マルスの遺言

マルスの遺言

ページⅧ(地球の資源)



今、エネルギー問題を真剣に考える時期に来ている。化石燃料は資源として限りが見えてきている。しかし世界がそれの奪い合いで戦争になる姿など見たくもない。

では次世代エネルギー源をどうすればよいか。
原子力は有害というか(事実有害)危険すぎる。水力、火力発電はそれのみでは電力供給の限界があり、ダム等の建設で自然破壊につながる。その他、風力、太陽熱とあり、自然には優しいがコストがかかる上に、同じく供給源としてはカバーできる能力が限られてくる。

かつて、常温のまま有害な核分裂でなく核融合を行えば、核分裂と同等レベル?のエネルギーが得られるという「常温核融合」というのが話題になった。私はきっと未来を明るく切り開くのはこの核融合だと思っていた。安全で、ゆくゆくは家庭に一台置けるくらいコンパクトで、個人が太陽くらいパワフルなエネルギー源を自ら得られると。
それがどうだろう、それ以来世界各国の研究所で研究開発の努力は続けられているが、未だに実用化の可能性どころか、実験に成功したと報じられたかつてのニュースも今となっては信憑性にとぼしい。もちろん世界を救済するエネルギー源の開発は必要だが、個人がそれほどのエネルギー源を抱えることなど必要もないことだったのだが。

では次になにが来るのか?私はある研究所で「燃料電池」なる物を拝見したとき、それほど期待してはいなかった。というのは、その頃私が考えていたのは、自然に対して100パーセント汚染物質の出ないパーフェクトなエネルギー供給システムだった。
当然、自然のエネルギーをそのまま利用しない限り、エネルギーを発生する作用自体が不自然な行為なので突き詰めて言えばどうしても有害物質や、熱エネルギーは発生してしまう(石油もガソリン、軽油、重油などに精製する、その段階で発生およびガソリン、重油等それ自体が有害物質)。そういう意味で「燃料電池」も例外ではなかったように記憶している。ただその比率が、現状の物と比べれば限りなく無に近いと言えるだろう。なにしろ「水」を分解して水素と酸素にし、更にそれを水に戻すのだから。(念のため言っておくが燃料電池は石油会社等でも開発研究が進められている)
最近改良化が進みかなりコンパクトになってコストも軽減しているらしい。将来は家庭に一台燃料電池、各家庭でそれぞれの電力供給はそれぞれが責任を負う時代になってくるかもしれない。

石油エネルギーに変わる安全、確実なエネルギー源の開発はなぜ今不可欠なのかは言うまでもないだろう。資本主義社会の基盤は?金本位制だから金?いや、現代の資本主義社会の基盤となっている物は実質は、エネルギーだと私は思う。

一刻も早く石油エネルギーのみに頼ることを止めなければいけない。のではないか?




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