マルスの遺言

マルスの遺言

原爆被害者のこと



彼らは一瞬にして自由を奪われた。なんて言い方はありきたりで伝わってこないなぁ。
彼らは人生の「選択」を奪われたのだ。
つまり、人間であることを否定されてしまった。

自分自身による選択のない人生など「人間の人生とはいえない」
それがいやおうなく行われるのが戦争だ。戦時下だ。

彼らが奪われた「自由」は限りなく大きい。最後に出てきたアメリカ人よりも大きい。・・・大きく奪われた。

彼が「リメンバー・パール・ハーバー」を持ち出して断固として譲らなかったものはそんなに価値あるものだろうか?

久しぶりに屈辱を感じた。

私は、どちらかというと歳のいった戦争体験者の親に育てられた。
だから「日本は敗戦国である」という意識はそこそこ強く持っている。
今の若者たちはそれさえも知らないのだ。その屈辱の感覚さえ失っているのでは?

確かに日本だって立派なことはいえない。しかし、アメリカの落としたものは「無差別!大量破壊兵器」なのだ。パール・ハーバーで日本軍は民間人を狙ったわけではない。基地や兵器を狙っているはずだ。亡くなったアメリカの方も大方は軍人あるいは軍部に関係する人たちであると思う。それとこれとを一緒くたにすることにこそ、彼らの人間性を見失っている姿が浮き彫りにされる。まさに彼らの考え方こそ「戦争のせい」!なのだ。?

愚かだと笑ってやればいい。彼はきっと、家に帰って孤独で涙を流すだろう。必ず、人間のした事や考え方は、本人に返ってくる。いいことも悪いことも。本人が気づかなくとも。私はそれを何人かが経験したことを知っている。

このように、戦争の悲惨と、核の悲惨を伝えていくことは大切だ。
何よりも大切だ。今まさに、先ずそれが必要とされていることを悟った。説教や、仏教の真理でも、世界平和のための話し合いでもなく、ましてやテロ対策でもなく!今まさに、世界に必要なことは”それ”なのだ。

課のアメリカ人のように、われわれ日本人を人間としてみていない人物には死んでも理解できないものだろう。それとも彼は何かを守るためにかたくなに謝ろうとしなかったのか?確信を持って自分のしてきた過去のことを正当化するため?

このような「バカの壁」に立ちふさがれた状況にはどうにもならないもどかしさや悔しさを感じざるを得ない。
これこそまさに「人間の運命とは、レイプされて気持ちいいと思うかそうでないか、どちらかを選ぶ選択肢くらいしかない」
この場合、レイプされても「ああ、気持ちよかった」じゃないが、仕方ないとか起こったことは取り消せないと、突きつけられる事実に対して気持ちで人生を選んでいくしかないのだろうか?
気持ちで明日を明るく生きていくしか人間は人生での選択肢を与えられていないのだろうか?

未だに日本人は戦争をひきずっている。
NHKを見ればそれが分かる。
老人たちが見るものは、戦時中の苦しみや悲惨さをテーマにした報道番組ばかりだ。
暗い音楽と、死んだようなナレーションで構成された体験談をつづった画面に老人たちは涙を流し、怒りをぶつける。

彼らの青春は奪われたのだ!
未だに、戦争は続いている。
彼らは戦争でアメリカ人、日本人、ソ連人、その他大勢の戦争に関わった人間に青春を奪われたあげく、年老いた今も、娯楽といえば失われた青春の時代に起こった戦争でしかないのだ。
その苦しみや悲しみを分かち合うことを娯楽としてしまっている。

おかしな矛盾ではないか?
しかし我々も過去のことではなく、今まさに私たちがその立場にあることを思えば、人事には思えなくなるだろう。

番組「ヒロシマ」の案内役の綾瀬さん?広島出身の彼女の美しさ。
彼女の美しさが、広島の悲惨さと対比されて、ますます平和への思いが強く感じられた。

ヒロシマ・・・
アメリカの日系3世だったかの作ったロックバンドがあった。
有名な曲があった。美しい声で琴の調べにのせて歌ったあの曲を思い出す。

リメンバー・ヒロシマ











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