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2016/07/22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ウンベルト・エーコの『永遠のファシズム』(岩波書店)を久しぶりに再読した。エーコ氏はファシズムの典型的特徴を列挙することは可能だといい、そうした特徴を備えたものを原ファシズムあるいは永遠のファシズムというとして、典型的特徴を列挙している。以下上げてみよう。長いものなのだが、各項目の壱行目をあげる。

 1、原ファシズムの特徴は伝統崇拝です。
 2、伝統主義はモダニズムの拒絶を意味のうちにふくんでいます。
 3、非合理主義は〈行動のための行動〉を崇拝するか否かによってきまります。
 4、いかなる意味であれ混合主義というものは、批判を受け入れることができません。
 5、意見の対立はさらに異質性のしるしでもあります。
 6、原ファシズムは、個人もしくは社会の欲求不満から生じます。
 7、いかなる社会的アイデンティティを持たない人びとにたいし、原ファシズムは諸君にとって唯一の特権は、全員にとって最大の共通項、つまりわれわれが同じ国に生まれたという事実だと、語り掛けます。
 8、信奉者は敵のこれみよがしの豊かさや力に屈辱を覚えるに違いありません。

 10、エリート主義は、あらゆる反動的イデオロギーが本質的に貴族的主義的である以上、その典型的な要素のひとです。
 11、こうした見通しに立って、ひとりひとりが英雄になるべく教育されることになります。
 12、永久戦争にせよ、英雄主義にせよ、それは現実には困難な遊戯ですから、原ファシストは、その潜在的意思を生の問題にすりかえるわけです。
 13、原ファシズムは「質的ポピュリズム」に根差したものです。
 14、原ファシズムは新言語(ニュースピーク)を話します。

 こう上げたのではわかりにくいと思うが、一つ一つが今の日本の社会に、潜在あるいは顕在している。例えば新言語は、権力側がいたる場面で使用している。戦争は平和だというあの言葉だ。

 ファシズムの芽が育ちつつあると感じさせられた好著であった。







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Last updated  2016/07/22 10:40:48 AM


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