旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

≪レッド.サン≫


さて、今日の作品は

       ≪レッド.サン≫です。

   アラン.ドロンVSブロンソンVS三船・
     世界3大スターの夢の激突!

異色の西部劇ついに完成...というキャッチ.フレーズで
大ヒットを記録した。

サムライ三船敏郎と西部男ブロンソンの奇妙な友情と、
二枚目ドロンを悪役に据えての奇想天外なストーリーで
完成までに5年の歳月を費やしてついに完成。

時代劇と西部劇を合体させるという計画は当初、
ハリウッドで立案したが、その莫大な費用に
ワーナーもパラマウントもしり込みをし、
フランスへ持ち込まれたのである。

プロデュサー、テッド.リッチモンドはまず、世界的な
日本のスター,三船に相談する為に1966年に来日している。
三船はもちろん大乗り気。黒澤作品の常連の
脚本家橋本忍と構想を練ったらしい。

その時は共演者にクリント.イーストウッド、
ポール.ニューマン、
監督にはサム.ペキンパー、エリア.カザンが候補に上がっていた。

しかし、そういった事情でお預けとなった。

企画は振出へ。リッチモンドは
フランスのプロデューサー、ロベール.ドルフマンに相談して、
実現の運びとなった。ロベールは≪禁じられた遊び≫の
プロデューサーである。

かくして,黒田重兵衛に三船敏郎
西部男リンクにチャールス.ブロンソン
悪役ゴーシュに日本で 特に 人気の高い
  アラン.ドロンを据えるという夢の配役が決定した。

紅一点は007の≪ドクターノー≫で
一代目ボンドガールをつとめ世界の男性を悩殺した
ウルスラ.アンドレスを配した。

監督にはブロンソンの≪夜の訪問者≫の監督、
テレンス.ヤングである。
ドロンはとにかく優男でない役をやりたがっていた時期で
この性格的な役を引き受けた。
撮影はマドリード郊外のチャマルテイン.スタジオと、
アルメリア地方で行われた。
マカロニウエスタンが作られたのと同じ土地である。

この作品でのドロンはずるがしこく、
悪に徹底した役作りをしている。
人の良いリンク=ブロンソンと対照的に。

1971年完成。公開された。

1870年、
列車強盗団の首領、リンク(チャールス.ブロンソン)たちが
西部を走る列車を襲うと、そこに
風格あるサムライの一行が乗り合わせていた。
この列車はワシントンへ向かう、
騎兵隊が護衛する特別列車だった。

日本国大使は、ミカドから、アメリカ合衆国に
謹呈する太刀を守り、護衛の二人を伴っていた。

護衛のサムライの一人が黒田重兵衛(三船敏郎)である。

この列車の郵便車には、巨額の金貨が積まれている。
リンクと相棒ゴーシュ(ドロン.)はそれが狙いだった。
二人は乗客を装って乗り込んでいた。

強盗は成功した。が、止まった列車から降りてきた奇妙な井手達の
サムライに近づいた。
話を聞いたリンクとゴーシュはついでに
大使一行の太刀も奪う事にした。

前々からボスの座を狙っていたゴーシュは
金と太刀を独り占めにしてさっさと去ってしまった。

大使は重兵衛に一週間以内に刀を取り戻すように命じた。

ゴーシュに裏切られ負傷したリンクを介抱した重兵衛と、
リンクは、今では共通の敵..となったゴーシュを捜し求めて
焼けつく荒野の旅に出るのであった。

ここにゴーシュの愛人クリステイーナ(ウルスラ.アンドレス)が
ゴーシュを探していて,彼らと共に旅をする中で
リンクは彼女に惹かれ、裏切ったゴーシュとの
間で重要な要となって三人は激突するのである....

重兵衛のいでたちは、典型的なサムライスタイル、
リンクは典型的なカウボーイスタイルでなんとも
ちぐはぐで、奇妙なコントラストが面白い。

リンクは何をやっても重兵衛に歯が立たない。
逃げ出そうとするとすぐに掴まる。
重兵衛に殴りかかると、抜く手も見せぬ早業で刀を抜き、
リンクの持つ棒を真っ二つ。

その刀の切り口を見たリンクは息を呑んだ。
英語もしゃべるし、荒馬も乗りこなす。
女性にも弱くない。。。!!
豪快な太刀捌きと手裏剣の技!

三船の魅力は満開。
このころ、テレビCMではブロンソンのマンダムが流れていた。
さらば友よから後、日本人のファンを掴んだブロンソンの
西部男も魅力全開。

いつも寡黙で、にたーっと微笑むお馴染みの腹芸が、
妙に三船の魅力とマッチして、荒れ野の地を彷徨うなかで、
生まれてゆく友情がなんともいい!

ゴーシュのドロンは徹底したずるがしこい悪役に徹し、
いつもの心の奥の優しさは微塵もない。

悪役を楽しんで、徹底している演じているのが、新鮮に映る。

重兵衛とリンクはクリステイーナを人質に連れまわし、
ゴーシュのいる教会にたどりつく。

そこにコマンチ族が襲撃。
その戦闘は明らかに七人の侍を意識したもので、
ダイナミックなアクションが映画として楽しめる。

ここのシーンは迫力があり、
コマンチに向かってとりあえず対決はお預け。
供侍の仇とばかりにゴーシュに斬り付けようとして
重兵衛はゴーシュの弾に殺られた。

振り向いたリンクはゴーシュめがけて撃った....

重兵衛=三船の豪快な太刀捌きと立ち回りは
この作品あたりが最後か..?

日本映画斜陽となり始めたころでしたから、
この作品での三船の太刀捌き立ち回りは
そのころの日本映画ではめったに見られないもの。

本国でなく欧州映画で見られるとは皮肉なものですね。

作品の中での豪快な”華”である。

なんだか,日本人俳優褒めになってしまいましたが、
たまには良いでしょう。

わたしは悪役ドロンにばかり目が行きますけどね。
娯楽作品として超楽しめます.

ゴーシュ=ドロンは全身黒尽くめの服装のワルがまた
格好いいのよ。
ずるかろうと、悪かろうと何でもいい。
まあまあ、この異色のビッグウエスタンを機会あらば、
ご覧になってくださいませ。

1971年度 米,仏合作



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