もるぺぽ

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夏・・・虫との斗い

<斗う 主婦>


~~~その周辺~~~



名古屋に住んでいた時には 家の中に出てイヤンな虫BEST3といえば
   ゴキ氏 ガ姐 クモ君
この御三家で、中でクモなんぞは見慣れたせいもあり
大して嫌悪感を抱きもしなかったというのが正直な所である。
ゴキ氏も年に1~2度見る程度で ホウ酸団子に感謝感激ヒデキ感激だったし
ガも人格が変わるほど狼狽えるような大物は滅多に出会わないので
そんなに虫に対して敏感にはならなかった。

結婚して最初に住んだアパートも 回転率が良いためか
住みつくゴキ氏もおらず、加えて街中にあったため 蚊も出ない
大変ありがたい部屋であった。

それが
山に移住し、引っ越したその日に見た夢のマイホームは
虫の死骸がてんこもり。
床のあちこちに丸くなって干からびた節足動物なオヒトが。
そして丸まらないダンゴムシ。
何?これわ!
アンタ達 何なの一体!!!


一年目


足がたくさんあるといえば ムカデと短絡的に思っていたが
そりゃあ 子どもの発想である。
我が家で大量死していた彼らは ヤスデという虫であった。
そして 丸まらないダンゴムシの名はワラジムシ。
住み始めて最初の年はこのヤスデに悩まされた。

我が家の壁はほぼ珪藻土である。
真っ白な壁なのだが、そこに雨の翌日には どこから忍び込むのか
2~3cmのヤスデ達が這っている。
それをティッシュでつまんで始末するのだが、一匹消してもまた一匹と
さながら ゲームウォッチのコマのように出現するのである。
パックマンのモンスターのように。
オクトパスのタコアシのように。   しかし古いで、喩えが
だが、気楽に構えていた。
だってヤスデは悪さをしない。ただ壁を這っているだけである。
捕まえては処分 つまんではポイを繰り返し、一年が過ぎた。


二年目


築後数年はこのヤスデに悩むものと害虫相談サイトで見てから
そのアドバイスにあった「そのうちいなくなりますのでご安心を」を
長良川の鵜のように丸呑みし、安心していた所
出ました。
今年の主役は ワラジムシ!
これがまた、どこから入るのか 気付くと壁を上っているのだ。
何しとんじゃ!ヒトんちにィイ!
ティッシュ片手に成敗を繰り返す。
だが ヤスデを見ることはほぼ無くなった。
  今年。今年このワラジムシに勝ったら平和な日々が待っている!
そう信じて過ごした夏の日々。
だが その夏…つまり去年の夏はもう一つ頻繁に侵入してきたものがあった。
それが クモ。
気が付くと部屋の隅に巣を張っている。
そこにも あそこにも。
だが クモは見知った知人のようなレベルだ。
あまつさえゴキを食べてくれると 死んだ母も言っていた。
だから 見逃していた。
否、退治する気がなかったのかもしれない。
折しも私は当時産婦で 動きたがらない生き物。新生児を抱え昼夜問わずの日々。
どこに掃除機をかける余裕があろう。
そして その荒れ放題の我が家にある日突然脅威が出現するのである。



本当の…


あれは夏の夜だった。
こっぷとウキを寝かしつけ、だんなさまの帰宅を待つ
ひとときの解放区。
普段なら泣き声が聞こえない限り 寝室に近づくことはない私が
何となく階段を下り、寝室に向かった時 そこにいたのが
ムカデ。
階段を下りた正面の壁に
まるでそんな模様のように
ちょっとシナって ボンジョルノ。
怯んだ。
怯んだけれども 私は判断した。
     ティッシュは止めとこう。
この時、私はムカデの何たるかを知らないでいたのだが
素手はまずいと感じたのだ。本能である。ソウルで感じたのである。
そして50ワットの明かりに照らされ、微動するムカデに向かって
フローリングワイパーを取り出したのであった。
これで潰そう。
そう思うも 浅はかなもる考えである。
ムカデはそれしきでは潰れないのだ。
憔悴した私はワイパーの下にムカデを保存したまま二階へ走った。
そして手にしたのは
    ガムテープ。
これで一網打尽(網じゃないけど)と目論んで藤田まことのように
両端を持ち、 構える
そして 一気に!!!

     ペタ。

こうして死闘に終止符が打たれたのだが
本当の戦いは この日ここから始まったのであった。


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