”名も知れぬ人たちへ”・【転20】

・・・悩みは尽きないな・・・

3回目の抗がん剤の投与。
今回は,付属病院の新設科で抗がん剤の投与が一日で可能となった。
いつもは一泊二日だったが・・・。
これはすごーく私にとっても妻にとっても良いこと。
私は休暇を一日で良いことになるし,妻はすぐに我が家に帰ることが
できる。
しかし,妻は大変だ。朝早くきて夕方の4時まで点滴を受ける。
つらいよなー。

このときはまだ,料理はできていた。
もちろん娘も手伝いながら・・・。

いつも抗がん剤の副作用がきつくなるのが,大体1週間後だった。
熱が8度5分くらいまで上がる。
これは,白血球が減少しているせいだとのこと。
私は何回かこの副作用について経験したので前もって会社へ休暇を
申し入れている。

熱が下がらないため,病院へ連れていく。
妻はこの高熱でドンドン体力を消耗していく。もちろんご飯もあまり食べれない。
これが抗がん剤の怖いところだ,さらに下痢と便秘を繰り返す。
痩せている・・・さらに痩せる。

即日入院が決定した・・・白血球が1000と通常の5分の1から6分の1だそうだ。
当然免疫力も衰えている。
妻はまた入院か,と言いたそうだった。

がん患者は病院の入退院を繰り返す,痩せるというのはこう言うことだったのか。
と,あらためてそう思った。

先生は,今回すごーく強い抗がん剤を投与したと言った。それだけ妻の癌細胞は
強い。若いというのもあるが・・・体力に限界を感じる。

・・・妻よ,もうこれ以上?・・・
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