Laub🍃

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2012.11.14
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カテゴリ: .1次メモ
「残念でした、これ18歳までのお子様には見せられませんー」
「あっ、ちくしょーよこせ!意地悪すんなよてめえ!!!」

「……何、やってるんだ?」


 あっ、やべ。


 今岩礁スレスレで運航してるんだから余計な振動作るなボケとピンク頭の特技・脳天チョップ落とされるかと思ったらそんなことはなかった。

「……あ、う、えっと、こ、こいつが……」
「……随分と仲がいいな。それに口調、意外に悪いな、御貴族様にしては」
「…ま、こいつ裏表激しいから。陸でも悪い仲間と遊びに出掛けてたみたいだしな、14-5歳の癖に。いい御身分だぜ。……それに、こいつ何だかんだで順応早いから、海賊言葉については俺達からうつされたってのもあるかもなぁ、お前たちにも割とすぐ馴染みかけてるだろ?」

 ナイスレボ。元はといえばお前が俺をからかったせいなんだけど今だけは感謝する。

 そう思ってちらりとピンク頭もといニースを見るが、黒眼鏡の奥の細目は完璧な無表情を保っている。
 怖い。怖い。なんなんだ本当、こいつ絶対俺の事怪しんでるだろ。

「…まあ、いい。取り敢えず、飯の時間だから呼びに来ただけだ」
「……え」
「一緒に食べるってことか?」

 初めてだ。余裕が無い時は海賊の皆適当に飲み食いしていたというのもあるが、今の今までは俺が、なんだかんだで個室・個人作業など『お坊ちゃん』扱いされていたんだろう。レボがピリピリした空気を解くか否か悩んでいるが、俺としてはここは是非乗っておきたい。

「ああ。……御貴族様には少しきついかもしれんが」
「い、いや、大丈夫だ。というか、……色々と、この船で気を遣うべき所などを、そこで聞いておきたい」
「真面目だな」

 くく、とニースが笑う。

 ……なんだ、こいつ、案外良い奴じゃん。ちょっと規律に厳しくて、洞察力があるからその眼に射竦められてきたけど、話せば話せる奴なのかも。


「情報収集ですね」
「まあな。陸にもし戻って、うちの家が受け入れてくれたんならこの人脈も役に立つだろうし」
「戻れれば、いいですね」


 戻ってやるさ。そうでなければ、何の為に18まで家の為に貢献してきたと思ってる。

 俺がいつか貢献される側になる為に決まってんだろうが。





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最終更新日  2015.12.30 14:52:04
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