旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

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C.ルルーシュの≪男と女≫



≪白い恋人たち≫を観た時にも
クロード.ルルーシユの映像の素晴らしさに改めて
感動したものですが、
その2年前に撮られた≪男と女≫は誰もが認める
映像、雰囲気、音楽とどれをとっても素晴らしい。
前者もルルーシュとレイのコンビでしたが、
この作品も、
ボサノバの流れるバックとドーヴイル海岸の美しさ、
ソフト.フオーカスによるベッドシーンの美しさには
息を呑んだものだ。
モノクロとセピア色が交叉する効果的な色調。
これはもうため息の出るようなシーンの連続でしたね。

たくさんの名シーンと共に気だるさ.。アンニュイと
もの哀しさのアヌーク.エーメ...。32,3歳だったかなあ。

モンパルナス...では凛とした美しさ。
そして、この作品を観て、
あのムートンのキャメル色のコートが似合うようになりたくて
わたしも同じコートを30代後半で
やっと、ん十万はたいて買ったっけ!

アメリカのローレン.バコール、日本の北原三枝と共に
こういった大人のアンニュイな役が演れる女優は
アヌーク.エーメと3人であろう.

気だるいだけではダメなのだ。断然、知性が要る.

こういう女性が好きな男性がまた格好良いんだよね。
可愛いとか、美人だとかの基準で女性を選ばず、
近寄り難く、颯爽として、もうの憂げで、そしてなにより
ファッショナブル!という女性を選ぶ人。
こういう女性を選ぶ男性にあこがれるのです。
(もう、過去の事だけど)

レーサーという危険な職業の男には、不安と緊張に堪えられなくて
自殺した妻の影がある。
そして、女はスタントマンという職業で仕事中の
事故で亡くなった良人の面影を引きずっている。
そんな二人が出遭って
その影を共有しながらもお互いにお互いが必要なんだと
思うようになるまでを
セリフ少なげに
美しい画像の連続と音楽で観客をトリコにした
素晴らしい作品.

お互いに妻、良人の面影が捨てきれずに
バイバイした後、女は列車の中でわが心をしっかりと覗き、
男は列車の先回りをして、
プラット.ホームで女を待ち、見つめ合い、
抱き合うシーンはジャン.ルイ.トランテイニアンの
乾いた男らしさも手伝ってため息を漏らすほどに
美しかった・
北フランスの豊かな風景も美しかった.

これぞ映像だ!という作品です。
これぞおとなの恋.
ストーリーはそういったものですが、
これは映像を眺めて欲しい作品です.

そして、もう伝説となるでしょうね。

音楽のフランシス.レイは

男と女のほかに

雨の訪問者、ある愛の詩もそうだし、
さらば夏の日なんてのもありましたね。
もちろん白い恋人たち。

監督ルルーシュは他にも撮っているが
この2作で充分であったように思う。


製作  仏  1966年度
監督  クロード.ルルーシュ
音楽  フランシス.レイ





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