旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

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<お嬢さんお手やわらかに>


   初期の作品を紹介しましょう。

     <お譲さんお手やわらかに>1957年作


デビューして間もない頃、アラン22歳位の頃の作品。

もう、食べてしまいたいくらい可愛いアラン様が
ドンフアンの役で登場する
  <お嬢さんお手やわらかに>を紹介します。

女流作家ソフィー・カタラの原作小説「カナリヤの殺人」の
  映画化である。


男を演じるようになって、渋い魅力が出てきたアランだが、

この作品の彼は三人の女の子を同時に操るという

電子工学を学んでいる秀才大学生のプレイボーイの役。

甘いマスクにスマートな仕草。

若さ溢れる会話。オートバイにまたがりパリの街を駆け巡る。

当時人気絶頂だったフランス三人娘の

ミレーヌ.ドモンジョ、パスカル.プチ、
ジャクリーヌ。ササールを同時に操り、

本物の恋に芽生えた彼がそのうちのひとりとめでたく

ゴールインという洒落た青春ラブ.コメデイーです。

中学生の頃に雑誌で見て、

あこがれたころのアラン様の作品ですが、

映画は田舎では封切られずに、<太陽がいっぱい>を
先に見る結果となってしまった。

極めてフランス的な ラブ.コメデイーで
もうこの辺りからアランは駈けまくっていたのです。

ストーリー

まずは、一人目のアガート(パスカル.プチ)は

ジュリアン(ドロン)にお熱を上げていたが、

態度のはっきりしないジュリアンに振られたと思い込んで、

かなり歳の離れた人の良い男と結婚した。

だが、ジュリアンにまだ気がある。

披露パーテイーを自宅で催したが、招待もしないのに、

図々しくも押しかけてきたジュリアンにアガートの女友達、

ザビーヌ(ミレーヌ.ドモンジョ)はドンフアンと知りつつ、

彼の気をひこうと色目を使う。

ジュリアンの近づき方は流し目をちらっと流しておきながら、

ザビーヌに近づく振りをして、隣の女の子にとりあえず

声をかけるというもの。

てっきり自分に声をかけたと思って返事をしてしまうザビーヌ。

ワンクッション置いてザガートに声をかける。
”恥ずかしかったから”と。

ここでザガートは虜になる。

デイとの約束をしても一度目はジュリアンは必ず、すっぽかす。
  じらすのだ。

怒ったところを拝み倒してデイトに誘うのだ。

二度目のデイトで、ザビーヌは女友達でカソリック校の

寄宿舎に入っているエレーヌ(ジャクリーヌ.ササール)を

紹介する羽目になる。

彼女にも目をつけたジュリアンは従兄と偽って

学校にまで押しかけ、ジュリアンに一目ぼれしたエレーヌは

友達に彼を婚約者だと話す。

純情なエレーヌだが、大胆なところもあって、

友達にはもう関係が出来てしまったような事を話すが、

シスターに聞かれてしまい、放校処分となる。

それぞれに調子のいいことを言って

その気にさせているジュリアンだが、

彼にはれっきとした南米人の婚約者がいる。

これがパープリンで、ジュリアンは気乗りしていない。

そうするうちに三人は自分たちがそれぞれ遊ばれている事に

気付き、彼に仕返しをしようと殺す計画を練る。

エレーヌだけは本気で愛しているのであまり気乗りはしないが

とりあえず仲間に入る。

アガートは毒殺を。
ザビーヌは車でひき殺す。
それぞれ考え、夢でまずは実行。

まず、アガートとザビーヌはジュリアンの部屋に忍び込み

牛乳に毒を仕込もうとしたが失敗し、

チョコレートニ入れる。

しかし、この頃ジュリアンは少し、変わってきた。

エレーヌを本気で好きになったのだ。

愛を告白され、何度もだまされたエレーヌは最初は疑ったが、

彼の熱意についに愛を誓う。

さー大変!牛乳を処分しなくちゃ!

チョコレートに変更になったなんて知らないエレーヌ・

毒入りチョコレートはジュリアンのパパが食べてしまった。

そんなこんなで、ジュリアンの両親、エレーヌの親ばかパパが

入り混じってのてんやわんやとなる。

音楽家のエレーヌの両親の演奏会場で、逆上した婚約者が
入り混じって拳銃を撃ちまくって大騒ぎ。

エレーヌのパパは足に三発頂いて足にギブスを。

ジュリアンのパパも助かったものの毒入りチョコを。

裁判で若き弁護士に色目を使ったが、情状酌量話はなし。

結局アガートとザビーヌと婚約者は刑務所に6ケ月間
入る事になった。

刑務所内でエレーヌとジュリアンの結婚式が行われ、

遠くからにっこり祝福するアガートとザビーヌがいた。

”怠けないでさっさと床を磨きなさい”とのたまう

シスターの顔...あれ?たしか、アガートの夫の顔だ?よ・
元婚約者も交えて、毎日せっせと刑務所の床磨きをする
三人であった。

こんな可愛いアランを見ると若返っちゃいますね。

いい年をして今更何よと思わないでもないが、

タイムスリップしてしまうのです。

この作品で、アランはドンフアンのイメージのレッテルを

貼られ、実生活でも

相当なドンフアンであったらしいこともあって、

男性諸君には敬遠されたようである。

女性はいいのです。知っていてなお、魅力を感じるのですから。

がしかし、その美貌は真面目に恋をしたところで

ドンフアンとしか見られないのを知っていたアランであろう。

意識的に女性に冷たく接するような役どころを
演じだ出したのである。

自ら近づかなくても女性から近寄ってくる事を知っているから、

恋愛路線だけでは美貌が邪魔をして成功しないと知った。

美貌を武器に非情な面構えで自分だけを信じて突き進む男へと
作品は変わっていくのである。

思うにあの気性は信長を連想させますね。

1957年のパリの下町娘のフアッションも素敵で、

さすがパリジェンヌ。

とっても楽しく懐かしい青春恋愛コメデイーですよ。

挿入歌にポール.アンカの曲も流れます。

Cさんに頂いたCD...

アラン作品のサントラ盤を毎日、聴いていますが、

改めて彼の作品の音楽の格好良さ、

美しいメロデイー群に感動し、うっとりしています。

画面がひとつひとつ浮かんできます。

出演
「女は一回勝負する」のミレーヌ・ドモンジョ、
「危険な曲り角」のパスカル・プティ、
「三月生れ」のジャクリーヌ・ササール

  そしてアラン.ドロン様

監督..「殿方ご免遊ばせ」のミシェル・ボワロン。
撮影..「リラの門」のロベール・ルフェーヴル...
      色がとってもきれいです。
音楽..ポール・ミスラキ。
歌 .. ポール・アンカ



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