マルスの遺言

マルスの遺言

ページⅡ(三行目)



アンゴルモアとは何か?それは本にも書かれているが、”アンゴルモア”とは”ジャックリー”のことである。ジャックとは中世フランスの農民の意味で、ジャックリーとは彼らが起こした一三五八年の百姓一揆のことである。この百姓一揆はすさまじく、飢饉やペストや荒廃が広まったために起こったもので、フランス西部の農民のほとんど全部が加わり、一時はパリの王宮を取り囲んだ。と、ここで9.11を振り返ってみてもらいたい。アンゴルモア、イコールジャックリー。虐げられた人々という意味だ。その虐げられた人々が、貴族イコール特権階級である裕福な人々、国に対して暴動を起こす。つまり百姓一揆の意味だ。まさに経済的に虐げられた第三国の”百姓一揆””反抗”が復活したわけで、9.11は、虐げられた人々の抵抗の暴力だったわけだ。

いったい誰が中東の人々が虐げられてはいないと言い切れるだろうか?観光に行ってみただけで分かるだろう。そこがどんなに貧しいか、まあハッキリ言うと汚いか、人々がどんなに金を恵んでもらおうと観光客に群がるか。いったい誰が中東は貧しくないなんて言えるだろう。それはアジアもアフリカも南米もヨーロッパのわずかの国もそうである。歴然と、この世に資本主義社会を始め、植民地政策を進めて富を得てきた西洋社会との壁は存在する。彼らの努力が足りないからだ?なにも知らないでそんなことは言えないはずだ。富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる。それが資本主義社会の常識であることは誰しも知っているだろう。人はお互いの特色を認め、尊重し、お互いの立場を思いやって生きなければこれからの未来はない。

話がそれたが先に進めよう。つまり、百姓一揆のような具体的な暴力もそうだが、虐げられた人々の抵抗の意志、その”概念”が復活することも示しているのだ。今まさに世界の大いなる二分化、二極化が起こり始めている!持つ者と持たざる者。先進国と発展途上国。発展途上国という言い方で、それは片が付いたように思いこんでいるが何も変わってはいないはずだ。これは未だにというより、今まさに大きな社会問題である。しかもソ連が消え、アメリカの一人勝ちでその上武力で制圧する体制になった以上。。。

更に話を戻す、しかもその一揆はパリの貴族の足下まで及んだのである。それはアメリカの本土が、一度もアタックされなかった本土が奇襲に遇ったことと似通っているではないか。しかもアメリカの大都市ニューヨークが!まさに彼らの懐、世界のビジネスの中心地が!ジャックリーほどの百姓一揆は当時でもなかなかなかったはずだ。ノストラダムスはフランス人である、だからこの歴史的事実を引用したのであろうが、なんとピタリと見事に当てはまる引用だろう。

彼は、少しは特権階級的立場で物を書いた所があると思う。特にこの詩以降の世界の出来事についてフランス人に、その子孫である西洋人に対して話しかけるように書いているのだと思う。それはアメリカ人を西洋の正当な子孫とし、それ以外の他民族を当時の他民族に例え、小さな野蛮人、怪物とでもいうような差別的な表現をしていることで分かるように思う。まあ彼の記述にあるような無法民族であればそこまで言われてもそれも仕方ないと思うが。。。


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