社会保険に加入する
最近は、会社を設立したら、すぐ社会保険に加入することを勧めている。法律上の義務だからという理由ではなく、そのほうが有利だからである。
「経営が安定するまでは・・・」という経営者もいるが、俺の経験上、まずそういうことを言って後で、社会保険に加入することは希だし、それ以前に経営が安定しないことが多い。
会社をつくると、まず税理士とお付き合いするのだが、大抵の税理士は社会保険の加入に「まだ早い」とか「もう少し落ち着いてから」などと否定的なことを言っているようだが、
俺はこれはかなり無責任だと思うね。
社会保険に加入しない事業主は、人件費=給与+社会保険料という考えが乏しいから、たまたま商売がうまくいって10人以上の社員を抱えるようになると、もう社会保険料を毎月支払っていくのは不可能になる。
社会保険料の支払いがなければどんなにラクか・・と俺らもよくお客さんからグチを聞かせられるけど、これは「給料を払わなくても働いてくれる人がいたらラクだろうね」という意味と同じくらいの妄想にすぎない。
実は、会社設立時に社会保険に加入しておくと色々とメリットがあり、俺が説明するとほとんどの経営者は喜んで、進んで社会保険に加入したがるのだが、税理士はもちろん、社労士もこのメリットを説明できる人はほとんどいない。
この辺りは俺のノウハウだから、ここには書かないけど実はすごく単純な理屈。気になった方はぜひ考えてもらいたいと思うね。
社会保険料を節約したい。
税金なら赤字の場合、払わなくてもいいが、社会保険料はキッチリ毎月発生する。しかも、年々保険料率がアップしていて、これをなんとか節約したいと思うのは当然の話だ。
社会保険料をある程度、節約するノウハウは、すでに本になっていたり、またネットで公開している社労士もいるけど、実際の所、そういうものを読んで素人考えで実践することは、かなり危険があると思った方がいい。
ノウハウ的に正論であっても、管理が難しいから、結局専門家である社労士が必要ということになる。それから、ただ保険料が安くなればいいと考えていると思わぬ落とし穴もある。社会保険料は、あくまで保険料であって税金ではないという点だ。つまり、保険給付を受けることが最大の目的で、保険料を支払っているのだから、いざというときに役に立たなかったら意味がない。
保険料が安いという理由だけで、健康保険組合への切り替えを勧めている社労士もなかりいるが、長年の経験からいえば、健康保険組合はいざというときの保険金給付を払い渋ることが多いうえ、保険料が発生しない扶養家族の認定にもかなり消極的だったりするから考え物である。
社会保険料を節約するノウハウは確かにあるが、社労士の管理が絶対に必要だ。