Laub🍃

Laub🍃

2012.04.16
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カテゴリ: .1次メモ
 少女は理想の世界に全てを投げ込む。
 期待も夢も努力も何もかもを。
 そうすれば現実で傷付かずに居られる。
 おかげでやっと、外の世界に出られるようになった。
 嫌われても怒られても何も感じなくなった。
 なぜ感情を変化させないのか、表に出していないだけなのか、そう言ってくれとさえ言われるようになった。
 何もない世界だった。退屈で寂しかった。けれど痛みはなかった。
 痛みは全てあちらに置いてきた。

 家に帰るといつものように本当の世界へ飛び込む。世界を作っていく。

 けれど少女はそんな人々がちょっとだけ羨ましかった。
 そして、元の世界で感情を失う前にあれだけ呪った神様も、そんなことを思ったのかもしれないと思った。


 白い頁には、今日も黒い文字が綴られる。
 白い何もない舞台には、今日も黒い想いが踊る。





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最終更新日  2016.12.11 06:02:10
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