第5章 「子どもに良かれ」と思っても…


自分の子どもの成長に良かれ、
子どもの生きる力を育もう、と思ってやっている訳です。

子どもに良かれ、と思うから
―お乳の質を良くするために、食事を整えたり、
 ある食材を制限したり、量を気をつけたり・・・
―出来るだけ安全な野菜を使って、調理法にもこだわったり・・・
―アレルゲンとなるものや紫外線から守ったり・・・
―衣・食・住や、生活リズムを自然なものに整えたり・・・
―メディアの害から守るために、
 ゲームやテレビを排除したり・・・

いろいろ労力を傾けるわけです。
事実、食をはじめ、抗生物質や現代医療のこと、
紫外線のこと、メディアの害のこと、化学物質のこと、
学校給食のこと、現代の教育のこと、等など
勉強していったら、「こんな世の中に生きているなんて~!
こんな環境で子育て出来るの~!?」なんて悲観的になります。

そして、それらの、いわゆる「子どもを育てる上での害」を
知ったら、または「子どもを育てる上での悪しき世の常識」に
気がついてしまったら、当然それらを自分の子育ての中で
排除して子どもを守ろう!という気持ちになりますよね。

でも、一歩そこで考えて見てください。
「子どもを守る」って、「子どもの生きる力を育む」ことと
決してイコールではないのではないかしら??

ある時、おっぱいマッサージでお世話になっている
助産婦さんから、こんな話をして頂きました。
「いつもいつも質のいいお乳にすることは
 子どもをスポイルしていることと同じよ。
 それよりも『お互い様』というのが大切。
 人間関係でもそうでしょう?」
つまり、子どものため、子どもに良かれ、と思って
美味しい質の良いお乳にする為に食事を整えたり
制限したりすることで、子どもに良いお乳ばかり与えることは
子どもを甘やかしていることにもなる、という。
時にはお母さんが「食べたい!」と思うものを存分に
食べてしまったって、「今日はママが美味しい思いを
したよ。ありがとう。おっぱい美味しくないかもしれないけど
ごめんね。」と言って、翌日は粗食にしてお乳を整える、とか
そんな「お互い様」の関係作りが大切、ということです。

それを伺ったとき、やっぱりそうよね!!と
ものすごく共感しました。

おもちゃにこだわって、木のおもちゃしか与えない、とか
食にこだわって、無農薬のものしか食べさせない、とか
そういう考え方は、少し危険だと思います。

それは、それ以外のものは悪いものだ、という価値観を
無意識のうちに子どもに刷り込んでしまうことと同じだからです。

子どもにとって、良いもの、より、よい人間関係のほうが
何倍も心を育てるだろうし、どんなよいものでも、
それしか知らない場合、それ以外のものを受け入れる、という
心身の余裕、受け入れ口というのが狭くなったり、
億劫になったりするのではないかしら?と
感じることがあるのです。

子どもに良かれ、と思うなら、どうぞその受け入れ間口を
広げてみてはいかがでしょうか?
それこそ、子どもの生きる力を信じることです。

こどもは、そんじょそこらのことで、「失敗作」に
なったりはしません。

子育てはよい作品作りではないのですから、ね♪

子どもに良かれ、の意味、もう一度考えてみませんか?



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