”名も知れぬ人たちへ”【承17】

・・・奇跡を,我が妻に・・・

とにかく,妻に奇跡を起こしたかった。それには,気持ちがやはり重要と思った。
でも何をやったらいいのか?

そんなとき,妻から
「おと吉,タバコやめたら?体に悪いから」と。
こんなときでも私の体を思ってくれている。

「んーん,そうだなあー,どうしようか?」と,一度前に止めたけど復活してしまったからな。
「よし,やったろーか,今日からタバコやめよう」
"本当にやめよう"という私の硬い意志がお母さんの病気になんらかの影響を与えることができるなら文句はない。

酒の付き合いとタバコをスパーとやめた。
その分を妻の薬代に当てよう。
私の"こづかい"は,殆んどない状態とになったが,なにも苦にならなかった。

とにかく,妻を思う気持ちをなんらかの形にしたかった。さらにもっとあるはずだと考えていたがこの時点ではこれが精一杯だった。

・・・付属病院への入院・・・

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