旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

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A.リトヴアク.≪将軍たちの夜≫



私はこの映画を観て加藤剛がどうも苦手になった。
というのは勝手に決め付けているのだが、
ピーター.オトウールと加藤が似ていると。

そのピーターがこの映画では
ビョーキ的演技で
演技か地か?と疑うほど役になりきっていて
薄気味悪く、ピーターへの印象も変わってしまった。
映画上のことだけなのに.

なにかホモセクシュアルな感じの冷ややかな役。
そういえば、三国連太郎の≪異母兄弟≫を観た時にも
役柄は違うがずーっと好きになれなかった。

今では大好きですけれど...笑

おばあちゃんたちが役者とその人本人を ごちゃ混ぜに考える..
アレと似ているのですね。

将軍役のピーターと軍事警察のオマー.シャリフが入れ替われば
良かったのにと思ったものだ。
だって、それまでのピーターへのイメージは
清潔な紳士然とした素敵なイメージだったもの。

出演人の豪華さと舞台背景と殺人の動機と犯人像の
アンバランスの妙味でしょう.

気色が悪かったと
あとで観客の私に思わせたのは
作り手としてはある意味成功か?

ナチドイツ占領下で起きた連続猟奇殺人事件という珍しい
戦時下サスペンスもの.
事件の発生が戦時中で、解決が戦後。
時間的なスケールと将校たちに扮する役者達の競演が
見物。
リアルタイムで観たが公開当時はオトウールの気色悪い
演技が話題になった。

1.ドイツ占領下のワルシャワ

ある夜、あるアパートで管理人が2階へあがる途中、女性の
大きな悲鳴を聞いたので、あわてて一階へ戻り、
トイレのなかに隠れた.
トイレの扉の隙間から覗くと右足側だけが見えた。
腿からふくらはぎへかけて赤いラインの入ったズボンだけが見えた。
その男が外へ出ると管理人は2階へ上がろうとすると
上からまた悲鳴が..。
隣人が死体を発見したのだ。

娼婦ガ殺されていた.

オマーシャリフ扮するグラウ少佐ーー
彼はドイツも連合軍も視野に入らない.
ドイツ側だろうが、連合軍側だろうが犯人を突き止めるだけだ。
軍人よりも刑事になった方が良いほどの、
猟犬のような鼻と執念の持ち主である.

管理人の話を聞いて他の担当官はまさかと言うのに
グラウ少佐だけはその話を信じた。
赤いラインは将校、将軍のズボンだからである。

ドイツ将校だからと言って、将軍だからと言って
殺人を犯さないとは限らないと言うのがグラウ少佐の考えであった。
まるで≪逃亡者≫のジェラード警部のように犯罪を立証して
正義が行われるのを見届けないとと、言わんばかりのもはや
偏執狂に近い異常さで調査を始める。

ドイツ軍の最年少の将軍タンツ(P.オトウール)と言う人物がいる.
タンツは大胆緻密な頭脳指揮官としてヒトラーの知遇と信用を欲しいままに
している。近寄りがたい気迫と凄みは彼の顔から人間らしい
温情などを一切拒否しているようで
軍の中でも、嫌われ、気味悪がられている。
部下などは言いようの無い気味悪さで
どう対応して良いか分からない。
そういったなかでグラウは事件の犯人は
ワルシャワ占領軍団長のガーブラ‐と、カーレンベルグ少将と
ハンツの三人のうちの誰かだとめぼしをつけるが...
グラウはあまりの執拗な性格でパリに転属させられる。

2.巴里

 休暇を取って、巴里に来ているタンツのお供の
若いハルトマン伍長はきみが悪くてしょうがない.
それがどう気味が悪いのかわからない怖さだ。
彼には恋人もいるがパリまで追って来た彼女と
おちおち会う暇も無いほどハンツはハルトマンを
解放してくれない。
デイトの途中でタンツに呼びつけられたハルトマンは...?

ホテルでまた、娼婦が殺されると言う事件が、起きるが、
ハルトマン伍長が姿を消したと団長の所にタンツから連絡が
入る。
明くる日、ヒトラー暗殺の成功が伝えられ、
ハンツを売春婦殺害、ハルトマン失踪を知ったグラウは
タンツを犯人として逮捕に向かうが、
ヒトラーは生きている!その放送を部屋で聞いていたハンツは
グラウを反逆罪としてその場で勝手に射殺してしまう。

3.西ドイツ  1965年

パリ警察のモランは最近ハンブルグであった殺人が
過去のワルシャワとパリの猟奇殺人と手口が非常に似ていることに
興味を持つ。

グラウが捜査途中で殺された悔しさを忘れないで
その意志を継いでいるモラン。
モランは容疑者の一人であったカーレンブラグを尋ねるが
白と判断。ガーブラーも同じ。
ハルトマンの恋人はカーレンブラグの娘であるが
今は父と二人で農業をやっていて結婚もせずにハルトマンを
待っているようでハルトマンの居所は知らない。
しかしタンツに迫る時期がやっと来たようだ.

ナチ発祥の地、ニーベルンゲンはニーベルンゲン師団25周年式典を
あげようとしている。
師団創設のハンツは戦犯としての21年の刑を終えて
自由の身になっているので招待を受けて乗り込んでくる。
モランは待ち受けていてタンツに三人の売春婦殺害の件で
告発すると告げる。
タンツはなんの証拠も無いとあざ笑う。
すると後ろからあの時行方をくらませたハルとマンガ現れる。

ハルトマンは言う。
”俺を殺しておけば良かったんだ!”
モラン警部、”君は絞首刑だ!”

にやっと笑ったタンツ将軍はだれか銃を貸してくれと言ってとなりの
宴会場へ.
銃声はみなの足を宴会場へ運ばせる。

ハルトマンの”あの時殺しておけばよかったんだ”という言葉の後には
例えあの夜俺を抱いたとしてもだ!と言う含みがあったのだと思います。
タンツは言わずともわかっていただろうが。.
生涯、愛というものを知らず、身体を売る女に嫌悪感を持ち
殺してしまわざるを得ない精神状態であったタンツであったが
倒錯した愛情でただ一度ハルトマンを愛したのではないだろうか...

あのパリでのハルトマンがタンツに呼ばれて
寝室を除いたときの驚きの顔を思い出すと
あの時ハルトマンは切り刻まれた女の死体を見たのだ.

そしてタンツにおもちゃにされたのであろう。
サスペンスでもあり戦時下の隠避された面白さ
監督の娯楽性が隅々まで行き渡っていて
大変に面白く出来あがっています。

オマー.シャリフ、ピーター.オトウール、トム.コートネイの三人が
役の性格を完璧に演じていて引き込まれました。
その他の将校たちも名前までは覚えていないが
見覚えのある脇役さんたちのオンパレードです。

ストーリーはもっと複雑に展開していますが、複雑で長いので
略して書きました。
ーーー大人の知的娯楽映画と申しておきましょう.

制作  英国  1967年度
監督  アナトール.リトヴアクーー真夜中へ五哩などーー
出演  上記の通り。




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