マルスの遺言

マルスの遺言

友を失ったときのナポレオンの言葉



過去とは何か?


なんという魔法のような流動体がわれわれを取り囲み、

われわれが知らなければならなぬ最も大切な物どもを

われわれに隠していることだろう?


われわれはすばらしい物のただ中を過ぎてゆき、

生きてゆき、

死んでゆくのだ。



市民ボナパルト ジョセフィーヌへ






時間はドラマである。

折り重なる時間がなければ、物事は不動で、ただ存在するのみ。
いや物事が不動なら、その存在さえも確認するすべを失うだろう。

感情の変化(時間)と共にドラマは成るのである。



「われわれが知らなければならなぬ最も大切な物ども」とは?
それは、笑ってしまうかもしれないが神の意志とでも言おうか、普段大いなる流れの下に流れる本流として隠されている真意、真実とでも言おうか、そういうものだと思う。

もちろんこれが、友人が亡くなった時のナポレオンの言葉だとしても、可愛がっていた花が枯れてしまったり、それこそ友人が死んでしまったりしても、何かこれには意味があるのではないか?私のせいではないか?と勘ぐる必要はない。
あるいは常にシンクロニシティ(偶然の一致)に気を配れという意味でもない。それもまた有益だが・・・。

そうではなくて、人は日々の細かい事に気をとられ自らの人生を消耗しがちになる。簡単に言えば、もっと大らかに生きよう、自分自身を見失わないようにしようという意味であると思う。
そして何よりも、われわれは世界の人間のうちの一人(ONE)であり、全ての人々と大いなる流れの中で一体なのだということではないだろうか?それが我々がただ中を過ぎていく「このすばらしい物」なのだ。

いきている以上、それをこそ忘れたくは無い。




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