章~王立騎士団~



人はその流れを、時間と呼ぶが

我らには関係のない事だ。

時間は飽きるほどある、

生きるも死ぬも、全ては我らの思いのままに”

(王立図書館内、禁書棚第六列目”飛竜”より抜粋)

---------------prologue. ”王立騎士団”


ここは王立騎士団作戦準備室。
そして、一番奥に座っている彼の名はミズキという。

若干14歳、その年で騎士団に編入されるのもまれだが
更に大佐まで上り詰めたという強者である。
しかし、このことから安易に想像できるように
彼の周りの視線は、決して憧れだけではなかった。

---度重なる昇格に対する、上層部からの妬み。
そこから来る不安感は、想像を絶するものである。
”いつ追い出されるか判らない”ではなく
”いつ殺されるか判らない”という恐怖。
そしてその恐怖は、いつもねちっこく彼をつきまとった。

そんなある日、久々の指令が降りた。
”火山地帯に現れた、黒いグラビモスの討伐”
依頼主は、その地区の大貴族。

そういう依頼書だった、だが。
(こんな名前の貴族は、いないはずだ)
そして、不安は一気に現実となる。

ガチャとドアが開いて、上品な紫色の服を着た男が現れた。
その男は、ミズキの姿を見るとこう告げた。

「我らの偉大なる王よりの率兵許可証だ。読むがいい」
そういうなり、男は羊皮紙をおいて出て行った。

「ゾシモスさん・・・・・・」
ゾシモスは、ミズキをねたむ者の一人だった。
いささかの不安を抱きつつ、羊皮紙を見る。と。
こう書いてあった。



王国騎士団率兵認識状

以下の者に、当作戦においての率兵を許可する。

・ミズキ ルテン
率兵認定人数”50名”

作戦代表 ゾシモス・ワーデン

以上。



50人か------。
やはり、無理難題を押しつけてきた。
この”50人”を聞いて、ハンター達なら
「楽勝だ!!」
と唱えるだろうが、騎士達には飛竜に対しての知識がない。
ならば数で勝つのが妥当だが、とても十分といえる人数ではなかった。

(今回ばかりは・・・・キツイか・・・。)
こうなれば、己の頭を使うほか無い。
ミズキは、考えた。
しかし、やはり彼にも飛竜の知識がない。
・・・・やるしかないか。

ふと、ミズキの肩に手を置く者がいた。
「俺たちでやれば、大丈夫だ。だろ?」
「エドガーさん・・・、そうです……よね」   (→詳細、キャラ紹介”エドガー”)
「だろう?今までだって、なんとかなった」

この人と話していると、不思議と冷静になれた。
「さて、どうするんだ?大佐殿ッ!」
「あはは。からかわないでくださいよ」
彼の顔に、すくなからずの笑顔が戻った。

そして、戦いは始まる。

序章”飛竜の力”へ続く・・・・。


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