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2002年の東邦チ
スポンジチタンの需要は旅客機発注の取消しの影響は軽微と見る。新規事業の
コンデンサ向けニッケルは、立ち上げ時のトラブルが解決したと思ったところへ、
いわゆる「ITバブルの崩壊」のあおりで売上げ急降下。但し、これは一時的な
もので、今後も同ニッケル市場は増勢は続く。子会社に分離した事業も安定的な
推移を期待して良い。チタンの需要は、幅広いものである。例えば、チタン基材に
貴金属をコーティングしたものは、水道水の殺菌用に用いられ、自動販売機や
病院で使われている。またアルカリイオン水の生成装置のも使われているので
同装置の伸びも貢献する。もちろん、プールや循環風呂にも。常に頭にいれて
おきたいのは「水素」の関わりである。これが大材料に繋がっていくはずだ。
懸念材料は二つ。
一つは「東海沖大地震」、工場は本社工場の1ケ所。当然、その影響は経営の
視野に入っていようが、甚大な影響は避けられない。
もう一つは、親会社の
経営統合である。こちらは、日鉱金属が保有株数を減らしており、三井物産の
影響が大きくなりつつあるのかもしれない。楽観で良いのではないだろうか。
いずれにしても、世界唯一と言っていいほどの専業メーカーである。
4月4日
現在、まさに火薬庫に火が入ろうとしている中近東だが、今年度に予定されて
いる大型淡水化プラントの商談は十指に迫る。これほどの緊迫である、治まれば
長期平和へと繋がるように思える。昔程、チタンが使われなくなっているが、
商談の規模が大きいだけに、全てが良い方向に進めば、当然ながら、チタン業界
への寄与は大きい。
4月7日
火薬庫への着火は避けられそうな雰囲気も出て来たが、この会社には、良い
数字が米国で出ている。航空機・部品の受注額が40%強も伸びたのである。
当然、スポンジチタンの市況は締まって来る。昨今は、長期安定供給を各社、
心掛けているので、昔程のブレはないと言いたいところであるが、今、更新期を
迎えているはずで、昔のような思惑がありえる。動き出せば、グループ再編の
心理的足枷もプラスに効いてくる可能性もある。トップシェアは先頃、再上場
した住友シチックスだが、2分すると言った方が正しい。
4月21日
エアバスのボーイング攻略が進んでいるようだ。来日している同社CEOは
かなり、具体的に次世代機の下請け先の交渉を行っているようだ。話題が、航空機に
向いてくれば、住友チタニウムとの乖離が縮小するきっかけになるかもしれない。
昨年秋の事件の後遺症は、既にないと考えてよいだろう。キャンセルを上回る受注が
あった。ボーイングとの商戦も激化。安定供給体制確立で価格のブレが少なくなった
ところだが、スポットには大きな動きが出て、株価だけが大きく刺激される可能性は
残る。
4月22日
大同特殊鋼が、チタンやチタン合金を溶接する際に使用して、溶接効率を向上させる
「G-coat」を開発した。優れた溶接作業性、溶接継手性能を示しており、既に、国内の
自動車メーカー等でチタン製部品溶接工程への試用されているという。自動車のチタン
使用量が増えるかもしれない。
4月25日
新日鉄が、これまでは米国に運んでリサイクルしていたが、チタンスクラップ処理を、
国内に移した。関係の深い東邦チタニウムのEB炉を利用することでコスト削減を
図るとしている。当然、東邦チタニウムのEB炉の稼働率が上昇する。つまり、東邦
チタニウムにとっても、コスト削減に繋がる。実は、それ以上に、現在出荷が急増
しているから、さらに美味しい話である。
4月26日
神戸製鋼所のチタン事業の売上が186億円と過去最高に達したと言う。2002年度は
航空機向けの需要を慎重に見ているようだが、チタン事業そのものは,バブル崩壊以降も
年率4%を超える勢いで生産量が拡大。同社は、今後も、安定拡大が続くと推測している。
