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2024.06.28
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カテゴリ: 報徳
後藤 静香 日めくり 28日



  花のこころを知り
  花のこころに感じ
  花といっしょに呼吸をしたい
  さえだの折れるとき
  わが手わが足の
  いたみを共に感じたい
  蝶といっしょに舞い
  犬といっしょに走り
  鳥といっしょに歌いたい



後藤 静香(ごとう せいこう、1884年8月17日 - 1971年5月15日)は、大分県出身の社会教育家、社会運動家。

蓮沼門三の「修養団」に傾倒し参加。
格言や偉人伝、寓話などをわかりやすく解説した雑誌をいくつも発行。
代表作である詩集・格言集『権威』は100万部を越えて、当時の青年、教育社、労働者に愛読され、熱狂的な支持を得た。

「現代語訳 安居院義道」p.79-83

七、安居院先生の指導型と石田村の仕法
 安居院先生の仕法における指導型と二宮先生のとったそれとは、その結果において同じ所へ出ても、その行き方には、異なる点があったことは見逃せない。
 二宮先生が文政年間、宇津家の知行所仕法の為に野州へ赴任されるとき、自分の家の財産は田畑から家財諸道具に至るまで全て売り払って、資金に充当するため持参されている。また宇津家の仕法は小田原侯の指図に出たもので、民間同志の申し合せで成立したものではない。従ってその経済は、予算決算の報告に拘束されず、十か年間その自由裁量に一任されて、いわば一種の請負のような型であった。その間、荒地開発・人別増し・余業積立等の方法によって余財は積み立てられている。これらの資金が流通流転されて、その計画の遂行上、大きな力にあずかっている。
 しかし物質的な施設だけではまだ安心できない。特に悪い習慣に染まった土地で、教化を知らない怠惰な民に対しては、工夫が必要である。物質的な援助や救済は、最初は喜ばれるが、馴れるに従って感謝の念は薄くなり、それどころか第二、第三と欲求が生じて来る。誠に救い難い小人の常で、毎度繰りかえされる問題でもある。これは魂へ打ち込む楔(くさび)がなければ、いわゆる仏造って魂を入れずの譬えにもれない。楔(くさび)とは精神力の中核をなす道徳性の涵養である。
 そのため報徳仕法の実際にはこの両面を丁重に取り上げて、経済を説いても欲に傾かない、道徳を語っても理に偏らない行き方を用いる。従って空想にも走らず、眼前にもとらわれず、人情を尽して一般の公利をはかる穏健中庸の道をとる。現代風に「経済のない道徳は永遠の道は覚束なく、道徳がなくては経済は労して効なきものと知れ」と簡単に教えている通りである。
 この二宮先生の行き方も安居院先生のそれとは、その出発に開きがある。安居院先生は既に述べたように、全く財宝に見放された孤独者であり、生産面には直接にあずかる何物ももたぬ無頼者である。ただ敬神に鍛えられ、崇高な道義によみがえる精神家として立つだけである。
だから与える物を持たず、ただ求めるものは人間の誠心にある、求道の人に対しては、まずその在り家を尋ねる。いやしくもこの心に出あわなければ、説くも余分、語るも無駄である。またもしその誠心の輝ける人であれば、必ず他人を動かす力が備わる。他を動かす力は、民衆の強固な結束力を呼び起すことに結び付くからである。
 だから先生は初対面の求道者に対して、まず問答から始める。すなわち公案のようなものを出し、その心の虚実深浅を試みる。岡田無息軒との初会見においても、左の一首を示した。
 梅の木は根も梅なれば花も梅
 実も梅なれば枝も葉も梅
「考えをつけて差し出せ」と一矢を放つ。定めて無息軒(岡田佐平治)の先生に対しての答えは百点であったろう。直ちに岡田邸に乗り込んでいることからもそのことが窺われる。
平岩佐兵衛は嘉永二年(一八四九)五月二十四日、岡田邸において入門している。
 梅の木は根も梅なれば花も梅
 実も梅なれば枝も葉も梅
 蒔く種はすぐにそのままおい立ちて
 花と見るまに実る数々
 方円のうつわ傾く水と見よ
 あちらまさればこちらげんじる
以上の三首を毎日一首ずつ説いてその意味を悟らせている。平岩氏はまた安居院先生から農業方面の技術をも伝えられて、後には駿遠三〔駿河・遠江・三河〕において農業教師として貢献もある。
 伊藤七郎平は、安政二年(一八五五)のある月、駿州小島村橘屋小右衛門方にて入門した。「無」の一字を書き与えられて解釈を求められ、続いて左の三首が添えられる。
 無となりてここを先途と勤むれば
月日のたつも知らぬなりけり
 無となりて有にうつりけん
ぼうふらの蚊と変化する次第色身
 無となれは得の多きを知らずして
損の有に入る世の習ひとは
この教訓を体得した伊藤氏の一生は、道の伝道を以て終始した無の一字に帰するといえる。
 小野江善六老の入門に、どのような問題が放たれたか不明だが、主家の養子となるの件は大変重大な事から、先生の教えを仰いだ。先生は昔、中国の舜は「天下を保ってあずからず、己を恭(うやうやし)くして正しく南面するのみ」とあるのを引用して決定を与えた。小野江老の一生は家業に全力を尽し、晩年は報徳指導者として貢献して、全くその教訓通りの人格者と仰がれている。
 金原孫四郎は、遠州都田村(みやこだむら)の大庄屋の家柄であるが、道楽者で家の財産を散財し、そのために財産の整理を行うため、同意者三名同道で先生を訪問した。先生曰く、「道を広くせよ、なにぶん道が狭いからいけない」と。三人はその意味が分からない。小野江氏とも相談して、第一に氏神へ願(がん)をかけ、報徳の道に背けば神罰を蒙るという誓いをもって行く。先生曰く、「だいぶ広くなった」と。更に代官に陳情してその賛助の言葉を添えて行くと、このところに承諾が下って、文久三年(一八六三)に都田村(みやこだむら)に乗り込んで、金原の仕法に着手して村は立直りを遂げている。

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「現代語訳 安居院義道」を蔵書とする図書館(2024年6月28日)
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最終更新日  2024.06.28 04:40:03


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