旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

≪危険がいっぱい≫


太陽がいっぱいのルネ.クレマン監督で撮られたもう一作。
彼の美貌を武器にした悪の役。


     ≪危険がいっぱい≫を紹介します。

1963年度作だと思います。
共演はハリウッドから、ジェーン.フオンダを迎えて。
これは私が高校生のときの封切りでした。

前作ほどの出来は当然無いにしても、
二人の共演といけてるサスペンスと、彼の持ち味が生かされて、
アランフアンには見逃せない作品かも?です。

ストーリー

ニューヨークのホテルへ中年夫婦が向かっている。
後ろには数人の殺し屋風の男共を従えて...

部屋に入るとおびえている妻に、”この部屋であの若造と
浮気をしたのか、やつの首をここへ持って来い!”と夫が言う。
”やつはヨーロッパですぜ.””いいから行け!”

ニースのホテルで、奴...マルク(ドロン)は殺し屋につかまり、リンチを受け、白状させられ、
身分証や残りのお金まで全部取られ、
空港へ向かうが、途中でうまく逃げた。
マルクはお金持ちの女性ばかりを狙っては、口説き落とし、
お金を巻き上げるという女たらしである。

うまく、贖罪の家に逃げ込み5日間は置いてもらえた。
そこに美しい金持ちの未亡人とメイドが食べ物の施しを持ってきていた。
老人が話す。”あの人は二年前に、主人を強盗に殺され、
今はメイドと二人で
大きな屋敷に住んでいるんだ。
強盗は逃げてまだ捕まっちゃいないけどね。”
殺し屋はまだマルクを探しているようだ。

5日目ここを出ねばならなくなったときに、あの未亡人が
運転手を捜しているので、行かないかということで
引き受けた。

車に乗っても、殺し屋の目が気になって仕方が無いが、
当分隠れ家が出来て助かった。

女主人はヴアンサンと言い、美しい。
メイドはメリンダ(ジェーン.フオンダ)。

パスポートを女主人が預かるといい、
彼の履歴を聞いた。運転手の制服を買いに行こうと街へ出た。
殺し屋はまだいる。
制服を、なぜか、女主人はもう一着頼んだ。
マルクはサングラスを買ってくれと頼んだ。

さて、大きな屋敷はなにか陰気くさく、メイドノメリンダは
良く働くが、マルクに一目ぼれしたようだ。が、
マルクはお金を持っている女主人マダムヒルにしか興味を示さない。
あれこれと世話を焼くメリンダが疎ましいが、
家の内情を聞くには、話し相手もしてやらねばならない。
屋敷の中を探索するが、なにか秘密めいている。

ここを出ようと、マダムの部屋に入り、パスポートを取り返した。
パリの女友達に電話をし、今から行くから、おいて欲しいと。
そして、メリンダに小銭を借りた。
駅へ向かい、パリ行きの列車に乗ろうとしたところを
殺し屋に見つかり、危ういところをメリンダが車でつけてきていて、助けられた。
なぜ?マルクはそう思った。メリンダはなぜ、パリへ?

どうやら強盗とはうそでマダムの愛人が主人を殺し、
隠し部屋に潜んでいて、マダムの部屋の鏡の向こうにいて
彼女の部屋の中はうかがえるようになっている。

彼はマダムヒルのスキーのコーチだったらしいが、
二年も猫と一緒にここに隠れていた。
猫もこの愛人も運動不足でぶよぶよらしい。

...その男がマルクの電話を聞いたようだ。
そしてマダムに男が逃げることを教えた...
マルクは少しだけ、話が見えてきて、女を誘惑しようと
いつもの癖が出てきた。
マダム、ヒルはすぐに真相を話した。
パスポートを手に入れようと、彼に気があるように見せかけた。
メリンダは何とかマルクの気を引こうと必死だが
おねんねの女の子にはまるで気が無い。

ところが、隠れている愛人が後、2日でビザが下りるからという
マダムのいうことを聞かずに運転手のもう一着の制服を着て
車に乗ったところをマルクは見つけ二人の会話を聞いた。

どうやら、マルクのような男を贖罪の家で見つけるために
通っていたらしい。つまりマルクのパスポートで、ビザをとり、
マルクを殺してマルクに成りすまして、南米に二人で逃げようと
していたのだ。
マルクはそっくり入れ替えようと思いつき、マダムを
丸め込んだ....つもりだった。
それを知ったメリンダは電報局へ行き、マダム宛の偽の電報を
打った。さりげなく、それを、マルクに見せると、
マルクは、マダムがやっぱり、寝返ったと思い込み、
鏡の向こうにいる愛人に聞こえるように言う。
俺たち二人を争わせて、あんたはニューヨークにいる恋人の所に
逃げるつもりだったんだ、おれたち二人をだまして。。。

マダムには何のことだかわからなかったが、
愛人は逆上して誤ってマダムを撃ち殺した。
そこへ殺し屋たちが踏み込み、間違って、愛人を撃ち殺した。

運転手の服を着た愛人の死体を見て、”何を今までやってたんだ人違いを今まで追いかけて...”と帰っていった・

さあこれからが逆転劇です。

二つの死体を車のトランクへ乗せ、マルクは、海へ捨てに行くという。
メリンダは私一人でここに残るの?あなたと住みたいわ!”

詳しい事情は知らないまでもマダムの弱みを握っていた
メリンダは二人がこの家を去ったら屋敷をもらうことになっていた。
マルクは言った。”両方いいことは出来ないさ。俺は車を
もらって行くぜ!”
横に乗り込んだメリンダはお花をマダムに備えたいわ!と

街行く中で、車を止めさせ、マルクが花を買っている間に
メリンダはダッシュボードから、ナイフを出し、タイヤの前に立てかけた。
発車したところで、老婆が前に飛び出し、タイヤはパンク。
おまわりがきて、”スペアタイアは?”と聞く。
トランクの中にあるわ!”
とっさにマルクは逃げた。

逃げる先は、あの愛人が隠れていた場所だ。
食事を運んでくるメリンダ。
なぜなんだ?マルクは聞いた。
”よく警察が帰してくれたな。”

”あなたが犯人だと思ってるわ。わたしはあなたと離れたくないだけよ。お友達を連れてきたわ”と言って子猫を渡すのだった...

ルネ.クレマンの冴えは前作ほどには無理だが、
ヒッチコック程度には楽しめる面白さ。
モノクロのアランの美形とまだ、初々しさが残る、ジェーンの
小悪魔的魅力と、洒落たメロデイー..久しぶりに
聞いてメロデイーを思い出しました。

やはり、アランさまのカメラ映りはルネ監督が
気を使い、最高にみせてくれます。
フランスサウペンスの香り いっぱい です。

どんでん返しも楽しめますが、もうネタばらしてしまいましたね。
でもアランフアンはストーリーもですが、彼がどう演っているかを
観ればよいのでして、お許しくださいませ。

機会があれば、28歳のアランにお会いくださいませ






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