マルスの遺言

マルスの遺言

バカの壁を今頃読んだ! 1.アメリカ



私も若いころは真実を求めて旅をした。旅をしたし、いろいろ読みあさって体験もした。今でもそれはあまり変わらない。

しかし、アメリカのニューエイジ、旅をしたヒッピージェネレーションが私と同じようなことをし、そうしてきたように、私自身が彼らと同じことを繰り返しても真実は見つけることができない。どこにも見当たらない。

そしてアメリカのその世代が精神面で行き着いた先は・・・「地獄の黙示録」だったのだと思う。

真実などない。だが、真実を見つけようとした若者の体験の軌跡そのものが真実だったのだ。それは悲しくもあり楽しくもあり、汚くもあり美しくもあり、混沌として不条理であり、一元論では割り切れないものだった。

そこでアメリカという若者は無力感を感じ、同時に力を感じた。生の喜びを性的に感じ取った。
ナルシスティックな、危険な力を感じた。その現実にはない、超自然的な力を信じてしまった。

自分こそ、自分たちこそが神だと、勘違いして、この混乱と不条理に対抗しようとした。

そのチャイルディッシュな悪夢が今も続いている。




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