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2006.01.23
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「大路社長荒れてるな」
机に物でも投げたのか、自分の拳で殴ったのか、隣の社長室で大きな音を聞いて、七星亮太は言った。

「・・・・だな」
隣で今流行の携帯ゲーム機の画面を見ながら、沖山誠二は七星に同意して呟いた。

「全く、迷惑な話だよね~」
軽い言葉で場の雰囲気を悪くしたのは、三井健二。

我関せず・・とばかりに読書に集中しているのは、穴吹秋。

この4人と誘拐された赤石圭介を加えて、SGM。
高校の同級生ということで、赤石が連れてきたメンバーである。


「健二、迷惑だなんて、言うな。心配じゃないのか?」
長い髪をかきあげて七星亮太は言った。

「だってさ~、今の俺達の立場ってわかってるでしょ?警戒もせずにウロウロしすぎなんだよ。今や俺達大スターだよ。そこんところ自覚しろって感じ」
大好きなメジャーリーグのチームキャップが頭から落ちてしまうくらいに興奮しながら三井健二はお手上げポーズをとった。

「スターは圭介ただ一人だ。」
読んでいた本を閉じて、穴吹秋が強い口調で言った。

「・・・・。」

「・・・・。」

「・・・・。」

沈黙が流れる。
沖山誠二のゲームをいじる手も止まっていた。


穴吹秋は立ち上がり、外へ出ようとドアへ向かい、ノブへ手をかけて。
「今のままならな」
そう言って扉を開け出て行った。

誰も触れられたくない事実。
認めたくない事実。

思いたくはない。
だが、反論することも出来ないくらい、その事実は的を得ていた。

つづく。


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最終更新日  2006.01.23 20:04:17
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