神鋼の純チタン材、チタン合金の生産量は4500トン前後で、国内シェア30%超え、
世界シェアでも10%に迫る。
さらに、シチズン時計は、専用容器に入れて洗濯機で普通に洗える、チタン製の腕時計を
ファミマの通販で販売する。バンドを固定するピンに形状記憶合金を用いて保持力を安定
させることで、洗濯機で洗えるのだそうだ。腕時計を洗うニーズの高い医療・福祉関係者
向けが、開発意図。価格は3万5千円。ますます、拡がるチタンの需要。
5月3日
国 内のチタン展伸材メーカーは、4月からユーザーに対し5?10%の値上げを通達し、
実施状況も良好のようだ。スポンジチタンメーカーには朗報だ。現在、スポンジチタン
及びチタンインゴットの需給は、かなり逼迫しており、従来なら、かなりの仮需が発生
する状況と見る。安定供給時代に入り、需要家にあせりはないものの、メーカーの値上げ
要求は飲まざるえないだろう。概ね10%弱の値上げは確実だろう。
5月13日
スポンジチタンの需給は極めて緊張しているが、価格上昇へは、チタンの用途拡大が
必要だろう。不幸なことに、医療用の需要が順調に伸びている。患者には朗報なのだが
患者が増えるのは、いいことではない。生体との相性が良いので、当分は、増勢が崩れる
ことはないだろう。航空機より、この手の記事に反応するかも知れない。
5月20日
NHKラジオでチタン鍍金の話をしている。めっきが出来ると、とてもいいのだが、
理論的に不可能だと。もっとも、「水」を使っての話で、雰囲気中では出来るはず。
5月24日
ロイターによると、前期連結一株益は20円、今期は35円に。売上は微増。
単独は、売上微減を見込む。配当は据え置き。
6月7日
化学工業日報 によると、生産拡大に踏み切る。スポンジチタンではバッチ設備を大型化。
インゴットについては、溶解炉の処理能力を増強。今年度は、まずスポンジチタンの製造
能力を7%引き上げる。向こう3年で20億円に及ぶ拡大投資を実施する見込み。
6月9日
日本工業によれば、スポンジチタンを今年末までに現行比で約7%増強するとともに、
15トン級の大型チタンインゴットも約35%引き上げる。チタン展伸材は自動車などにも
使われ始めている。今後も需要の伸びが見込まれ、現状設備では対応できないと判断
した。同時に生産性の効率化も図り、コストダウンも進める。スポンジチタン生産では、
前工程の四塩化チタン工程における塩化炉の設備能力を現状の月産3000トンから
近く同5000トンに増強する。また還元分離工程ではバッチ(還元分離炉)サイズを拡大
する。8トンサイズ11基、4トンサイズ9基のバッチのうち4サイズ3基を今年末までに
8トンサイズに変更し、月産1023トンのスポンジチタン生産を同1096トンに拡大する。
残る4トンサイズバッチ6基についても半分を8トンサイズに拡大し、最終的には
スポンジチタンの生産量を現行比14.3%増の同1169トンまで引き上げる。一方、インゴット
も年内をめどに能力を拡大する。大型VAR(消耗式アーク溶解炉)の生産能力を
同416トンから445トンに引き上げるとともに、EB(電子ビーム溶解炉)も同100トンから
250トンにする。この結果、インゴット生産量は現状の月産516トンから695トンになる。
7月29日
ボーイングは、今後20年間の新規民間機需要を、24000機と見込んでいる。
8月26日
今の円高水準は折り込んだと思う。今年は、日本チタン協会が誕生して50年になる。
記念事業として、 きゅりあん(品川区立総合区民会館) で11月18 日、記念大会を
行う。テーマは、「 揺籃期から成長期へ」と頼もしい。チタンのスプーンは、乳幼児に
最適なのだそうだ。さて、株価も、「 揺籃期から成長期へ」となりますかどうか。
9月15日
大幅、減額修正となった。翌日公表された、住友チタニウムに比べれば下げのインパクトは
