Laub🍃

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2011.07.20
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カテゴリ: .1次メモ
「ごめんねぇ~」
「うるせぇ、この無能が。人に能力も金もたかりやがって」

 ああ、イライラする。こいつのせいで何度俺は苦汁を飲まされたか。
人にたかるしか能がねぇくせに、そんなこいつを見下しているくせに、何故か俺は今もこいつと行動をともにしている。

 こいつが全く飾ろうとしないからだろうか、こいつの隣は息を抜くことができるのだ。

 とはいっても、こいつが働かないからこそ俺は余計に忙しくなっているわけだが。


「まぁま、そろそろ俺とのコンビも解消じゃ~ん。なんなら、俺それまで家でのんびりしてっから」
「だーかーら、働けっつてんだろうが!!!」
「あ、最近コンビニのバイトはじめた」


 こいつは本当に悪の組織の一幹部という自覚があるのか。っつーかこいつが幹部だとか俺は絶対認めねえぞ。







…そう思っていたのが、一か月前のこと。


***



「ねえ、大丈夫?」
「うっ…ううう、あああ、司令、司令ぃい……」
「だめだこりゃ」


 司令が。司令がもういないなんて、信じたくない。
 どうして。

 ああ、俺は一生ヒーローとやらを恨む。


「ねぇねぇ、司令ももういないことだしさぁ、俺戦闘やめてい~?そろそろめんどいんだよねぇ」
「は!?」



「そこまでクズなのかよてめぇは」

 怒りが抑えきれない。

「もう居ないもんは仕方ないじゃん。せいぜい俺の有休増やす役に立ってもらってもいいでしょ?俺だって一応義理ははたしてきたんだしさぁ。あ、あんたも休んでいいんじゃない?しばらくはさぁ」
「糞の役にも立たなかったお前が何を言ってるんだ」

 この穀潰しと一緒にされたくねえ。


 お前はなぜその立場でそんなことが言えるんだ。

「んなの、許すわけがねえだろうが。お前はせいぜい鉄砲玉としてこの俺様が利用してやるよ」
「えぇ、ひで~」
「ほぼ不死身なんだからそれくらいの役には立ちやがれ」

 若白髪の目立つ頭を睥睨する。
 実験の結果。

 ……俺の半身、博士の罪の証左。


 こんなものがあるからこそ、俺はこいつをどうしても、見捨てられないのだろうか。


「うるせえ。いつか司令につかえていてよかったですって言わせてやる」
「はいはい」


 はいは一回だ馬鹿野郎。





*****



だるでれ幹部(→)げきおこ幹部→→司令





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最終更新日  2015.11.10 12:22:27
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