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「出津集落は斜面を切り開いた集落だから、こうした石積みがあちらこちらで見ることができると思うね」
上手に積まれているね。
「世界遺産に登録されてからというもの、観光客がたくさんこの出津にもやってきているそうだけど、ここには生活している人もたくさんいるから静かに見学しないといけないと思うね」
なるほど。
「見せてもらっているという感謝の気持ちを持って見学しないといけないと思うね」
そうだね。感謝の気持ちね!

これ、崖?
「隠れキリシタンの人たちが故郷を追われてやってきた場所は、水はけも悪くてお米もろくに作れないような土地ばかりだったそうね」
どうして?
「平らで畑や田んぼを作れるような土地にはすでに人が住んでいて、ひっそりと暮らす隠れキリシタンの人たちは人目に付かない岩場や森の中、こういった斜面に住むしか場所がなかったんだそうね」
そういうことか・・・。
「でも、毎日キリスト教を信仰して、貧しくとも信仰を大切にしていた隠れキリシタンを救ったすごい人が現れたんだそうね」
え!?そうなの!?

「そのお方はこのド・ロ神父というフランス人宣教師ね!」
ド・ロ神父。
この人が隠れキリシタンを救ったの?
「そうね。しかもド・ロ神父は、この出津のみなさんからはいまだに“ド・ロ様”と呼ばれて神様のようにあがめられているんだそうね」
そうなんだ。
そんなにすごい人だったんだね。
でもすごいって、何がどうすごいの?

「フランス人宣教師であるド・ロ神父は、ものすごくキリスト教への信仰が厚い人たちが多い出津にやってきて驚いたことがあったそうね」
それはなんでしょうか?
「貧しさね」
貧しさ?
「一生懸命信仰しているのに、食べるものもろくになく、とにかく貧しい生活をしている出津の人々を見て、まずは生活を変えることが必要だと思ったそうね」
確かに。
食べられなきゃ人は生きていけないもんね。
「そこでド・ロ神父が作ったのがこの“出津救助院”ね。ここからはこちらで働いているシスターが案内してくれると思うね!」

「実はド・ロ神父、フランスのヴォスロール出身の貴族のご子息だったんだそうね」
あ!もしかして長崎市と姉妹都市の?
「そうね。ヴォスロール村はまさに長崎の隠れキリシタンを救った英雄の生まれ故郷ね!」
そうだったんだね!
「ド・ロ神父のお父様は、貴族と言えどもいつ財産を失い貧しい生活を送らなければならなくなるかもしれないと、ド・ロ神父が幼いころから色々なことを学ばせて、将来何が起こっても困らないように教育したんだそうね」
すごいお父様だ。
「そして若くして宣教師として遠くフランスから日本にやってきたド・ロ神父が赴任したのがこの出津集落ね」
へ~!

「ド・ロ神父は人々に信仰を説くよりも、まずはお金を稼ぎ生活をする喜びを教えたんだそうね」
出津の人々は信仰ばかりして、お金を稼ぐことをしていなかったの?
「そうね。そこでド・ロ神父は“信仰だけでは生きていけない”ということで、パンやそうめんやパスタの作り方、綿織物の製紙から染色などの方法を集落の女性たちに指導したんだそうね」
それってもしかして、ド・ロ神父がお父様に授けてもらった知識ってこと?
「その通りね!まさにこの場所でそれを作って収入を得て生活をしていたんだそうね!」
そうだったんだね。
「 1 階の部分では色々なものを生産して、 2 階の部分は独身の女性たちが生活し、信仰を深めていったんだそうね」

「ここは薬局ね。病院のない集落でも怪我や病気の人はいると思うね」
絶対に必要な場所だよね。
「ド・ロ神父は診療所や薬局の必要性を痛感して、地元のフランスやイギリスから医療器具や薬品を取り寄せてお医者様を雇ったんだそうね」

「この建物はマカロニ工場ね。日本のマカロニはまさにこの場所から広まっていったと思うね」
そうなんだ!
「ここで作られたマカロニは当時長崎にいた外国人に売ってお金を稼いでいたんだそうね」
そうだったんだね。
「この建物を含んだド・ロ神父造った出津救助院は、今では長崎県の指定史跡や文化財として大切に管理されているんだそうね」
そうだよね。
ここは隠れキリシタンの歴史を知る上でも大切な場所だよね!

「実は出津教会を設計したのもド・ロ神父だそうね」
設計までできたの!?
「縫物も土木も、ド・ロ神父はなんでもできたそうね」
本当にすごいお人だ!
「日本に来るときには莫大な財産を持ってきたそうなんだけど、そのお金は外海の人のために使ったんだそうね」
どんなふうに?
「必要なものはたくさん故郷フランスから取り寄せたりしたそうね。日本に来るときには大きなマリア像を運んできたそうだけど、こちらも大変高価なものだったそうね」
へ~!
自分の財産を惜しまず外海の人々に捧げたんだね。
「ド・ロ神父のおかげで外海の集落の人々が救われたといったといっても過言ではないとおもうね」

お人柄も大変すばらしかったそうで子供からも大人気だったド・ロ神父。
とてもいたずら好きなおちゃめな一面もあったそうです。
この地で、キリスト教への信仰と生きていくということの大切さを教えてくれた長崎の偉人です。
失礼ながらぼてぽてはこの土地に来るまでド・ロ神父のお名前すら知りませんでした。
海外赴任してから 35 年もの間、 1 度も故郷に帰らず外海のためにすべてを捧げてくれたド・ロ神父は、この外海に眠っているそうです。
もしかしたらド・ロ神父も、この景色をこの場所から見ていたかもしれませんね。
旧出津救助院
HP
→
https://shitsu-kyujoin.com/
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