小さかったようだ。あちらは、先週末ストップ安、売り気配で終わった。需給は、あまり
心配はいらないと思うが、これ以上の円高は、減配につながるだろう。
9月19日
驚きですね。なにごとがあったのでしょう、なんて藻緯羅が書いていてはまずいですね。ただ
、最初にストップ高を付けたのは、僅か1000株、そこからですね、商いが出来たのは。しかし、
買いが入ってくるわけでなく、売り板が消えて行く格好。材料らしいものは見当たらないが、
強いてこじつければ「反水素原子」大量生産法を発見のニュースかな。まだ、詳しくは知らないの
だが、事実であれば面白いことに繋がる可能性を感じないわけでない。その場合、当然、住友も
うごくはずだが、東芝タンガロイのケースと同様のことがあるのかもしれない。それとも、いささか
旧聞だが、チタン系触媒に絡むものかな。
10月18日
どうも、最近、動きが怪しいと思ったら、新しい形状記憶合金が東北大で開発され来月の学会で
発表されるようだ。人体への悪影響が、ほとんどない模様。従来から、人体に影響のないチタン合金
は開発されていたが、形状記憶タイプは初めてかもしれない。医学等への幅広い応用が期待出来る。
さて、パートナーは、どちらだろう。値動きからも、関係からも、こっちのような気がするが。
10月20日
しかし、弱い材料もあった。超鉄鋼ねじが出来たとか。もっとも、話としては旧聞なのかもしれない。
ケイタイ等の用途があった、チタンねじを代替することになるようだ。超鉄鋼は脆くて、チタンより
加工が難しいらしい。
10月22日
今日の、日足を見ると、実に興味深い。手が入っていなければ、こんな風な足にはならないと思う。
残念ながら、イラク絡みで無理に仕掛けるということ以外に、これといって具体的には思い当たらない。
上記の材料も、インパクトは弱いはずだ。エネルギーに絡んだ材料でも具体的に出てこないと、材料的
には難しい。いずれにしても、「地震」以外に、決定的な悪材料があるとは思えない。行くとしたら
上だろう。とにかく、何かある。
10月23日
生産体制を、これまでのフル操業から、大幅減産体制に以降。来年以降の増産のメドも立たない模様。
数量は長期安定化策が効いてくるだろうから、極端には落ち込まないが、それでも価格交渉は厳しい
だろう。為替次第で、赤字転落もありうる。ただ、新規需要が立ち上がって、補う可能性も残る。
10月24日
中間決算は、ほぼ予定線。しかし、株価は水準的には折り込んでいない可能性が高い。前年比、売上
22%減、営業利益66%減、経常利益、63%減、 利益は75%減、もちろん無配だ。下期は、さらに
悪化すると見ているようだが、配当は維持する模様。下期の為替は115円を見込んでいるから、円高に
よる減額修正は考えなくて良さそうだ。
10月30日
金属鉱業事業団が、国際協力事業団の委託を受けて実施していた探鉱で、世界的規模のチタン鉱床地帯で
あるカザフスタンで、イルメナイト漂砂鉱床を発見した模様。今回、見つけたものは従来に比べて、 浅い
部分にあり、経済性に優れるという。カザフスタンは、同鉱床の開発に、日本企業の参画を望んでいるとの
こと。従来、この株は、淡水化プラントに絡んで中東資本にさらされることが多かったが、今度は、赤い
資本にさらされているのかもしれない。それで、従来とは、ひと味、違った動きなのかもしれない。
11月18日
ライバル住友チタニウムはギリギリの70%操業に追い込まれているようだ。これは、採算ギリギリ
ラインというのが藻緯羅の判断。為替相場が大きく収益に影響する。115円を切って来るときつい。
12月27日
円高は厳しいが、年明けからチタン製品の国際規格への取組みが本格化する。幹事国は、今や、世界の
技術をリードする日本。国際的な民生利用に貢献するものと思われ、輸出の増大につながるだろう。
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